【DXピラミッド】一般から最先端、そして未来まで。わかりにくいDXを、3分で理解する。 DXピラミッド
一般から最先端、そして未来まで。
わかりにくいDXを、3分で理解する。

いったい、どれがDX?

「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が色んなところで使われるたびにモヤモヤしたり、「そもそも、DXってなんなんだろう?」と思う方、多いのではないでしょうか。話題、流行っている言葉ほど、色んな意味合いで使われることが多いですよね。

さて、では皆さんは、「DX」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?下記に、思いつくものをざっくりと挙げてみました。

この中のどれかDXといえるのでしょうか?少し、考えてみましょう。

結論、全てDXに当てはまると言えます。

どれがDXか、どれがDXではないかでもう悩む必要はありません。

このように、DXに該当する言葉は多々ありますが、企業で共通理解がなされないまま「DXをしよう」や「DXを進めよう」というと、「既存業務のデジタル化」なのか、「新しいビジネスモデルによる経営改革なのか」で現場が迷い、「何から始めるべきか」を議論して終わらない状況になってしまうことが往々にして起こり得ます。

だからこそ、DXとは何かをしっかり整理し、本質を理解することが重要です。

DXの定義

では、改めてDXの定義を考えてみましょう。

経済産業省「DXレポート」では...

DXとは、Digital Transformationの略語です。Transformationは「変容」 という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります。デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います。

DXに関する厳密な定義があるわけではありませんが、経済産業省では、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」において、以下のようにDXを解釈しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

このように、DXはビジネス用語として定着しつつあります。データやデジタル技術によって、製品やサービス、ビジネスモデルを「変革」してこそDXと言える点がポイントです。

DXの提唱者は...

ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる

DXという言葉は、2004年にスウェーデンのウメオ大学に所属するエリック・ストルターマン教授が提唱したとされています。テクノロジーの発達が人々の生活を改善することを指し、研究者は、その変化を正しく分析・議論できるようアプローチの方法を編み出す必要があると主張しました。

つまり、DXは当初の意味では、ビジネスに限定されるものではなく、人々の生活全体を情報テクノロジーが変えてしまうという文脈で用いられていたのです。

ちなみに、DXと混同しがちな「デジタライゼーション」や「デジタイゼーション」との違いについても簡単に解説しておきます。

[デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)] 組織横断/全体の業務・製造プロセスのデジタル化、“顧客起点の価値創出”のための事業やビジネスモデルの変革 / [デジタライゼーション(Digitalization)] 個別の業務・製造プロセスのデジタル化 / [デジタイゼーション(Digitization)] アナログ・物理データのデジタルデータ化

このように、DXが全社規模で価値創出にこだわるデジタル化であるのに対し、デジタライゼーションは特定のプロセスに限ったデジタル化、デジタイゼーションは紙やパンチカードなどの物質的な情報をデジタル形式へ変換することを指します。

DXピラミッドで、わかりやすく理解

「DX」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

思いつくものをざっくりと挙げ、「全てDXに当てはまる」と言いました。とはいえ、「どう理解、整理すればいいか」という疑問を持っている方も多いと思います。

そこで、「DXピラミッド」を用いて、DXをわかりやすく理解、整理してみましょう。

(1) オペレーションのデジタル化(社内業務における洗練化・合理化)

主に該当するもの : 脱ハンコ化、オンライン会議、ERP改修、RPA導入

PC上で行う業務をロボットで自動化することなど、いわば人力・オフライン業務をデジタルに置き換えること。また、企業全体のデータをリアルタイムで集計することができない、部門ごとのデータに不整合が生じている、データの二重入力が必要となるといった、サイロ化された「企業の基幹業務を統合するシステム」を改修することを指します。

(2) 接点チャネルのデジタル化(顧客接点における洗練化・合理化)

主に該当するもの : EC構築|改修、アプリ開発|改修、オンライン接客、マーケティングオートメーション(MA)

企業および個人の購買プロセスにおける意思決定の基準が変わってきています。これまで以上に、「良い顧客体験」が重要視されるようになり、顧客体験の向上について多く語られるようになりました。

これまでのオフライン接客をデジタルに置き換えるもの。また、ECやオンライン接客のみなならず、マーケティングオートメーション(MA)では、オフラインであればアプローチしきれないリードに対しても一人一人にあわせたシナリオを設計してコミュニケーションを自動化することで、見込顧客の興味にあわせた情報を届けることが可能になっています。

(1)と(2)は「デジタライゼーション」とも言い表すことができる領域です。

(3) 意思決定のデジタル化(社内業務における収益増強)

