株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー

  • 卸売・小売・流通業
  • 商品開発
  • ブランド調査
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス
BCLカンパニー

商品開発本部企画2部 部長 兼 ブランド戦略部
ブランドマネージャー 齊藤 久美子 氏
商品開発本部企画2部 課長 西村 都美 氏

株式会社ブレインパッド
DXオファリング推進 副リード 小堺 秀真
カスタマーエンゲージメントグループ
グループリーダー 新谷 照信

スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー

事例のポイント

  • 「Brandwatch」を活用した高度分析への挑戦の背景と決断、社内の活用浸透について
  • 「サボリーノ」商品のリニューアルにおいて、利用シーンと消費者心理に基づく意思決定のポイント
  • 「クレンジングリサーチ」の商品改良において、低迷していたシリーズをソーシャルデータを駆使して復活に至る過程の詳細
  • 成功と失敗の原因を振り返ることで次の成長につなげる、レベルアップしていくためのWhyの導き方

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニーのご紹介

株式会社ブレインパッド・小堺秀真(以下、小堺):最初にBCLカンパニー(以下BCL)様の概要を教えてください。

株式会社スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニー・齊藤久美子氏(以下、齊藤氏):化粧品の製造販売を行っている会社です。「サボリーノ」「クレンジングリサーチ」をはじめとしたドラッグストアやバラエティショップ向けの多数のセルフコスメブランドと、直営店で販売している「ROAliv」等、合わせて約50のブランドを展開しています。販売経路は国内だけでなく、台湾や東南アジアを中心に海外にもあります。

BCLカンパニーがソーシャルデータを活用する背景

簡単なツールからソーシャルデータ分析を始めない

小堺:ソーシャルデータの活用に至った背景を教えてください。

齊藤氏:商品開発のアイデアの元が少しでも多く見つかるほうが絶対にいい、ということがまずあります。そして自分が思いつたことが、今世の中のどこにいるのかを把握しないといけません。企画した商品をリリースするタイミングが早すぎても遅すぎても良くないです。経験と勘に頼ってタイミングを外してきた過去があるから根拠が欲しかったということがあります。あるいはもう少し続くトレンドだったのに途中でやめてしまったこともあります。そういった“もったいなさ”をなくしたい気持ちもありました。

 

 

小堺:会社としても企画開発した商品のヒット率を上げたいという意思があり、トレンドをどうやって読むのかということが御社の経営課題になっていたかとおもいます。そこでトレンドをデータとして見られるソーシャルデータ活用ツールのニーズがあったということですね。

世に出すのが早すぎたとか止めるのが早すぎたというお話がありました。その「早すぎた」という判断はどうやってくだしていたのでしょうか。

齊藤氏:その辺は実際の市場のトレンドを見て、出すのが早すぎたとか遅すぎた、あるいは止めるのが早かったという反省をしてきました。Brandwatchを導入してからは、たとえば「成分に関する投稿」をSNS上で把握できるようになったので、リリースや撤退のタイミングを間違えることが少なくなりました。

 

BCLカンパニーがソーシャルリスニングツール「Brandwatch」を採用した理由

小堺:ソーシャルデータ活用のツールはBrandwatch以外にも数多くあります。その中でBrandwatchを選んだ比較基準は何だったのでしょうか。

齊藤氏生の情報(データ)をそのまま活用できること、さらに分析が細かくできるところが良いと感じました。自分たちで生データからダッシュボードを作るような使い方になるので習得は難しかったです。しかし、使いこなしているメンバーが成果を上げているのを見ていると、導入したかいがあったと思うし、メンバーが急速に成長している実感もあります。

小堺:そのような難しいツールを導入する意思決定は、覚悟が必要だったと思うのですが。

齊藤氏:本当に難しくて誰も活用できず、根付かなかったらそのときはやめたらいいという気持ちもありました。簡便なツールもあったのですが、そういうところからスタートしてそれに慣れてしまうと、高度な分析に進むのが大変だと考えました。

小堺:齊藤様からBrandwatchの活用を言われたとき、西村様はどう思いましたか。

西村氏:導入前のブレインパッド様のオリエンテーションで旅行会社様での事例を拝見し、こんな風に新発見ができたらすごいなと思いました。ですからけっこう良いツールを導入してもらえたと思ったのですが、実際に活用するとなると半年ぐらいはかなり難しいと感じ、苦戦することもありました。

