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第51回衆議院議員総選挙に関するソーシャル分析結果

1.はじめに

こんにちは。ブレインパッドBrandwatchチームの重森です。

第51回衆議院議員総選挙が1/27から行われています。

Twitter/X上ではどのような投稿がなされていたのか、Brandwatch Consumer Researchを使用して、01/27~02/04までの衆院選や政党名を含めて投稿されたツイートを収集し、分析や比較を行いました。

なお、本記事は、特定の候補者を支持するものではなく、あくまでもツールを使用したソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものとなります。ご承知おきください。

 

2.第51回衆議院議員選挙と第50回衆議院議員選挙の比較

2.1 選挙の背景・文脈

政治的変化の概要

[前回衆院選選挙から今回選挙までの主要な政治イベント]

  • 2024/10(石破内閣):衆院選にて自由民主党(自民党)と公明党の連立与党が過半数割れ(少数与党化)
    • その後の政権運営が「野党・他党との調整前提」となりました
  • 2025/7:参院選にて自公が参院でも過半数割れ
  • 2025/10(高市内閣):公明党が連立離脱を表明 → 連立組み替えへ
    • 公明党が「政治とカネ」への対応不十分を理由に挙げています
    • 同月、自民党と日本維新の会(維新)との連立政権が発足しました
  • 2026/1:立憲民主党と公明党が合流し新党「中道改革連合」を結成

2026年:高市内閣は”政権・政策転換への信任投票”を掲げ、衆議院解散・総選挙へ

  • 2026/1/19の会見で、1/23に衆院解散する旨を表明。
  • 同会見で高市首相は、「(自民党総裁選や連立合意書に書かれた政策など)大きな政策転換は前回衆院選の公約には書かれていなかった」「高市早苗が総理で良いのか、主権者に決めていただく」という趣旨を述べ、今回の選挙を“政権・政策転換への信任投票”として位置づけ

[主要な争点]

  • 消費税(特に食料品0%を軸にした減税合戦)
    • 中道改革連合が「食料品の消費税0%」を前面に掲げ、それに刺激されて与党側も「2年限定で0%」などを打ち出し、多くの党が減税を掲げる横並びになっています。
    • 争点化のポイントは「やる/やらない」よりも、以下に寄っています。
      • 期限(恒久or時限)
      • 対象(食料品中心or広範)
      • 財源(国債依存をどこまで許容するか)
  • 財政・景気運営(減税・給付と財源の整合)
    • 減税・歳出拡大観測が強まると国債市場が反応している、という論点が出ています。
  • 外国人政策・多様性(規制強化vs労働力確保)
    • 近年、移民・外国人政策の争点化が強まっている、と複数の海外メディアも報じています。一方で労働力不足から外国人労働者を必要とする見方もあり、社会不安/治安・文化と経済現実(人手不足)の主張対立が起きやすい状態です。
  • 社会保障改革(負担と給付)
    • 解散・日程決定時点の報道でも「社会保障改革」が争点として明示されています。
  • 政治とカネ(企業・団体献金/裏金問題など)
    • 選挙報道でも「政治とカネ」や、企業・団体献金を巡る議論が争点として触れられています。

2.2 投稿量推移の分析

公示日~(期間:01/27~02/04)の状況

  • 自民党:8,919,338件(最多)
  • 中道改革連合:3,526,484件
  • 参政党:3,420,704件
  • れいわ新選組:2,195,008件
  • 日本保守党:2,044,876件

傾向:[この期間の特徴的な動き]

  • 自民党が“右肩上がり+後半加速”で独走
    • 1/27〜1/31は緩やかに増え、2/1→2/2→2/3で明確にギアが上がっています。特に2/2以降の伸びが大きいです。
  • 2位集団は2/1に山ができた後、その後は高止まりorやや反落
    • 中道改革連合は2/1がピークで、その後は少し落ち着いています。参政党も2/1に上振れしてから高止まり気味です。
  • 中位は横ばい〜微増が中心
    • れいわ新選組は2/1に一度上がって、以降はやや落ち着きます。日本保守党は徐々に投稿量を伸ばしてきています。
  • 下位は小さく反応
    • 2/1前後で複数党が同時に持ち上がっているので、共通トリガー(党首討論・報道・炎上・拡散動画など)に全体が反応した形が示唆されます。
前回選挙(第50回)との比較

 [前回の投稿量トレンドの特徴]

