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革新的技術を企業のビジネスへ実装する存在に

創業者対談

未だビッグデータというワードすら聞かれなかった2004年の創業以来、業界を牽引し、データビジネスの重要性を広める立場であり続けるブレインパッド。今でこそデータ活用があたりまえに求められる時代となったものの、そうではなかった創業当時、どのように社会を変えていけるという目論見があったのか。そしてこれからも業界の先頭に立ち続けるブレインパッドが、世の中に提供していくべきこととは。ともにブレインパッドの最前線を率いてきた、創業者に語ってもらいます。

佐藤清之輔取締役 Co-Founder

最適化ソフトを販売する米国企業の日本法人の代表から、高橋と共にブレインパッドを創業。2023年7月から現職。

高橋隆史取締役会長 Co-Founder

インターネットプロバイダ企業の創業メンバーを経験したのち、ブレインパッドを創業。2023年7月から現職。

アメリカではすでに行われていたデータビジネス。日本での創業は、茨の道だった。

佐藤これまでの我々とこれからの我々を考えるというのは、これまで何度もやってきたことではあるけれど。今日は改めて、それぞれの視点でこの会社を見つめ直して、未来を共有していくための対談だ。ブレインパッドの創業前、我々がどんなことを考えてこのビジネスを始めたかという話から振り返ってみようか。

高橋佐藤さんと初めて会った2003年ごろ、僕はインターネットサービス・プロバイダの仕事をしていました。ちょうどインターネットがナローバンドからブロードバンドに切り替わりつつあるタイミングだったんですよ。末端の回線が劇的に太くなっていて、それに伴ってデータ量もすごく増えていた。このデータを上手く使えばいろんなことができるし、企業にとってはとても重要な意味をもつものになるぞ、と考えて、そういうことに知見がありそうな人を探していたとき、共通の知人に紹介されたのが佐藤さんでした。

佐藤アメリカではデータをビジネスに活かそうって動きは、80年代からすでにあったんだよ。特に金融の世界ではずっとね。でさ、ほら、私はアメリカかぶれでしょ?(笑)アメリカのビジネススタイルが合うし、アメリカのように効率的で新しいビジネスを日本でもやっていこうとしていたんだよ。

高橋日本でも、90年代にはデータマイニングの小さなブームは起こってましたけど、アメリカの動きとは裏腹に、すぐに廃れてしまいましたね。

佐藤日本はアメリカとそもそもマーケットのつくりが違いすぎるからね。

高橋アメリカは人種がバラバラというのもあり、ひとくちに「消費者」と言っても経済状況も家庭環境も趣味・嗜好も、全てがバラバラ。すべての人に同じようなアプローチをするのでは効率が悪すぎたんでしょうね。必要な人に最適な情報を届ける技術の発達は不可欠でした。一方、日本はほぼ単一民族のモノカルチャーで、まだ「一億総中流」と言われていたころだから、情報を個別に最適化するという概念自体がなかった。

佐藤ビジネスに対する姿勢も違った。「ちょっとでも儲かるならやってみよう」って姿勢は、当時の日本では薄かったように思うね。

啓発と実証を繰り返していたら、社会が追いついてきた。

佐藤そんな当時を考えると、日本の社会もブレインパッドの役割も変わってきたかもしれないね。

高橋最初は、まったくデータの重要性なんて理解されませんでしたからね。

佐藤私が営業に行くと、「何かあやしい話なんじゃないの?」と思われたこともあったくらいだったよ(笑)。1日中企業を回って、年間で提案書を700本くらい書いたと思う。まさに草の根的にデータの重要性を説いて回るというか、啓発活動だったよね。ひたすら啓発して、少しでも興味を示してくれたところの仕事はとにかく引き受けて、実証して、事例を増やして。その繰り返しで少しずつ、だな。2010年ごろ、「ビッグデータ」という言葉が世の中で使われるようになってから、少しは変わったかな?

高橋自分たちとしては、劇的に変わった実感はなかったですね。コンスタントにクライアント企業の課題に応えることで、成長を続けてきた。ただ、クライアントの意識としてはちょっと変わってきたでしょうね。ビジネスへのデータ活用に関して、「やってみたい。どうすればできるの?」という反応が多くなった。

佐藤そうだね。もちろん2010年以降で世の中が大きく動いた部分もあるだろうけど、私たちとしては、啓発し続けて、理解を得て、少しずつビジネスにデータ活用を取り入れ変化する企業を増やしてきた結果だという自負もある。いま多くの企業がデータ活用を重視しているのは、ブレインパッドがデータの価値を普及させてきたことの結果が目に見えている状態だと思うよ。

高橋これからも私たちの立場から変わらず啓発し続け、技術的にも牽引する立場であり続けたいと思います。データとビジネスの重要性を説いては、証明して。あくまでそれが積み重なっての、いまです。

課題に応えるだけでなく、
データから経営やビジネスそのものをつくる存在へ。

佐藤これからの我々は、どんなことを成し遂げていく必要があるかも、話しておこう。

高橋そうですね。データで可能になることは増え続けていますから、引き続き、それを実現し、社会に実装していくことが私たちの変わらぬ使命であり続けると思います。

佐藤それこそが、会社のビジョンである「アナリティクスイノベーションカンパニー」の姿だよね。ただ企業の課題をデータで解決するだけじゃなくて、私たちの技術が企業のビジネスプロセスのひとつとして組み込まれて機能するようにならなければならないよね。

高橋IoT時代は、リアルタイムにデータを受け取り、リアルタイムに結果を返していけることが必要です。そのためには、人間が関与していては追いつかないので、分析にいわゆる人工知能のような技術を活用し、それをシステム化することで、企業の内部でいつでも稼働できるようにするためのエンジニア技術も重要になってきます。

佐藤そうだね。その企業、ビジネスそのものに革新的な技術を実装させられるような存在にならなければいけない。決まりきった仕様でなく、ビジネスに入り込んだデータ分析、データ活用を行えるような。

高橋そういったコンサルティングもできて、これまで積み重ねてきた技術があって、システム運用にも長けている。これらをトータルにひとつの集団として応えられるのが我々のやるべきことだし、これまでもやろうとしてきたからこそ、今私たちの強みになっていると思います。

佐藤多様な能力を持った仲間が続々と入社してくれて、組織規模も大きくなってきたから、この強みを発揮できる案件が年々増えてきているよね。

高橋そうですね。私たちが向かうのは、日本社会にもっとデータの力を活かし、持続可能な社会をつくる未来。データ活用に積極的に取り組もうとしている企業と一緒に多くの変革を起こし、もっともっと、日本中がブレインパッドの力で変わっていけるようにしたいなと考えています。

佐藤ようやくここまで来たなという実感もありながら、やはりまだまだ。より多くの企業のビジネスを変え、より大きく社会にイノベーションを起こす存在でありたいね。