でも、活用に離脱しかけた人も自分の仕事に役立つ発見があると、またやろうという気持ちになって結局活用し続けるようになりました。ブレインパッドの新谷様がオフラインで月2回程来てくださったので、行き詰ったときにすぐ質問・解決して次に進んでいける環境を作ってくださったのも良かったです。実務に活かせる程度に使いこなせるようになるまで1年近くかかりましたが、部内でBrandwatchを活用する習慣ができました。

小堺:活用しているうちに慣れてきたという感覚ですか。

齊藤氏:そうですね。若いメンバーが多く、感性や見方が鋭いことと、気づきが周りの社員と共有できたことなどが大きかったです。

西村氏知りたいことが尽きないという探求心もみんなに共通しているのでしょう。POSデータを見てもなんでこの商品が売れるのか、売れないのかよくわからないけれど、Brandwatchで分析すればお客様の気持ちがもっとわかるかもしれないという感じで活用しています。

小堺:なぜ知りたいことが尽きないのでしょうか。

齊藤氏:自分の担当する商品をもっと売れるものにしたいからです。例えば、これまでは競合の状況を掴むのが困難でした。しかしBrandwatchを活用すると他社のもっと売れていている商品がSNS上でどんな施策をやっているかがわかるため、自社でもこんなやり方をしてみようといった仮説が立てられるようになったのです。

SNSで見かけた情報を単に見ているだけだと全体像がわからず、結局何をしていいのかもわからなくなるのですが、Brandwatchで分析すると「この施策の結果、これだけ伸びている。ではこの媒体でもう少しお金をかけてみようか」となります。仕掛けたことに対して、どういう反応があったかが見えるので、業績を向上させることにつながるわけです。自分の仮説やアイデアの根拠を探求するにはどうしても高度な分析が必要になります。仮説の検証を繰り返すことで自分の担当するブランドが成長するキッカケを探求することが楽しいということですね。

小堺:その結果、自分の評価も上がるわけですから、多少難しくても面倒でもやってみようとなるわけですね。

齊藤氏:特に販促系は施策と成果の関係がクリアにわかりますから、なおさらです。

ロングセラー商品のリニューアルにBrandwatchをフル活用

伝え方も成分もソーシャルデータ分析を元にリニューアル

小堺:具体的なブランド・商品でどんな分析をしたかを教えていただけますか。

齊藤氏:サボリーノのブランドマネージャーをしており、リニューアルに向けて自分たちで分析もしましたし、コンサルティング会社様に協力してもらって市場分析や競合分析もしました。

商品開発の初期段階では、SNSでサボリーノがどのように語られているかをまずざっくり把握しました。「朝用」「時短」「手軽」など想定していたキーワードが頻繁に投稿されていたことは予想どおりでした。意外だったのは、サボリーノに関する投稿量の多さです。競合する大きなブランドがいくつかあるのですが、それらに数で劣ることなく、またキャンペーン等とは無関係のお客様の自発的な投稿も多かったのです。シートマスクの売上ランキングではそれほど上位ではないのですが、いわゆる「ロイヤル顧客」の比率が極めて高いブランドだとわかりました。

サボリーノという名前からやはり忙しい朝や疲れた夜の時短効果を期待して購入いただいている方がほとんどだったのですが、ロイヤルティーが高まるタイミングについての言及(投稿)で「美容のモチベーションが上がっている」というのがあったのです。美容に対するモチベーションが高まっているから、朝にサボリーノでマスクする、そうすると自己肯定感も高まると言うのですね。これまでの時短効果を後押しするだけではなく「美容のモチベーションが上がっているタイミングでの使用」という新たなニーズの発見を取り込んで商品のリニューアルを企画しました。

小堺:新たなニーズの発見以外に商品リニューアルに際してソーシャルデータ分析から得られた改善ポイントを具体的に教えていただけますか。

齊藤氏:パッケージに「1分でスキンケア完了」「洗顔いらず」などとありますが、その「1分」や「洗顔いらず」を大きな文字にして強調しているところですね。そもそも「サボリーノ」と命名したわけですから、「1分でいい」とか「洗顔いらず」ということは、我々開発者にとっては「あたりまえのことだ」という認識があったのです。ところがソーシャルデータを分析するとお客様は意外とそのことを知りませんでした。

※ソーシャルデータ分析の結果から「サボリーノ」パッケージ内の1分、洗顔いらずの文言を強調

 

小堺:開発者の思い込みがあったとしても、普段からお客様の心理の動きをソーシャルデータでキャッチしようとしているから、気づいたらすぐに改めようとなるわけですね。商品そのものはあまり変わっていなかったとしても、伝え方を変えることで十分リニューアルになる――そういう新しい伝え方を導き出すためにソーシャルデータ分析が役に立ったということですね。