  • 自民は中盤まで横ばい〜小幅変動から、10/23にドンと跳ねる
    • 10/15〜10/22は上下しつつ推移し、10/23で突出したスパイクが出ています。
  • 2位以下は“終盤(10/22〜10/23)にかけて揃って上がる”
    • 公明党や立憲民主党を含め、多くの政党が終盤で上向きであり、最後の数日で関心が一段上がる形に見えます。

[今回との相違点]

  • 自民の伸び方が違う
    • 前回:最終日に一発が目立ちました。
    • 今回:序盤から積み上げて、後半で加速しています。
  • 2位集団の顔ぶれ・序列が違う
    • 前回は公明党や立憲民主党が終盤で存在感を増す一方、今回は中道改革連合と参政党が上位帯を形成しています。
  • 同期して上がる日が今回の方が見えやすい(2/1)
    • 今回は複数党が2/1に同時反応しており、横断トピック(討論・報道・拡散ネタ)が全党の言及を押し上げた形が強く見えます。前回は終盤上げはあるが、日単位での同時ジャンプは相対的に弱めに見えます。

[似通った傾向]

  • 終盤ほど盛り上がる
    • 前回は10/22〜10/23、今回は2/1〜2/3で熱量が増しています。
  • 自民が常に最大ボリュームで主導
    • どちらも“トップは自民”で、全体のカーブを規定しています。
  • 参政党・れいわ新選組が上位帯に残りやすい
    • いずれの期間でも一定以上の存在感があり、SNS上で継続的に可視化されやすいタイプに見えます。

[注目すべき変化]

  • 「最終日ドカン型(前回)」→「積み上げ+後半加速型(今回)」へ
    • 今回は毎日少しずつ積み上がる時間帯が長く、後半で加速していっています。熱量の作られ方が変わっています。
  • 上位争いの構図が変わり、2位集団が再編
    • 前回の終盤は公明党や立憲民主党が強くなる一方、今回は中道改革連合が明確に上位に食い込んでいます。
  • 全党同時反応のトリガーが今回の方が読み取りやすい
    • 2/1に複数党が持ち上がっているので、同一ニュース/討論/炎上動画が横断的に波及した可能性が高いです。

2026年各政党の投稿量推移

  • 横軸:日付(公示日~2/04)
  • 縦軸:投稿量
  • 凡例:各政党名

2024年各政党の投稿量推移(今回の分析期間に合わせ公示~9日分)

 

3.衆院選に関する投稿の内容は?

3.1 全体的なトレンド

前回選挙との比較

前回の第50回衆院選:

  • 最大の“情緒トリガー”は政治資金・裏金(怒りの可視化)
    • ワードとして「裏金」「裏金議員」「不記載」「公認」「幹事長」「本部」が目立ち、さらに怒りアイコンや「!!」も大きくなっています。
    • 加えて「自民党本部」も見えるので、政治とカネ問題が自民党周辺の話題となりやすかったことが示唆されます。
    • ここは「30年」「事実」「政府」などの語も近くにあり、単なるスキャンダル消費だけでなく、長期政権批判・構造批判の文脈も混ざっていた可能性が考えられます。
  • 争点としては「外国人」「消費税」も脇に常駐
    • 「外国人」「消費税」も入っていますが、クラウド上の相対サイズ的には比例の投票先誘導や裏金ほど支配的ではないように見えます。
  • → 前回は、争点そのものより「誰に入れる/何に怒る」がより前面に出た可能性があります。

 

今回の第51回衆院選:[今回の特徴的な投稿内容]

  • 前回(2024)のワードクラウドと見比べると、今回(2026)の全体像は「政治とカネ(裏金)中心」→「党首・争点(移民/外国人・消費税)中心」へ、重心がはっきり移っています。
  • 党首(高市)を核にしつつ、政党・陣営ラベルと投票行動語彙が結びついている
    • 中央に「高市」が最も大きく出ていて、「首相」「総理」「政権」も近い位置にあります。
    • 今回は政党名よりも「誰(リーダー)」が中心に語られている比重が高いと考えられます。
    • 一方で、同じくらい強く「政党」「民主党」「れい(れいわ)」「国民」「保守」「改革」など陣営ラベルも出ています。
  • 投票行動語彙が大きいが、争点語も前面(特に移民/外国人・消費税)も出てきている
    • 「移民」「外国人」「消費」「政策」「物価高」「対策」など、政策・争点ワードが可視化されています。
    • 前回よりも争点で主張しあう構図に見受けられます。

 

4.政策別の投稿数はどうなのか?