主に該当するもの : モニタリング|可視化(BI)、需要予測|最適化(AI)

(1)と(2)のような、社内業務、顧客接点のデジタル化が進んだ次は、社内業務における意思決定をデジタル化し、収益増強に活かすことが重要です。

最近、「データドリブン経営」という言葉をよく耳にします。

データに基づいて判断を下し、経営やマーケティングをダイナミックに運営していくことを表します。
ただ、これまでオフラインに慣れた経営層からすると、「データをどう見ればいいかわからない」という課題に直面します。そんなときに最適なのが、データを可視化するツール(BI)になります。限られた時間の中でスピーディな意思決定を求められる経営・マネジメント層にとって、データを早く正確に把握するためのデータの可視化・ビジュアル化は必要といえます。

また、「在庫ロス」に悩む小売企業が、過去の購買データをもとにAIを活用して在庫の予測(例:A店舗では7月にアイスクリームが●●個売れるだろう)を行い、在庫の最適化(例:●●個売れるとAIが予測するので、A店舗にはその数を卸す)を行うことで、社内業務における意思決定をデジタル化することも、ここでは当てはまります。

(4) サービス/製品のデジタル化(顧客接点における収益増強)

主に該当するもの : モニタリング|デジタルデータを用いたサービス、既成サービスのデジタル化

(2)との違いは、自社にとっての目的が「業務効率化」ではなく、「収益増強」にあることです。
また、(3)でも触れた、AI活用は顧客接点においても有効な手段になります。

例えば、コロナ禍で店舗での売上が減少し、ECに注力するアパレル企業では、顧客の属性や行動、購買履歴といったさまざまなデータをAI活用することで、AIが導き出した、一人一人にあった最適なレコメンドやコミュニケーションをデジタル上で行っています。
そうすることで顧客は「丁寧なおもてなし」を受けていると感じ、そのブランド、アパレル企業への満足度、購買意欲が高まり、企業の収益アップに繋がるのです。

また、業界を変えてみると、これまで店舗における接客が一般的だった銀行業では「アプリ」が一般化しています。
その先駆けといえる、とある銀行では、「店舗接客がメインだった今までは、1割のお客様にしか会えていなかった」ため、「アプリを通してこれからは、9割のお客様にも会いに行く」と捉え、アプリを強化。

口座残高や入出金明細の確認はもちろん、振込をはじめとするさまざまな取引がスマホで完結できることに加え、アプリのログイン回数、入出金履歴、資産状況をふまえて、AIを活用して最適なレコメンド、コミュニケーションを行っています。

このDXピラミッドは、必ずしも(1)から順に積み上げていくものではありませんが、(1)から(3)ができていないと、(4)はできない可能性が高いと見ていいかもしれません。

(5) 新規デジタルビジネスの創出(社内業務or顧客接点における新収益基盤づくり)

主に該当するもの : 新領域へのビジネス開発|立ち上げ、デジタル人材|組織への投資

新たな市場創出を目的とした、新規デジタルビジネス立ち上げや、それに伴う組織立ち上げ、またDXを推進できる人材を育てたり、リスキリングすることは社内外に及ぼすビジネスインパクトが大きくなるため、「最高難度のDX」といっていいかもしれません。

ある食品会社は、これまで多くの食品開発で培ったノウハウ・技術を活かし、食品のデータベースを基に個人の嗜好性を明らかにする解析エンジンを開発。

食の商品開発プロセスにおいて、商品づくりの各要素にデータを活用することで、食品企業の商品開発担当者が高速でアイデアを検証できる環境を提供し、ターゲットが“欲しがる”商品づくりをサポートするもので、すでにサービス化されています。

まさに、新領域へのビジネス開発|立ち上げといえます。

ライバルである同業他社に外販する背景としては、その食品会社が、業界がよくなることで消費者もよくなることを真剣に考えているからです。

また、(5)では特に、DXを推進できる人材を育成、重用しようとする組織風土の有無が、DXが成功するか、失敗するかに大きく影響します。

ブレインパッドが2020年、事業会社のDX推進役およそ200人を対象に、この5領域ごとにDXの取り組みの進捗状況と成果をアンケートで聞いた結果、やはり(3)(4)(5)が難易度が高いという回答が多かったのです。

DXの最先端事例

皆さんが知っている、日本の大企業ではどんなDXを推進しているのでしょうか?新規デジタルビジネスの創出など、国内における大企業が取り組んでいるDXの最新事例を紹介します。