商品そのものについてもソーシャルデータ分析で大きく変わったことはありますか。

齊藤氏:「保湿力が物足りない」という意見(投稿)が多く見られたので、しっかりとアップしました。ロングセラー商品のリニューアルでは、中身(使用感)は大きく変えないというセオリーがあるのですが、Brandwatchの分析結果を踏まえてあえてそのセオリーには今回従わない意思決定をしました。

なぜなら、サボリーノは「ロイヤル顧客」の比率が極めて高いブランドという分析結果もあり10年もご使用いただいている商品であれば、お客様の平均年齢もそれに伴って上がっていきますので、パワーアップも必要かと考えました。

企画の社内決済をスムーズにしプロモーション・営業連携強化にBrandwatchを活用

小堺:サボリーノは御社の主力ブランドの1つであり、SNSでの投稿も多いということですが、西村様の担当されているブランドではどうだったのでしょうか。

西村氏:私の担当するクレンジングリサーチは20年以上売れている洗顔料シリーズですが、サボリーノとは相反してSNSにほとんど投稿されていない状況でした。緑の容器にリンゴの絵とAHAという大きなロゴがアイコンの商品で、全国のドラッグストアで展開されているので見たことある人は多いけど、話題にならない…。Brandwatchを導入する前の時期ですが、コロナの影響もあって売上が落ちているタイミングで発売したのがこちらの黄色の容器に大きくCと書かれた洗顔です。

 

ちょうどコロナ禍でビタミンCのサプリメントが流行っており、スキンケアでもビタミンC配合の商品が増えてきたタイミングでしたので、新商品にビタミンCを配合し、シトラスの香りにしました。SNSで話題になっているビタミンCを取り入れることで、ブランドに鮮度とSNSでの話題性を作る狙いでした。それまでのブランドイメージにはないカラーですが、一目でビタミンCを連想できるレモンのような鮮やかな黄色いパッケージにしたのもポイントです。ビタミンCを出すタイミングとしては少し遅いかなとも思ったのですが、出して見たらこの黄色が売り場でよく目立ち、とても売れました。期間限定で発売したのですが、売れ行きがよかったのですぐに定番化が決まりました。

商品は売れましたが、私も会社としても「今後もビタミンCブームは続くのか?」という疑問があったので、Brandwatchで分析したところ、投稿量の推移や投稿内容からまだまだ続きそうだという予想を立てられたので、その後もビタミンC配合の新商品をいくつか開発しました。営業からの「これいつまで売れるの?」にも答えやすくなりました。

齊藤氏:ロングセラーではありましたが低迷していたシリーズで、ジリジリと衰退期に入りかけていたところから復活の糸口をみつけられたのはよかったです。

小堺:Brandwatchを導入して、やりやすくなったことはありますか。

西村氏:クレンジングリサーチについては、トレンド性のある成分を取り入れる手法が成功したので、その後もレチノール配合の洗顔や炭・泥配合の黒い洗顔をローンチし、今は洗顔だけで7アイテムが出ています。他社がすでに同じ成分の商品を上市していると開発会議で「周回遅れでそれをやるの?」といった批判を受けることもありましたが、私の頭の中にはBrandwatchから導きだしたトレンドの流れみたいなものがあったので、売れる自信が多少なりともありましたし、結局は売れました。その後の開発会議では、先んじてBrandwatchの分析結果を出すようにしています。

小堺:なるほど。社内プレゼンの武器になっているわけですね。世の中に出す前に社内を通さないといけないわけで、根拠を出せと言われたときにBrandwatchでの分析データを見せることで、今まで通らなかったことが通るようなったということでしょうか。

齊藤氏:Brandwatchを導入してからは、数多くのデータを提示しながらプレゼンをするようになったので、企画に対して「本当に大丈夫なのか?」と言う経営陣がほぼいなくなりました。経営陣も独自の感性をもっています。これまではその感覚に合致しないと決裁が通らないことも多かったです。それが良い悪いということではなく、私たちも議論できるだけのデータ(根拠)を持っていなかったので、結局は感性と感性の戦いになっていました。

今はブランド全体のあり方については意見を出してくれますが、商品が本当に売れるのか問われるようなことはほとんどなくなりましたね。

小堺:マーケットの声、お客様の声の威力は絶大ということですね。

齊藤氏:以前は自分の企画を補強するために自己に都合のよいデータを活用することも少しありましたが、根拠としては弱いわけです。その点ソーシャルデータはお客様の声なので根拠として非常に強力です。

Brandwatch の評価と今後の展望

企画にデータを活かすことを日常化するには?