4.1 分析対象の政策テーマ

どのような政策に国民が注目しているのか、各政党が掲げる「政策」別での投稿数を確認してみます。

具体的には、以下のテーマを軸にXの投稿量を分析しました。

分析対象政策テーマ

  • 消費税
  • 財政政策・財源確保策
  • 物価高対策・生活支援
  • 賃上げ・経済政策・成長戦略
  • 年金・医療・介護
  • 教育・子育て
  • 外交・安全保障
  • 外国人政策・多様性社会

4.2 政策別投稿量ランキング

具体的な政策について投稿量が多かったのは以下の順となりました。

TOP 5ランキング

  1. 外国人政策・多様性社会
    投稿数:1,970,415件
  1. 消費税
    投稿数:1,268,891件
  1. 財政政策・財源確保策
    投稿数:1,002,732件
  1. 物価高対策・生活支援
    投稿数:922,963件
  1. 年金・医療・介護
    投稿数:782,080件

4.3 考察

  • 消費税が単発で支配的なスパイク
    • 2/2に消費税が一気に最大争点へ急騰し、2/3も高止まり。2/4で沈静化しました。
    • 前回も10/22に消費税が伸びますが、今回は「一撃で全体順位をひっくり返す」跳ね方が目立ちます。
  • 外国人政策・多様性社会が“序盤ずっとトップ水準”で推移
    • 1/27〜1/30で高く、以降は緩やかに低下するものの、依然として上位帯にあります。
    • 前回は序盤高い→落ちる→持ち直す、の“揺れ”がありましたが、今回は期間を通じて高水準で安定しています。2/2〜2/3は消費税が上回りますが、2/4は再び最大争点に復帰しています。
  • 2/2以降、経済系が「束」で底上げ
    • 財政、物価高・生活支援が2/2〜2/3で明確に上向きました。
    • 前回は“物価高が先に跳ねる日”がありましたが、今回は消費税スパイクを起点に、財政・物価高/生活支援が同時に持ち上がり、2/4も高水準を維持しました。議論が税単体から“家計・財源・負担”へ広がった可能性も考えられます。
  • 外交・安全保障が2/3に遅れて跳ねる
    • 外交・安保は2/3に遅れて反応するが、2/4は落ち着きを見せています。

参考までに前回の衆院選の投稿割合、投稿量推移も掲載いたします。

似通った傾向

  • 選挙期間の後半に、争点が強く動く
    • 前回:10/22が山(財政・消費税・年金寄り)
    • 今回:2/2〜2/3が山(消費税+経済争点が連動)
  • 消費税は“終盤の起爆剤”になりやすい
    • 前回も今回も、終盤に大きな伸びが出ています。
  • 外国人政策・多様性社会は常に上位圏
    • 期間を通じて関心が落ちにくい常設争点として機能しています。

 

5.Z世代とミレニアル世代での、選挙に対する意識は?

5.1 分析の概要

18歳選挙権は2016年の参院選から適用され、若者の政治に対する姿勢や意見も注目されています。今回の衆院選では、若者世代はどのような目線で選挙のことを考えているのでしょうか。Brandwatch Consumer Researchのソーシャルパネル機能を使用して、若者世代をZ世代とミレニアル世代に切り分け、選挙期間中のデータから選挙に対する意見を比較してみます。