事例(1) トヨタ自動車

「自動車をつくる会社からモビリティ・カンパニーへのモデルチェンジ」を掲げるトヨタ自動車で、とある新規事業が始動しました。

AI、機械学習を駆使することで、材料開発に重要な先端研究施設から得られるデータの解析プロセスを効率化し、解析時間を大幅に短縮する、「マテリアルズ・インフォマティクス(MI)」の新サービスです。

今までトヨタとして作ったアセット・培ってきた技術を使って、「何か社会を変えることができないか」という思いからスタートした同取り組み。「コーディングフリーでみんながデータを使いこなしより早く良いものが作れるならば喜ばしい」(トヨタ自動車・庄司氏)と考え、本サービスを「外販」することに。

技術者が従来時間を取られていたデータ解析から開放され、ポテンシャルを最大限引き出すことが出来る環境を、お客様と共に創造しています。

事例(2) 伊藤忠商事

伊藤忠商事は2018年よりDX・データ活用戦略の推進と改革に着手し、特に「食品サプライチェーンの最適化」を重要施策と位置付けています。
伊藤忠グループの企業における食品、日用雑貨などの配送、在庫、物流にかかるコストは年数千億円規模になり、これを仮に1%でも改善できれば、収益に大きなプラスインパクトを与えられます。

また輸送時のCO2削減や、在庫適正化によるフードロス削減などはSDGsへの観点でも意義を持ちます。「そこで我々は、このプロセスにAIを適用することで、業務の自動化とムダの解消に取り組むことにしたのです」(伊藤忠商事・海老名氏)。

具体的には、伊藤忠グループである食品卸会社の日本アクセスの在庫・入出荷データ、小売の売上・発注データ、および天候・カレンダー情報などのデータを機械学習にかけて需要予測を実施。結果を基に商品を自動発注する仕組みを実現し、在庫の適正化や発注作業の負荷軽減につなげました。

これにより在庫は最大3割、発注業務は5割減。日本アクセスは特定の小売向け常温商品だけでも1800品目を扱っていて、この規模の食品卸会社がこれだけの効果を上げた例は、業界でも珍しいといいます。

事例(3) アサヒグループジャパン

「DX銘柄」としても業界内外から注目を集めるアサヒグループジャパン。「飲食×デジタル」で新規ビジネスの創出を目指す「Food as a Service構想」を掲げ、業界をリードしています。
DX=BX(Business Transformation)であるという考えのもと、新価値を創造しビジネス変革を起こすためのValue Creation(VC)人材像を定義しました。

その流れで、新たな発想でアイデアを創出しかたちにする「クリエイティブ・ビジネス企画」コースとデータから新しい価値を生み出す「ビジネス・アナリスト」コースの育成プログラムを開始。社内で希望者を募ったところ、想定の2.5倍以上の536人の応募が殺到したといいます。

同社のDXを推進する野村氏は、「組織そのもの・どの部門であってもDXにつながる」と考え、「実際にトランスフォーメーションはどの部署にも可能性はあります」と言います。

DXの最先端事例をもっと詳しく知りたい方へ。
企業全体の大改革を指揮するリーダーたちはDXを一体どのように捉えているのか?
DX推進を目指す経営層・現場、あらゆるビジネスパーソンを鼓舞する印象的な言葉を、「格言集」としてお届けします。

最先端事例のある共通点とDXがもたらす未来予想

先ほどご紹介したどの企業にも共通しているのは、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切り、成功していることにあります。
すなわち、データが活用される場面が増えることは、DXが進むことと同義と言えるのではないでしょうか。

残念なことに現在、データの活用率は3%と言われていて、まだまだデータ活用が進んでいないことも事実です。
しかし、見方を変えて見ればどうでしょう。残り97%に活用の余地があるとも言えます。
企業に「データ活用」という力を加え、データを隅々にまで巡らせることが、DXを成功に導く、つまり日本のビジネスを成功に導くチャンスになると考えます。

データ活用が10%でも進むと、例えば...