齊藤氏:たとえば事前調査ではこれはけっこう売れると思っていた商品が、市場に出してみたら思ったよりも奮わないということが最近ありました。その際には競合が実施している施策に対する投稿量と施策内容を見て、私たちはそれに対してどこまでやっているのかを比較したのです。以前は、「何か売れてないね。ダメだ」で終わりだったのが、しっかり振り返りできるようになり、次につなげられるようになった――これはとても重要なことだと思います。

小堺:データを見る感覚と声を拾う感覚が日常に根付き始めているわけですね。

齊藤氏企画書には必ず分析データを入れるというルールを作り、人事評価の項目にも入れました。仕組み化したわけです。本人が絶対おもしろいと思った企画でも、バックボーンになる数字を出すために調べたら「ちょっと違うな」と気づくこともあり、もう1度考え直すといったことが定着しています。

小堺:Brandwatchを商品開発に活かすプロセスが改めて理解できました。

ところで商品企画での定性調査と言うと、デプスインタビューが定番と思います。Brandwatchを導入したことによってデプスインタビューのあり方が変わった、あるいは不要になったといったことはありましたか。

齊藤氏:そもそもデプスインタビューとソーシャルデータ分析では顧客サンプルの取り方も違うので、お互い補完するものになると思います。

小堺:なるほど。武器が1つ増えたということですね。

失敗した商品を振り返るのは嫌だが、それが成長の糧になる

小堺:今後齊藤様や西村様の後継者を育成していくことも必要なのではと思います。そのためにどのようなことを考えておられますか。

西村氏過去にヒットした商品とそうではなかった商品を比較してみると、どんなに新規性や差別化ポイントがあっても、お客様のニーズとしっかり向き合えていなかったことが失敗の要因であることがほとんどです。要するに売れなかったものはニーズがなかったのです。こんなことはどのマーケティングの教科書にも書いてあるようなことですが、Brandwatchでソーシャルデータ活用し始めたこの1年半は、ニーズと向き合うことの大切さを今まで以上に強く実感しています。

私よりも若いメンバーは今からそれができるので、ソーシャルデータの活用を続けていればもっともっとニーズに寄り添った良い商品を自分のキャリアの中で生み出せるだろうなと思っています。ですからお客様のニーズと向き合うことを続けてほしいです。

齊藤氏:先ほど質問にあったデプスインタビューも含めて調査全般を経験することがまず大事だと思います。Brandwatchだけに頼ると、これも調べたほうがいいということを見落とすし、全体を見失うこともあると思います。ただBrandwatchを活用することで、メンバー全体が成長してきています。ソーシャルデータ分析自体の新しさもありますが、自分たちのやってきたことをしっかり振り返れることが大きいです。

当社は次々と商品を出せるところがあるので、そのぶん失敗も多いのです。その失敗の原因を「営業が売ってくれなかった」とか「販促費がかけられなかった」とか周りの要因のせいにしてしまうこともありますが、それを続けるだけでは自分ごととして振り返ることができません。売れなかった自分の商品をBrandwatchを活用して振り返ることで、成長につなげなければなりません。

新しい成分や新しい技術も大事ですが、それに溺れてしまうとお客様はなぜ欲しいのか、なぜ使いたいかが忘れがちになります。「なぜ」と合致しない商品は絶対売れないです。

小堺:やはりWhyが大切ですね。なぜお客様はそれを求めているのかが重要で、その素材を使いたいから買うわけではないということです。

齊藤氏:そうですね。Whyを分析できるのがBrandwatchの良いところです。

小堺:Whyをしっかり分析して、企画力を上げつつ、しっかり振り返りをして仮説の正しさを検証し、反省を繰り返すことでレベルアップしていく――そのことにBrandwatchは活用できるということでしょうか。

齊藤氏:そうですね。そもそも売れなかった商品を振り返るのは誰しも嫌です。だから誰かのせいにしたくなってしまいますが、それを止めてうまくいかなかった原因に向き合うことがやはり成長の糧になるのですね。

小堺:失敗したときに一度立ち止まって、「実はこういう間違いをしていた。それを繰り返さないように次回からはこうしよう」という成長につなげるための確認ツールにBrandwatchはなり得るということですね。