5.2 定義

※世代の定義

  • Z世代:現在18~28歳 1997年~2007年生まれの人々
  • ミレニアル世代:現在29歳~44歳 1981年~1996年生まれの人々

5.3 分析結果

【期間1】選挙期間:01/27-02/04

両世代とも「選挙そのもの(選挙・投票・比例・候補)」は共通で大きい一方、何を軸に語っているか/どう参加しているかが少し違うように思われました。

■ Z世代の投稿傾向

考察

  • 1) 目立つキーワードの傾向
    • 人物・リーダー名の存在感が強い:高市早苗(「高市」「高市総理」「高市政権」など)が中心近くで大きいです。
    • 呼びかけ・動員語が多い:「お願い」「ください」「皆さん」「支持」
    • 拡散・参加型の語彙が出る:「拡散」「リポスト」「街頭」「演説」「YouTube」
    • 投票行動の指示語が明確:「期日前投票」「投票用紙」「比例」「小選挙区」+「#比例は国民民主党」「#比例は維新」「#衆院選2026」など
    • ハッシュタグも旗振り寄り:例として「#国民民主党を野党第一党に」「#動かすぞ維新が」など、“推し先”を明示するタイプが見えます。
  • 2) この世代ならではの視点・情報行動
    • 「判断」より「参加(拡散・応援・呼びかけ)」の言語が強く出ています。(「拡散」「お願い」「ください」「皆さん」「よろしく」「支持」「支援」「協力」等)
    • 政策比較の単語より、支持表明→拡散→投票呼びかけの流れがそのまま語彙に出ています。
    • 短尺/演説・切り抜き文脈での増幅が起きやすい可能性が考えられます。
      • 「街頭」「演説」「YouTube」「拡散」が並ぶため、動画・切り抜き・まとめ投稿が可視化されやすい構図があります。
    • 「消費税12」「物価高」「ガソリン」「外国人」など、争点・公約語彙も参加語彙の中に混ざっています。
  • 3) 投票行動への意識
    • 「比例は〇〇」系が気持ち目立つ=戦略投票・“推し投票”の言語化が強いです。
    • どこに票を入れるかを“言い切る”投稿が多く見られます。
    • 「期日前投票」「投票用紙」など、投票の手続き・行動を後押しする投稿が見られます。

■ ミレニアル世代の投稿傾向

考察

  • 1) 目立つキーワードの傾向
    • 政策・生活文脈の語彙が相対的に多い:「政策」「経済」「物価高」「食料」「有権者」
    • 生活・負担系の争点語がはっきり出ており、「消費」「増税」「減税」「社会保険料」「負担」「物価高」「食料品」「経済」「対策」など、家計インパクトを連想させる語彙が多く見えます。
    • 判断・熟慮の語が見える:「考え」「言う」「思う」「現実」「しっかり」
    • 論争系の語が入る:「移民」「外国人」「共同反対」「ブロック」など、争点に対する立場の語彙が多く見えます。
  • 2) この世代ならではの視点・情報行動(示唆)
    • 「誰が好き」より「何をどうする」寄り
      • 人物語りもある一方で、「政策」「経済」「物価高」「食料」といった生活コスト直結の語彙が目立つので、議論が家計・現実側に寄りやすく見えます。
  • 3) 投票行動への意識
    • 行動喚起はZ世代ほどではなく、生活争点とセット
      • 「ください/お願い」が出る一方、「社会保険料」「負担」「物価高」も並ぶので、困りごと→投票の導線で語られやすい世代像に見受けられます。

 

6.最後に

本分析では、Brandwatch Consumer Research を用いて、1/27〜2/04の衆院選関連投稿(X)を収集し、前回選挙との比較に加えて、政策別・世代別の傾向を整理しました。

全体として、前回は「裏金・不記載」など政治資金問題が強い感情トリガーとなっていたのに対し、今回は党首・政権の話題(例:「高市」)と、「移民/外国人政策」「消費税」といった争点が前面に出る構図が目立ちました。

投稿量推移では、前回が最終日スパイク型だったのに対し、今回は積み上げ+後半加速型で、2/1前後に複数政党が同時に反応する日が見えた点も特徴です。政策別では、外国人政策・多様性社会が期間を通じて上位を保ち、消費税は2/2〜2/3に大きく跳ねた後、2/4は沈静化し、関連する経済テーマ(財政/物価高・生活支援)へ議論が波及した可能性が示唆されました。

さらに世代別では、Z世代は「拡散」「お願い」「期日前投票」など行動・動員語が目立つ一方、ミレニアル世代は「物価高」「食料」「政策」「有権者」など生活・判断に関わる語彙が相対的に多い傾向でした。

本記事は中間報告であり、今後はピーク日の代表投稿やリンク元、話題の発火点(討論・報道・動画)を深掘りすることで、より因果に近い整理が可能になると考えられます。

このように、SNSデータを分析することで、報道や実データだけでは見えづらい、人の感情や思いをより深く理解することができます。

Brandwatch Consumer Researchの活用

Brandwatch Consumer Researchを活用すれば、SNSデータを様々な角度から深堀分析を行うことができます。

また、ソーシャルパネルを使用すれば、世代ごとのパネル(集団)や、特定の商品に興味があるパネルなどを作成でき、そのパネルが普段どのような投稿を行っているのかを特定、分析することができます。これにより、新たな角度からインサイトを得ることが可能です。

今後もBrandwatch Consumer Researchの豊富な機能を使った分析結果をご紹介していく予定です。

※議員と思しきアカウントからの投稿や、botと見られるアカウントからの投稿などは除外をして、できるだけ世論に近づける形にデータをクリーニングのうえ分析を実施しています。

 

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