CASE STUDIES導入事例
株式会社I-ne

属人的なECショップ運営業務を「ブレインロボ(BrainRobo))」で自動化! 次世代ベンチャーメーカーのさらなる成長を支援するRPA導入事例
- 企業概要
- 「BOTANIST」「SALONIA」など、画期的な新商品を次々と世に送り出す次世代ベンチャーメーカー・株式会社I-ne(アイエヌイー)は、約20以上のブランドにわたり展開するECショップの運営業務を自動化するため、ブレインパッドのRPAサービス「ブレインロボ(BrainRobo)」を導入しました。3か月のトライアル利用を経て、ブレインロボの正式導入を決定、現在は47業務の自動化により月間300時間の工数削減を実現すべくRPAの導入範囲を拡大しています。同社の取締役・橋本様、情報システム課課長・浅利様に、ブレインロボの導入経緯と活用方法についてお話をうかがいました。
ブレインロボ導⼊の背景・経緯
【事業内容】顧客ニーズに応える画期的な新商品を次々と生み出す次世代ベンチャーメーカー
──I-ne様の事業内容を教えてください。
橋本様:I-neは、植物由来原料を配合したヘアケアブランド「BOTANIST(ボタニスト)」を中心に、ヘアアイロンブランド「SALONIA(サロニア)」、スキンケアブランド「skinvill(スキンビル)」など、約20の自社ブランドの製造・販売を行う消費財メーカーです。ブランド運営から商品企画、卸売・小売、販売広告戦略、流通までを一手に行い、グローバルに商品を提供しています。
当社の強みは「Lean StartUp(リーン・スタートアップ、*1)」です。一般的なメーカーと違い、自社工場を持たず、マス広告を打たず、ECサイトを中心にお客様に直接商品をお届けしています。数多くの商品をスピーディーに開発し、販売から改善に至るサイクルを高速で回すことで、お客様が本当に求める製品を短期間で創り上げていけるのが弊社の強みです。
*1:最低限のコストと短いサイクルで仮説の構築と検証を繰り返しながら素早くPDCAサイクルを回し、市場やユーザーのニーズを探り当てていく手法
「商品を通じて世界中を幸せにする」を経営理念とし、お客様やその家族、取引先、地域社会、ひいては自社社員とその家族も幸せにするような商品づくりに日夜取り組んでいます。
【RPA導入の目的】
事業の急拡大に伴い、業務量が増大。属人的なECショップ運営業務から脱却したい
──RPAを導入する以前の課題を教えてください。
橋本様:先ほど申し上げた「Lean」であるがゆえの課題がありました。
当社の約20のブランドはそれぞれ独立したブランドとしてドメインを持ち、ECサイトを中心に販売を行っています。
ECサイトは自社構築のショップだけでなく、Yahoo!や楽天など他社のECプラットフォームでも展開しているので、ブランドが増えるたびに各店舗の管理業務や問い合わせ対応が増え、業務量が膨大になっていったのです。
浅利様:例えば、ショップごとに商品コードの体系が異なるので、商品マスタの管理は
「ブランド×ECショップ」の数だけ発生します。運用ルールもショップごとに違うため、
同じ作業でもオペレーションの仕方が変わります。
システム化が難しい作業も多く、ある程度はマンパワーで対応せざるを得ません。
こうした背景から、「いかにして業務量の増大やミスの発生を防ぐか?」というのは、
RPAを検討する以前からのテーマになっていました。
【導入イメージ】
ブレインロボ選定・採⽤のポイント
【選定のポイント】
業務課題の解決にフォーカスした提案内容を評価、同じ目線に立ったスピード感ある対応も選定の決め手に
──RPAの導入を検討されたきっかけを教えてください。
橋本様:2017年の夏頃にRPAのことを知り、情報収集を始めました。ECショップのオペレーションを中心に属人的な作業が多く存在しているので、導入すれば確実に効果が期待できるだろうと考えていました。
そんな時、ブレインパッドさんがRPAを取り扱われていることを知って、お問い合わせをさせてもらいました。ブレインパッドの草野さん(株式会社ブレインパッド・代表取締役会長)には以前から当社のビジネスに関して相談にのってもらっていたので、RPAのことも聞いてみようという経緯でした。
橋本様:まずはブレインロボが実際に動くところを見せてもらいました。ブレインパッドさんが用意したECシステムの商品マスタに、ブレインロボが商品データを自動登録していくデモンストレーションでした。
RPAのことは頭では理解していましたが、実際に動くのは初めて見たので「おお、本当に動くんだ!」というのが率直な印象でした。
それから本格的な検討を始め、2018年1月にブレインロボのトライアル導入を開始することになりました。
──他のRPA導入ベンダーとの比較検討はされなかったのですか?
