Probance User Graph 2025 レポート
2025年3月12日に、「Probance User Graph(ユーザー会)」を開催いたしました。
本ユーザー会では、Probanceをご利用いただいている企業の皆さまにお集まりいただき、フランスから来日したProbance社のCEO エマニュエル氏とブレインパッドより、日頃のご活用への感謝と今後のプロダクトビジョンについてご挨拶させていただきました。
また、当日はブレインパッドとアイリッジ社の協業体制についてのご紹介に加え、Probanceをご活用いただいている企業をお招きしたセッションの実施、そしてProbance社からは今後1年間のロードマップについての発表が行われました。
本記事では、当日のイベントの様子とともに、Probanceの現在とこれからについて、詳しくご紹介いたします。
【トークテーマ】
1.ブレインパッド×Probanceの取り組み
2.Probance導入企業に聞く、実践的なMA活用の現在地
3.アプリマーケの最前線とは?
4.Probanceの2025年のプロダクト戦略とロードマップ
1.ブレインパッド×Probanceの取り組み
今回のユーザー会では、Probance社のCEO エマニュエル氏より、ブレインパッドとProbanceのパートナーシップや今後のプロダクトビジョンについてご紹介しました。・Probance CEO Emmanuel Duhesme(エマニュエル・デュエム)氏
ブレインパッドはProbance社と10年以上にわたって、日本国内ユーザーの要望を製品に反映する協力体制を構築しています。
今回は、エマニュエル氏とブレインパッドの上席執行役 山崎より、ブレインパッドとProbanceのパートナーシップについて、以下の3つのポイントをご紹介させていただきました。
1. グローバル展開と日本市場への対応
Probanceはフランスに本社を置き、グローバルに展開しているMAツールで、日本国内ではブレインパッドが販売代理を務めています。
Probanceは、現場からの要望を積極的に製品機能に反映してくれています。たとえば、日本のユーザーからの要望を受けて、Probance社の協力のもとアプリマーケティングを強化するため、アイリッジ社の「APPBOX」(詳細は後述)との連携機能が実現しました。
2. 日本国内向けのインフラ対応と運用体制の強化
多くのグローバルSaaSベンダーが日本市場への対応に課題を抱えるなか、Probanceは日本リージョンを活用しています。
さらに、ブレインパッドのRtoasterの運用チームも一部関与しており、こうした協力体制のもとで、国内ユーザーにサービスを提供しています。
3. 開発・運用サポートにおける緊密な連携体制
昨年末に新バージョンのProbanceをリリースした際、品質面において一部のお客様にご迷惑をおかけしました。
この経験を受け、Probanceとブレインパッドは、従来の対話型の協業をさらに強化し、常設の協議体制を構築しました。
現在では、開発・テスト・リリースの各フェーズで日本国内の事象を積極的に取り入れる体制を整え、継続的な品質向上と課題解決に取り組んでいます。
今後は、Probance単体での活用にとどまらず、ブレインパッドの他プロダクトとの連携も視野に入れ、企業様への支援をさらに強化してまいります。
2.Probance導入企業に聞く、実践的なMA活用の現在地
Probanceをご活用いただいている企業をお招きしたセッションを実施いたしました。
Probanceの導入による効果や現在の活用状況、さらに今後改善してほしい点についても、率直にお話しいただきました。
アパレル業界様
あるアパレル企業では、ECサイトを中心に、Probanceを活用してパーソナライズ配信を行っています。
導入当初から「誰でも使えるMA」を目指し、ツールを社内全体で活用できる体制づくりに注力され、Probanceでメールやアプリ、LINEなど複数のチャネルで顧客に合わせたタイミングや内容で情報を配信しています。
現在の活用状況
・パーソナライズされたメール配信
ユーザーの閲覧履歴やお気に入り登録、カートイン履歴などをもとに「あなたにおすすめ」といった形で商品をレコメンド。
購入後のフォローメールなども含め、さまざまなシナリオを展開。
・アプリ・LINE連携によるマルチチャネル配信
アプリのプッシュ通知やLINEメッセージでの情報配信を実施。
お気に入り登録された商品に対して、追加翌日・1週間後・在庫減少時など、タイミングを分けてプッシュ通知を送信。
また、誕生日を迎えたユーザーにはバースデークーポンをアプリ経由で付与。
・店舗連携
アプリで「お気に入り店舗」を登録したユーザーには、その店舗に関連する情報を個別にメールで配信。
・Rtoasterとの連携による高度なレコメンド
Web上で収集した閲覧・購入履歴をRtoasterで分析し、その結果をProbanceと連携。
「あなたへのおすすめ商品」として、メール内にレコメンドコンテンツを自動表示。
Probanceの活用と今後の改善点
Probanceを活用しているなかでの課題や要望についてもお話しいただきました。
課題や要望
・運用体制の強化
Probanceは以前のMAツールより使いやすいが、以前使用していたMAツールを前提に設計してしまったため、商品情報が未整備な場合の対応に遅れが出てしまう。柔軟なデータ取り込みや体制整備が今後の課題となっている。
・コンタクトリストの改善要望
コンタクトリストの上限(10万件・20リスト)では不足しており、大規模配信時に分割作業が発生してしまい、運用負荷が高いため、柔軟なリスト管理が出来ると嬉しい。
ユーザー会を通じて、参加企業の皆さまにも「自社でも似たような課題がある」「こうした工夫は参考になりそうだ」といった気づきがあったのではないでしょうか。
活用方法はさまざまですが、ぜひ今回の内容を今後の業務にご活用いただけますと幸いです。
3.アプリマーケの最前線とは?