今日は良いお話をたくさん聞くことができました。お忙しい中、お二人とも本当にありがとうございました。

*文中に掲載されている会社名・商品名は、各社の商標または登録商標です。
*文中に掲載されている情報は、発表日現在の情報です。情報は予告なく変更される可能性がございます。

ROYAL CANIN

  • 製造業
  • 卸売・小売・流通業
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

ROYAL CANIN

事例のポイント

■Royal Caninのマーケティングチームは、飼い主はペットの品種それぞれに合う栄養と健康を意識して商品を購入していると想定していた
■品種によって購入するフードを変えている、という仮説が正しいかを調査して解明する必要があると感じていた
■Brandwatchを使って投稿を分析したところ、購入決定に関する仮説は再考する必要があるとわかった

 

ROYAL CANINのご紹介

Royal Canin(ロイヤルカナン)はフランス南部・エマルグに本社があり、世界中でドッグフードとキャットフードを製造し販売しています。また、犬や猫の品種や症状に対する栄養素に関する研究も行っています。
1968年にフランスの獣医師ジャン・カタリーによって創業されました。犬用の食品「イエロースープ」を誕生させ、これがロイヤルカナンの始まりとされています。2001年にマースが本社を買収し、現在はマースの完全子会社となっています。

ROYAL CANINが抱えていた課題

目的

Royal Caninのマーケティングおよび広告戦略は、飼い主はペットの品種に合う栄養と健康を意識し購入していると想定していました。 Royal Caninのデジタル推進部は、この購入決定に関する仮説について調査し解明する必要があると感じていました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

解決策

まず、犬/猫の固有品種に対しての栄養と健康についての投稿を分析しました。
※Royal CaninとBrandwatchの契約には、四半期ごとのSpotlightレポートが含まれています。

結果

固有品種に対する栄養についての投稿が4%しかなかったことから、ペットの飼い主が固有品種の必要栄養素に基づいて購入決定を下すという仮説は再度考える必要がありそうです。
また、この分析では消費者は、固有品種の必要栄養素に特化した商品だけではなく、より安価な普通の製品を試したいと考えていることもわかりました。この結果は、Royal Caninは認識していなかったため、非常に実用的なデータでした。
これらの分析結果や他の分析結果から、Royal Caninは顧客に寄り添ったマーケティングおよび広告を打ち出すことを可能にしました。

 

まとめ

■Brandwatchを活用することで、デジタル推進部が立てていた仮説と飼い主が求めているものが違うことがわかった

■固有品種に必要な栄養についての投稿は4%と少なく、それよりもより安価な製品を試したいという新しいニーズを発見することができた

■Royal Caninが認識していなかったニーズを発掘できたことで、顧客に寄り添ったマーケティングを展開することができた
 
 

 

 

Argos(Argos Ltd )

  • 卸売・小売・流通業
  • マーケティング
  • 消費者の動向検知

Argos(Argos Ltd )

事例のポイント

■定量分析はしていたが、ソーシャルデータを使った定性分析については積極的に活用していなかった
■バレンタインデー前後の投稿を分析したところ、「自分へのご褒美」需要があることがBrandwatchによって発掘
■ギフトページへ「自分へのご褒美」カテゴリを新設したところ売上が増加し、ROIを達成

 

Argosのご紹介

Argos Ltd は1972年11月に設立されたカタログ小売業者です。ギリシャの都市Argosにちなんで名付けられました。
イギリス国内で最大の店舗型リテイラーの1つで、イギリスやアイルランドを中心に店舗とオンラインでカタログ販売をしています。 中国にもフランチャイズしています。
取り扱う製品も、電化製品、子供用品、美容用品、ジュエリー、スポーツ用品、家具と多種類に渡り販売しています。

Argosが抱えていた課題

キャンペーンを実施した背景

Argosは定量的分析方法は確立していましたが、新しいデータソースの定性分析についてはまだ積極的に活用していませんでした。
しかし、ArgosのInsightsチームではBrandwatchアカウントを所有しており、ツールを監視として利用するだけでなくソーシャル分析の暫定的な活用を行っていました。
BrandwatchのCSMと定期的なミーティングを設けていましたが、分析データ利用したアクション実行が出来ずに悩んでいました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

バレンタインデーのランディングページ最適化

Brandwatchを活用し、新しいアプローチを組み込んだプロジェクトを開始しました。
バレンタインデーの前後に小売業に関連した投稿を分析したところ、シングルの方が「自分へのご褒美」としてイベントをお祝いしたいと投稿していることがわかりました。