橋本様:他の企業からの提案も受けましたが、最終的にはブレインパッドさんに決めました。
大きく違ったのはRPA導入までのアプローチです。他社は「業務プロセスを根本から見直し、次にRPA導入を検討する」という、BPR(Business Process Re-engineering)的な進め方を提案していました。
BPRが大事なことは重々承知していますが、当社のように成長途上にある会社は組織や業務が目まぐるしく変わるため、まずはプロセスをガチっと固めてから、というアプローチが難しいのです。
ブレインパッドさんはそうした当社の状況を考慮して、まずは目の前に山積する課題をRPAで解決することにフォーカスした提案をしてくれました。要望に対するレスポンスの速さは当社のスピード感に近いものがあって、同じ目線に立ってRPA導入を進めてける安心感が選定の決め手になりました。
【導入プロセス1:簡易診断】
ECショップ運営の3業務を対象に、自動化に向けた簡易診断を実施
──ブレインロボの具体的な導入プロセスを教えてください。
橋本様:ブレインロボの導入効果を検証するため、ECショップの運営業務から下記の3業務をトライアル対象に選定して自動化を行ってみました。
① 注文キャンセル時のチェック作業
② 在庫表の作成作業
③ 会計システムのデータチェック作業
これらの作業を自動化することができるか、まずは簡易的な診断をしていただき、2018年2月から実際にロボットプログラムを作成する作業に入りました。
ブレインパッドのサポートについて
【導入プロセス2:PoC支援】
実際にロボットプログラムを作成し、社内デモを実施。現場社員から驚きの声が上がり、RPAへの期待が一気に高まる
浅利様:3業務の具体的な手順をまとめたドキュメントを基に、ブレインパッドさんがロボットを作成し、それを当社が検証する、という流れでプログラム作成を進めていきました。
浅利様:今後、6月から9月までの4か月間で、合計47の業務を自動化していく計画です。業務棚卸を行い、それぞれの業務に関してロボット化の難易度を6段階に定めました。難易度と件数のバランスを見ながら月ごとに対象業務を定め、自動化を順次進めていく予定です。
打ち合わせは週1回、Web会議と対面での打ち合わせを交互に行うスタイルでした。
当社は大阪、ブレインパッドさんは東京ですが、物理的な距離が問題になることはまったくなかったです。
最終的に対象3業務の自動化プログラムが3月末に完成しました。各業務に月10時間の作業工数が掛かっていたので、この時点で合計月30時間の作業工数削減が実現しています。
──それまで業務を担当していた方からは、どのような反応がありましたか?