このセッションでは「アプリ」をテーマに、アプリ開発を手がける株式会社アイリッジ様との「APPBOX」を通じた取り組みをご紹介させていただきました。・株式会社アイリッジ 代表取締役社長 小田 健太郎 氏
アイリッジ社は2008年に創業され、今年で18年目を迎えます。
創業年である2008年は、リーマンショックによる経済的影響が世界を揺るがせた一方で、日本にスマートフォンが上陸した年でもあります。
この「スマートフォン元年」とも言える時期から、アイリッジ社はスマホアプリの開発に取り組み、アプリ向けソリューションの提供を開始されています。
その後は、スマートフォンが生活に深く浸透するなかで、アプリの可能性をさらに広げるべく、開発からマーケティングまでをワンストップで支援するアプリビジネスプラットフォーム「APPBOX(アップボックス)」をはじめ、業界ごとに最適化されたソリューションを提供し続けています。
アイリッジ社とブレインパッドは、パートナーシップを結び、両社の強みを生かした協業体制を築いてまいりました。
その取り組みの一環として、2024年12月には「アプリプッシュのAPPBOX連携」に関するプレスリリースを発表しています。
プレスリリースはこちら:https://www.brainpad.co.jp/Probance/news/news20241204/
Probance アプリプッシュ通知(APPBOX)とは?
APPBOXとの連携により、Probanceの画面上でメッセージを作成し、宛先を指定するだけで、簡単にプッシュ通知を配信できます。
また、プッシュ通知をオフにしているユーザーにも、アプリ内インボックスを通じてメッセージを届けることが可能です。
この仕組みにより、これまでリーチが難しかったユーザーにも情報を届けられるようになり、コミュニケーションの幅が大きく広がりました。
さらに、メールのようにキャンペーンや配信設定を柔軟に行える点も特長で、ユーザーの行動やニーズに合わせて、継続的かつパーソナライズされたアプローチが可能になります。
この機能は、ブレインパッドの営業チームが実際にお客様の声をヒアリングするなかで見えてきた課題をもとに、アイリッジ社およびProbance社と協力して実現しました。
このセッションが、アプリを起点にファン化を進めるためのヒントになったのではないかと思います。
4.Probanceの2025年のプロダクト戦略とロードマップ
Probanceの2025年のプロダクト戦略とロードマップを Probance CEOのエマニュエル氏よりお話しさせていただきました。
ロードマップの3つのテーマ
1. 既存機能の改善
既存機能の改善計画として「マルチチャネルでのプレッシャーコントロール」「クアランティン管理」「UI・UX」の3つに取り組んでいます。
マルチチャネルでのプレッシャーコントロールの高度化により、各チャネルごとに配信量を柔軟に調整でき、より精密なコミュニケーションが実現します。
また、クアランティン管理では、購入済み商品や過去のレコメンド配信を除外し、チャネル別に制御できる機能を強化し、さらに、UI改善に取り組み、日々の運用の使いやすさを向上させます。
2. 新規チャネルを追加
Probanceは、メール以外の新たなチャネル拡張にも取り組んでおり、「APPBOX連携」「オンサイトレコメンド機能」の2つの新チャネルを導入しています。
APPBOX連携では、プッシュ通知をオフにしているユーザーにもアプリ内のインボックスを通じて情報を届けることが可能です。
オンサイトレコメンド機能では、非会員を含むユーザーの行動をトラッキングし、リアルタイムで購買意欲を高める商品やカテゴリを表示することができます。
これにより、より広いタッチポイントでのパーソナライズ施策が可能となり、効果的なコミュニケーションを実現します。
3. あらゆる場所にAIを組み込む
メールのテンプレートを簡単に作成できる「ファストビルダー」では、テーマやトーンを選ぶだけで、本文や件名を自動生成することができます。
さらに、生成AIが作成した件名を使ってA/Bテストを行うこともできるため、より効果的な件名を自動的に選定することも可能です。
ロードマップに基づき、ユーザーの皆様と共にプロダクトを進化させていくことを目指しています。
次回のProbanceユーザー会もご期待ください!
今後も、ご利用企業様の課題に寄り添い、共に解決を目指す「ユーザー会」や「情報交換会」を継続的に開催していく予定です。
ツールの使い方はもちろん、施策への活用や社内浸透など、さまざまな課題に対してブレインパッドが伴走いたします。お困りごとがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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