このことから、Argosは「自分を祝う日としてのバレンタインデー需要」を認識し、アクションをとることにしました。 バレンタインデーのサイトページに‘treat yourself’(自分へのご褒美) のカテゴリーを追加したのです。

プロジェクト実施結果

追加から数日以内に6番目にクリックされるページになり、 £2500 の売り上げになりました。
Argosのチームは、このプロジェクトによりソーシャルリスニングを用いた初めてのROIを達成することが出来ました。

まとめ

■Brandwatchを活用することにより、バレンタインデーにおける「自分へのご褒美需要」を発見できた

■ランディングページを改修し、導線を作ることで新たな顧客層の売上を作ることができた

■ソーシャルリスニングを用いて分析からアクション、効果検証を行うことでROIを達成することができた
 
 

 

 

IKEA UK

  • 卸売・小売・流通業
  • その他

IKEA UK

事例のポイント

敷地内に物理的なセキュリティ問題が発生した際、リスク&コンプライアンスチームへ情報共有されるまで長い時間がかかるという課題があった
火事のような深刻な脅威から、敷地内での停泊や店内のいたずらまでの広範囲の情報をタイムリーに共有する必要があった
目の届かない範囲の事件をタイムリーに把握し、早急に対処できるためのBrandwatchの活用事例

 

IKEA UKのご紹介

イケア(IKEA International Group)は、スウェーデン発祥で、フランチャイズ契約者が所有・運営している店舗を合わせると世界38カ国、309の店舗を所有する世界最大の家具量販店です。世界的にブランドが浸透しており日本国内にも12店舗あります。
郊外に「イケアストア」と呼ばれる大規模な店舗を構える方法で展開しているのが特徴です。

IKEA UK社が抱えていた課題

建築現場や夜間や週末に事件発生した場合、人がいないため迅速に対処できない

広大な敷地を持つイケアでは、敷地内に物理的なセキュリティ問題が発生したとき、リスク&コンプライアンスチーム通知されるまで長い時間がかかる場合があります。
そのような場合、緊急時対応チームがその問題に対処し、対処後にリスク&コンプライアンスチームに報告していました。
事件が建築現場で発生した場合、現場にイケアの担当者やそれ以外の人もいない場合もあるため、さらに時間かかることがあります。例えば、問題が夜間や週末に発生した場合などは人自体がいない可能性が高いです。

課題解決のために行った施策と導入効果

 

 

 

Brandwatchを活用して行った施策

イケアは、発生しているすべての問題をタイムリーに知る必要がありました。そこで、Brandwatchを用いて物理的なセキュリティ問題に関する主要なキーワードをすべて網羅した警告アラートを設定しました。
それらは火事のような深刻な脅威から、敷地内での停泊や店内のいたずらまでの広範囲に及びます。

導入効果

リスク&コンプライアンスチームに第一報を送るのは必ずBrandwatchになりました。

•2017年10月リスク&コンプライアンスチームのDavidは、イングランドの都市エクセターのIKEA建築現場でガス漏れの警告アラートを受けました。通知受信後に、建設会社に電話しましたが、その時建設会社は問題が発生している認識をしていませんでした。
Davidのチームはいち早く問題発生に対して調査を開始することができ、現場のスタッフにサポートを送ることができました。

•11月の土曜日、リスク&コンプライアンスチームは誰かが知らせる以前に、IKEA Wembleyストアが避難対応しているアラートを受信していました。

まとめ

■ Brandwatchを活用することで、リスク&コンプライアンスチームが物理的なセキュリティ問題をいち早く察知できるようになった
■ いち早く問題発生を察知するアラートする仕組みをつくることで、一大事を回避した事例も複数回あった
■ 2019年現在もIKEAはBrandwatchのユーザーであり、今では上記のアラート以外にも活用いただいている

 
 

 

 

ウォルマート(Wal-Mart Stores, Inc.)

  • 卸売・小売・流通業
  • ブランド調査
  • 消費者の動向検知

ウォルマート(Wal-Mart Stores, Inc.)