橋本様:ロボットが完成してから、役職者や現場担当者、その他にもブレインロボが関係しそうな業務のメンバーを集めてデモンストレーションを行ったんです。
そうしたらみんなが「これはすごい!」と感動してくれましたね。特にECショップの運営を行う担当者は相当テンションが上がっていました。
自分が普段行っている作業だからこそ、それが自動化できることに驚きがあったのだと思います。
ここまでできるなら、他のことにもどんどん活用できるんじゃないの?と、RPAに対する社内的な期待が一気に高まった瞬間でした。
【導入プロセス3:スキルトランスファー】
2か月におよぶ綿密なスキルトランスファーを実施。「ロボット相談室」を開催し、社内にRPAスキルを蓄積
──トライアル契約から、正式契約に至った後のプロセスを教えてください。
浅利様:2018年4月からはロボットプログラムを自分たちでも作成できるよう、ブレインパッドさんの協力をいただきながら、スキルトランスファーを進めていきました。
RPA専門トレーナーの方に来ていただき、情報システム課の担当者を対象に、独自カリキュラムを丸2日間みっちりとやっていただきました。その後、教わった内容を実践するため、情報システム課内にあるルーティン作業の自動化に取り掛かりました。
当然、わからないことがたくさん出てきますので、その都度ブレインパッドさんにBacklogで質問をしたり、ご来社される際に直接質問しながら開発を進めました。
5月からは隔週で「ロボット相談室」というものを開催しています。この日はブレインパッドさんにご来社いただき、朝10時から夕方18時まで、ロボットについてひたすら社内の質問に答えていただくのです。
どんな質問にも必ず回答してくれるので、とても助かっていますね。サポートは非常に手厚くやっていただいていると思います。
【導入プロセス4:本格導入フェーズ】
4か月間でECショップ運営47業務の自動化を計画、月間300時間の作業工数削減を目指す
──今後の計画について教えてください。
浅利様:今後、6月から9月までの4か月間で、合計47の業務を自動化していく計画です。業務棚卸を行い、それぞれの業務に関してロボット化の難易度を6段階に定めました。難易度と件数のバランスを見ながら月ごとに対象業務を定め、自動化を順次進めていく予定です。
自動化の効果が特に大きいと期待しているのが、注文時に不足している情報をお客様に確認する「注文情報の確認作業」です。
ECショップを運営する企業ならおそらくどこにでもある作業で、当社ではこの作業に毎月64時間の工数を掛けています。
47業務すべての自動化が実現すれば、月間約300時間の作業工数が削減される見込みです。
まずはこれを実現するため、しっかりと開発リソース確保しながら、自動化を進めていきたいと考えています。
今後の展望
【今後の展望】
ブレインパッドの支援を得て、より高度な業務自動化にもトライ。自社の強み“Leanであること”をさらに強化していきたい
──今後、ブレインロボをどのように活用していくか、展望をお聞かせください。
浅利様:現在自動化を進めている47業務以外にも、RPAで自動化したい業務の候補が30ほど控えています。
これらの業務は、紙書類にある手書きテキストをデジタル化するなど、自動化の難易度が高い工程を含んでいます。
現在ブレインパッドさんにはこれら業務をどうすれば自動化できるか、調査・研究を進めていただいています。
現在取り掛かっている47業務の自動化が実現した後には、これら難易度の高い業務の自動化にも、プレインパッドさんに支援をいただきながら取り組んでいこうと考えています。
橋本様:RPA導入範囲が順調に拡大して、オペレーションに掛ける作業工数を削減できれば、その時間を商品企画や、業務プロセスの改善など、よりクリエイティブな業務にあてることができると思います。
これは当社の強み=「Lean」であることをさらに伸ばすことにも繋がるので、経営層としてもブレインロボには高い期待をしています。
【RPA導入の総括】
百聞は一見に如かず! 導入検討中企業は、まずトライアル導入を試してみるのも1つの手段
──最後に、RPA導入検討中の企業様に向けて、何かアドバイスがあればお聞かせください。
浅利様:「百聞は一見に如かず」で、まずはトライアル導入を一度試されてみてはと思います。RPAが自社にもたらすメリットを理解・実感できますし、それを現場の社員にも見てもらえれば、RPAの導入にさらに弾みがつくと思います。
当社も現場社員にデモンストレーションを見せることで、RPAへの期待感が高まりましたし、それをきっかけに80近くの自動化希望業務が集まりました。トライアル導入はそういった勢いをつけてくれると思います。
橋本様:当社の場合、ブレインロボ導入の意思決定をした後、「今すぐにでも正式導入したい」と意向をお伝えしたのですが、ブレインパッドさんから「導入効果検証なしの本格導入はお断りします」ときっぱり言われました。
振り返ってみると、導入効果検証で初めて気がつくことも多々あり、あのプロセスがなければここまでスムーズにRPA導入が進んでいなかったと思います。ブレインパッドさんには誠意ある対応をしていただいて、本当に感謝しています。
RPAを導入すべきか否か、検討がなかなか進まないとお悩みの企業様は、まずは導入効果検証を試されてみるのも1つの手段かと思います。
──本日はありがとうございました。
導入事例リリース: https://www.brainpad.co.jp/news/2018/06/28/7896