データ活用例(1) : データ活用 × オンラインショップ

服好きな方は、オンラインショップで実店舗の店員と同じようなコーディネートの提案を、より受けられるようになるでしょう。

データ活用例(2) : データ活用 ×ドライブ

快適なドライブを行いたい方は、過去の天候、渋滞、事故データをもとに、最適なドライブルートの提案を、より受けられるようになるでしょう。

データ活用例(3) : データ活用 × 研究開発

先輩が築いてきた技術を習得することに時間が掛かり、なかなか開発が進まない悩みを持つ技術者は、社内に蓄積されたデータと、それを活かすAIをもとに開発を加速化できるでしょう。

データ活用例(4) : データ活用 × 在庫削減

毎年夏に品切れになる商品も、過去の購買データを基にAIが、最適な生産計画、在庫計画をレコメンド。もう、品切れでお客様も困ることはありません。

データ活用は、このようなバリューチェーンに整理できます。

データ活用のアプローチはさまざまですが、このバリューチェーンを全て網羅するケイパビリティをもつ会社があります。

上記のバリューチェーンを全て網羅する
ケイパビリティをもつ会社とは…

データ活用のリーディングカンパニー「ブレインパッド」LEADING COMPANY IN DATA UTILIZATION

2004年からDXに着手し、最先端の知見を駆使し大手企業を中心に
DX推進パートナーとして活躍するのが「ブレインパッド」です。

2004年、「データなんて、ビジネスにならない」と言われていた頃、データ活用こそが経営において重要な鍵となると信じ誕生したのが、ブレインパッドです。

それから約20年、ビジネスにおけるデータ活用を、あらゆる業界のあらゆる場に応用してきました。すべての仕事において「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」という理念を持って、先端的で実践的なデータ活用のあり方を模索してきました。
この領域での豊富な経験を有するブレインパッドは、今後もクライアント企業様のよき変革のパートナーとして、ともに日本のみならず世界に誇れる先進事例を生み出し、世界を持続可能なものにして、次代に繋いでいきたいと思います。

ブレインパッドについて

[データ活用研修] 70,000人+※2022年9月時点 のべ受講者 / [データ活用プロジェクト] 1,000件+ のべご支援社数 / [Brandwatch] 1兆4,000億件 ソーシャルメディアのデータ蓄積 / [Rtoaster] 3,000億imp/年 ウェブ・アプリのパーソナライズ / [probance] 3,0億通/年 メール・LINEのプッシュ

日々増え続ける膨大なデータを取り扱い、
大手企業を中心に、のべ1,000社のデータ活用プロジェクトを推進。

データ活用の構想策定コンサルティングから、基盤構築・マーケティングプロダクトの提供等、さまざまなプロジェクトを推進。業界業種を問わない「データサイエンス」がブレインパッドの強みです。

商号 株式会社ブレインパッド(英文 BrainPad Inc.)
事業内容 企業の経営改善を支援するビッグデータ活用サービス、デジタルマーケティングサービス
本社 106-0032
東京都港区六本木3-1-1 六本木ティーキューブ
設立 2004年3月18日(決算日6月30日)
従業員数 533名(連結、2022年12月31日現在)
株式市場 東京証券取引所 プライム市場(証券コード:3655)

提供サービス

プロフェッショナルサービス

データ活用のさまざまなプロフェッショナルが、多様な視点からアナリティクスとエンジニアリングのスキルを駆使して、その企業に最適なデータ活用を実装します。

可視化や効率化に加え、「データによる意思決定」を経営に組み込むために必要なバリューチェーンをフルラインナップで提供します。データ活用の構想策定からアルゴリズム開発、運用基盤構築に留まらず、専門人材の育成まで含めた網羅したサービスで、データ活用の内製化まで支援します。

プロダクト・サービス

Rtoaster

個別に最適化された顧客体験を自動化し、ビジネス価値を最大化するデータ活用プラットフォーム

○○ページを見た人へは○○をおすすめする。△△メールのリンクをクリックした人ヘは△△をおすすめする…。こうしたレコメンド施策は、今や多くのビジネスにおいて当たり前に行われています。

しかし、お客様に「丁寧な接客だ」と感じていただくためには、単純に過去の行動データを元にするだけではなく、性別年齢居住地といったお客様の「属性」はもちろん、お気持ちやシチュエーションまで受け止めた上でのご提案が必要です。

ルールベースレコメンド×自動レコメンドで成果をあげる。顧客接点のパーソナライズならRtoaster(アールトースター)です。

probance

機械学習により顧客ニーズを予測しパーソナライズコミュニケーションを実現するBtoC向けマーケティングオートメーションプラットフォーム

現在、あらゆる企業が電話やメール、SNSをマーケティングに利用しており、エンドユーザーは情報の多さに悩まされています。プロバンスは、こうしたエンドユーザーのストレスを解消し、企業価値の向上と購入率アップ、休眠顧客の発掘などの成果向上をサポートします。

Brandwatch

SNS上のトレンドや消費者の意見を理解し、ビジネスに必要となる意思決定を強力に支援