事例のポイント

世界最大規模ゆえに立ちはだかった、ソーシャルインテリジェンスの組織的な受け入れ障壁
競合他社調査プロジェクトを従来の3分の1のコストで実現し、経営層の判断材料としてもソーシャルインテリジェンスの社内活用の幅を広げた
社会的な内容の企業声明による影響力が、商品市場や金利変動にも及んでいることを可視化
Brandwatchなどのツール活用が会社のサイロ化を撤廃し、組織間によるデータやインサイトの共有へと変革することができることを確信

 

ウォルマート(Wal-Mart Stores, Inc.)のご紹介

米国経済誌フォーチュンが発表する世界500社番付によると、ウォルマートは世界最大の収益を誇り、220万名の従業員を擁する世界最大の民間企業である。
ウォルマートは、店舗やオンライン、モバイル機器の活用を通して、適正価格かつ生活の質を向上させることで世界中の消費者に貢献している。
世界28ヵ国における72の屋号での11,600以上の小売店舗ならびに11ヵ国におけるEコマースサイトを運営しており、毎週延べ2.6億人以上のお客様が利用しています。
2015年度には約4,857 億ドルの売上高を記録しています。
ウォルマートは、サステナビリティや、社会的慈善事業、雇用機会の提供といった分野におけるリーダーとしての地位を今後も確立していきます。

ウォルマート(Wal-Mart Stores, Inc.)社が抱えていた課題

展望と現状

ウォルマートは、潜在ニーズを含めた市場/顧客理解と自社ブランドへの熱狂的なファン創出(アドボカシープログラム)の計画策定中にあります。
まずはテクノロジー面からの計画実行に着手し、複数の領域や組織を横断させて上記の仕組みを構築する予定です。
将来的にはグローバルセキュリティや企業戦略などの別領域への展開計画も視野に入れており、公開情報調査(オープンソース・インテリジェンス)やその他多種多彩な潮流に対しても積極的に取り組む予定です。

当事例でのご紹介内容

今回、ウォルマートのチャンドラー ウィルソン氏(Dorector of Analytics and Insights, WALMART.)に同社の見解を伺いました。
ウィルソン氏は新しいテクノジーや潮流から適切なものを目利きとして選定し、それをウォルマートに円滑に取り入れることを担っています。
これらの新しい取り組みは、ウォルマートの事業展望を具体化する重要要素でもあります。

ウィルソン氏による「ソーシャルインテリジェンスを全社的に取り入れた際の具体的な内容、解決の突破口、成果」の詳細は以下よりダウンロードいただけます。
 

 

 

課題解決のために行った施策

Brandwatchを活用した行った施策

ポイント①:社内のマインドシフトへの働きかけ
ポイント②:あらゆるデータを組み合わせインサイトを社内展開すること
ポイント③:企業活動による社会的影響力の可視化

ポイント①:社内のマインドシフトへの働きかけ

ウィルソン氏の挑戦とは、非アナリティクス系のメンバーに「どこに・どうやってインサイトを見出すか」を明示することでした。
加えてデータそのものに疑問を感じる層や、分析そのものを仕事を奪うものであると捉えている層へのマインドシフトを促す必要がありました。
バイアスのかかっていない、よりクリーンな情報であるソーシャルデータの持つ特性への理解、ヒトにしかできないインサイトの考察価値訴求に取り組みました。

ポイント②:あらゆるデータを組み合わせインサイトを社内展開すること

取り扱いテーマ選定や、体制構築により高解像度のデータ分析を活用した戦略立案も担います。
CEO報告事項に含まれる分析成果も実現しており、最近のチームによる成果として競合他社調査があります。その成果は有益なインサイトの発見のみならず実現コストを従来の3分の1に抑えたことも含まれます。
アーカンソー本社にソーシャル分析コマンドセンターを設置し、Brandwatchなどのツールを活用することでウォルマート内の誰もが、わかりやすく視覚的に魅力的な方法で分析に慣れることができるような環境構築を進めています。

ポイント③:企業活動による社会的影響力の可視化

本社を置いているアーカンソー州の知事に対して、LGBT差別を正当化する「表現の自由保護法(別名:宗教の自由法)」(宗教的信念に基づき、同性婚に関するサービス提供を断ったり、LGBTの入店を拒否することを認める州法)への再検討を求めました。
2015年の初めに、ウォルマートは従業員に支払った最低賃金を連邦の最低賃金よりも高くすると発表しました。それに続き、いくつかの高度な分析を実施し、当発表と世界通貨市場との関係性を発見しました。ウォルマートは、企業声明が商品市場に影響を与えること、さらには金利変動にも関連付けられることを実証しました。
この影響力の可視化は社内に驚きをもたらしました。こうした企業活動による影響力もビジネスにとって重要事項であることから、ソーシャルインテリジェンスに対する社内認知は向上しています。

