目次
- はじめに
- コロナ禍でのイベント動向の変化
- 関心度(Xでの投稿数)の推移
- 3イベントの合計
- イベント別
- 投稿者層別
- イベントの変化と消費者の変化
- イベント参加方法の複雑化
- 消費者の習慣や価値観の変化
- 関心度(Xでの投稿数)の推移
- 現状の課題
- 今後の提案
- 入場方法の簡素化と情報発信の強化による参加者の不安解消
- オンライン販売の強化によるオフラインの混雑緩和
- まとめ
はじめに
バレンタインのチョコレートイベントは年々盛り上がりを見せ、国内外の有名ショコラティエが集う華やかな祭典として、多くのチョコレートファンを魅了しています。
近年では、チョコレート愛好家だけでなく、ソーシャルメディアを通じて情報を得たチョコレートライトファン層の参加もSNS上で増加しており、バレンタイン市場全体の活性化にもつながっています。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、イベントの参加方法の変更や消費者側の習慣の変化など、コロナ前とコロナ後で変わった部分もあるようです。
本記事では、主要なチョコレートイベントである「サロン・デュ・ショコラ」「アムール・デュ・ショコラ」「バレンタインチョコレート博覧会」の動向の変化をX(旧Twitter)の投稿のソーシャルアナリティクスのツール*をもとに調査し、現状の課題と今後の方向性について考察します。
*当記事に搭載されてる画像と分析結果はBrandwatch Consumer Research(ブランドウォッチ・コンシューマー・リサーチ)のソーシャルアナリティクスプラットフォームで提供しております。
コロナ禍でのイベント動向の変化
- 関心度(Xでの投稿数)の推移
- 3イベントの合計
- 2018年11月1日~2025年2月14日で示したものです。一気に投稿数のボリュームが増加している箇所が、各年のバレンタイン期間であり、イベントの実施期間です。
- 各年の投稿数の最大値をもとに投稿数を比較すると、2022年はコロナ前より投稿数が増えているものの、その後は徐々に減少し、現在はコロナ禍よりも投稿が少ない状況です。
- 3イベントの合計
- イベント別
- 各イベントごとの投稿数推移を確認すると、「サロン・デュ・ショコラ」(ピンク色)のみ2022年以降に大幅な減少が見られ、一方で「アムール・デュ・ショコラ」(オレンジ色)は2022年以降も増加しています。
「バレンタインチョコレート博覧会」はコロナ前と同程度の投稿数となっています。
- 各イベントごとの投稿数推移を確認すると、「サロン・デュ・ショコラ」(ピンク色)のみ2022年以降に大幅な減少が見られ、一方で「アムール・デュ・ショコラ」(オレンジ色)は2022年以降も増加しています。
- 投稿者層別
- 投稿されているキーワードから判断し、参加者を3つの層に分けました
- シェフファン層:「写真」「シェフ」「パティシエ」などのキーワードを投稿し、会場でシェフに会って話を聞いたり、写真を撮ったりすることを楽しむ
- チョコレートファン層:「〇〇〇産」「ビーントゥバー」などの素材や製造工程などのチョコレートの詳しい情報を投稿している
- チョコレートライトファン層:「初参戦」「デビュー」「田中みな実」などの初めて参加した人や流行りの情報などに敏感な人が投稿している
- それぞれの層の推移を見てみると
- シェフファン層は2022年以降、徐々に増加傾向にあり、2025年はチョコレートファン層よりも多い結果となりました。
- チョコレートファン層は2022年に一気に増え、その後減少に転じましたが、徐々にコロナ前の状態に戻りつつあります。
- 全体の投稿数の大多数を占めているチョコレートライトファン層は2022年を除きほぼ横ばいでしたが、2025年は一気に増加しています。
- 投稿されているキーワードから判断し、参加者を3つの層に分けました
以下は、各層の推移を個別に表示しました。
- イベントの変化と消費者の変化
- イベント参加方法の複雑化
- 感染拡大防止のため、多くのイベントが事前予約制や入場整理券の導入など、参加方法を変更しています。
例えば、「サロン・デュ・ショコラ2025」では、午前10時から正午までの入場を抽選方式の事前予約制とし、フリー入場の時間帯も設けています。 - また、「アムール・デュ・ショコラ」では、開店前の混乱や事故防止を目的に、メイン会場と一部ブランドで「開店前優先入場券(ローソンチケット)」の事前予約制を導入しています。
- X上でも具体的に「抽選」「予約」「優先入場券」「整理券」などのキーワードが投稿されており、「入場方法が難しくて参加を断念した」「いろんな情報があり正解がわからない」などの投稿も多数見られました。
- 感染拡大防止のため、多くのイベントが事前予約制や入場整理券の導入など、参加方法を変更しています。
- イベント参加方法の複雑化
- 消費者の習慣や価値観の変化
- 「コロナ」を含む投稿に絞ると、消費者の習慣や価値観の変化に関する投稿が多く見られました。
- 長引くパンデミックにより、参加者の混雑や行列に対する耐性が低下しています。密を避ける意識が高まり、混雑したイベントへの参加を控える傾向が見られます。「行列に並ぶことが無理になった」「混雑しているところに行く気力がなくなった」等の投稿も見られました。
- コロナ禍でイベントが中止や縮小となった期間、参加者の間でイベントへの関心や参加意欲が低下するケースも見られます。特に、以前は毎年参加していた人々が、イベントの中断を機に「行かなくてもいい」と感じるようになったとの投稿も見られました。
現状の課題
- 課題
- 参加方法の難しさや混雑への苦手意識から足が遠のいている人も多く、特にチョコレートファン層やチョコレートライトファン層の参加ハードルになっている可能性があります。
今後の提案
- 入場方法の簡素化と情報発信の強化による参加者の不安解消
- 複雑化した参加方法を見直し、コロナ前のようなシンプルで分かりやすいシステムの導入に戻すことを検討すること
- また、正確な情報を視覚的にわかりやすい形にまとめて公式サイトで発信したり、リアルタイムの混雑状況や入場方法をSNSで積極的に発信すること
- オンライン販売の強化によるオフラインの混雑緩和
- お目当てのチョコレートが決まっており、それさえ購入できればいいという声もある。オンラインの取り扱い商品の数量・種類を増やしたり、抽選や予約の枠などを増やすことで、オンラインでの買いやすさを高める。
- ただオンラインの場合はオフラインのような盛り上がりや、ブランドのファンを生み出すことは難しくなるため、シェフとのコラボによるライブコマースや交流イベントも検討する。
まとめ
- 今回の調査により、好調に見える3大イベントにも、コロナ化禍での影響がまだ残っていることが分かりました。
オフラインのイベントはもちろんのこと、オンラインでもイベントを楽しめる要素が増えると、更なるチョコレート市場の盛り上がりに繋がるかもしれません。
BrandwatchではX(旧Twitter)の投稿データを最大2010年7月まで遡る事が可能です。
特定の投稿に対する反応を収集/分析して、市場動向や業界トレンドを把握することができます。
Brandwatchは既存のビジネス課題を可視化し、解決に向けての意思決定を強力に支援します。
少しでもご関心をお持ちいただけたようであれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。