今後の展望

利用できるデータが多ければ多いほど、データがすべての組織に影響を与える可能性があることに気づきます。
ウォルマートは、コミュニケーション、マーケティング、サプライチェーンなど、複数部門が関与するビジネス戦略に取り組みます。
Brandwatchなどのツール活用が、会社のサイロ化を撤廃し、組織間によるデータやインサイトの共有へと変革することができると確信しています。
「あるインサイトが見つかると、それから派生されるアイディエーションがなされます。現在、インサイトチームは意思決定権限を有していませんが、インサイトの活用には権限が必要です。ここに改善の余地を感じています」とウィルソン氏は話します。

ウィルソン氏による「ソーシャルインテリジェンスを全社的に取り入れた際の具体的な内容、解決の突破口、成果」の詳細は以下よりダウンロードいただけます。
 
 

 

 

グレインジャー(W.W. Grainger, Inc.)

  • 卸売・小売・流通業
  • 消費者の動向検知

グレインジャー(W.W. Grainger, Inc.)

事例のポイント

ハリケーンによる災害時に被害者の声をSNSを活用して「どこで」「何が」求められているのかを特定した
SNSから特定したデータを配送センターに連携し、数千人の住民に災害救援を提供した
赤十字社から災害救援活動強化の重要パートナーとして正式に承認され、将来の非常事態への準備を改善する社会的価値ある役割を果たしている

 

グレインジャー(W.W. Grainger, Inc.)のご紹介

W.W. Grainger(Grainger)は、1927年に設立された、米国イリノイ州レイクフォレストに本社を置く、事業者向け間接資材(MRO)のBtoB販売企業である。主に北米、日本、欧州において、MRO製品およびサービスを提供している会社です。
北米を代表する保守、修理、運用製品(MRO)の幅広いサプライヤーであり、Graingerが事業を展開しているMRO市場の推定規模は2,900億ドルを超える大規模市場であり、北米、日本、欧州に集中している。Graingerはこれらの市場で4%のシェアを持ち、さらなる成長の機会があると推定している。

グレインジャー(W.W. Grainger, Inc.)社が抱えていた課題

課題の背景

2017年8月に米国テキサス州に上陸したハリケーン・ハービーは、同国史上最大の社会経済被害をもたらしました。その被害の全貌が見えていない中、ハリケーン・イルマがフロリダ半島に上陸し今度は大量の住民避難に関して多くの問題点を露呈する事態を招きました。
これら被害地域の住民においては、ポータブル発電機の有無は生死に関わる問題でもありました。
発電所を有する電力会社などにとっては、このような危機的状況下において、何千もの悲痛な緊急電話対応や発電を最も要する地域を特定することを求められました。
 

 

 

課題解決のために行った施策

Brandwatchを活用して行った施策

ポイント①:被害地域の住民の声を分析することで、どの実店舗や場所が物資を必要としているのかを特定
ポイント②:配送センターからポータブル発電機やその他機器を効率的に展開し、数千人の住民に災害救援を提供
ポイント③:赤十字社からの「災害救援活動強化における重要パートナー」として公式に承認、社会的価値の高い役割を果たす

ポイント①:被害地域の住民の声を分析することで、どの実店舗や場所が物資を必要としているのかを特定

1.窮状を訴えている個人のツイートをBrandwatchを活用することで特定
2.そのツイートに付随する位置情報をBrandwatchを活用することで把握
3.どの実店舗への供給が需要に対して不足しているのかを特定

ポイント②:配送センターからポータブル発電機やその他機器を効率的に展開し、数千人の住民に災害救援を提供

1.供給に対し不足しているデータをダラスの配送センターと連携
2.在庫品を集約することで、清掃用サプライ製品、ポンプ、その他の道具などを配送計画に間に合わせることを実現
3.必要物資の配送に留まらず、従業員を被害地域に派遣する復旧支援計画も立案と実行

ポイント③:赤十字社からの「災害救援活動強化における重要パートナー」として公式に承認、社会的価値の高い役割を果たす

1.このハリケーン・ハービー/イルマを通じてのグレインジャー社による貢献は、総額25万ドルを超えるものとなった
2.結果、赤十字社は嵐の前に動員して数十万人のニーズに即座に対応することができた
3.赤十字社はグレインジャー社を「災害救援活動強化における重要パートナー」として公式に承認
4.同社は社会問題に価値ある対応を実行し、社会的価値の高い役割を果たしている

まとめ

■自然災害による被害やそれによるニーズの把握を、SNSからリアルタイムに把握
■「必要とされているものと場所」を正確に特定することにより、アクションに即座に結びつけることが可能
■ 社会の課題を解決できる情報をSNSから生成することができた

 
 

 

 

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