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【SNSと政治】第25回参議院議員通常選挙をソーシャル分析で理解する

「Crimson Hexagon」はソリューションを「Brandwatch」ブランドに統合し、より強力なソーシャルメディア・アナリティクスプラットフォームとして生まれ変わりました。
本記事は、弊社のCrimson Hexagonサイト上に掲載している、2019年07月18日付ブログ記事の転載となります。
※ブレインパッドは、2013年より「Crimson Hexagon」と日本国内唯一の販売代理店契約を締結し、ブランド企業を中心に数多くのクライアントにソーシャルメディアアナリティクスツールの導入と活用支援を行ってまいりました。その豊富な実績を評価され、このたび「Brandwatch」からも公式ディストリビューションパートナーに認定されました。

  

こんにちは。株式会社ブレインパッドでCrimson Hexagonのプロダクトマネージャーを担当している奥野です。

米:Crimson Hexagon社はグローバルでトップレベルのソーシャルリスニングツールを提供しています。ソーシャルデータや自社データを多角的に分析・可視化できるため、幅広い業種で活用されています。Crimson Hexagonは、ソーシャル上の生活者データを集計して、世の中の傾向や消費者意見を見つけだすソーシャルリスニングツールです。今回は、ブレインパッドが提供するCrimson Hexagonを使って7月21日に投票日を迎える参議院選挙について分析していきましょう。 
 

 

 
 

近年のSNSと政治の関係性

近年、SNSは個人の情報発信だけでなく、政治や経済にまで影響を及ぼすような力を持っています。2010年-2011年の中東の民主化運動「アラブの春」では、市民運動関係の情報行動がFacebookやTwitterにて行われていました。また、2020年に大統領選を迎えるトランプ米大統領の武器は6千万超えるフォロワーがいるTwitterであり、トランプ氏はTwitterをほぼ毎日更新し、その攻撃的な発言がメディアで取り上げられています。自由に対する価値観を強めている現代では、SNSと政治や経済は密接な関係にあります。

【SNSと政治の関係】第25回参議院選挙の全体像

今回の参院選で注目されるのは、「消費税増税」「憲法」「原発」「年金」「子育て・教育」「外交・安全保障」「景気・経済対策」についての各党や立候補者の主張です。

なお、本記事は、特定の候補者の当落予想や、特定の候補者を支持するものではなく、あくまでもツールを使用したSNS分析の結果や傾向をまとめたものとなります。ご承知おきください。

まず、第24回参議院選挙と第25回参議院選挙の盛り上がりを比較してみましょう。

第24回参議院選挙:636,677投稿数、第25回参議院選挙:1,684,479投稿数となっており、前回と比べて2.6倍の投稿数からユーザーの興味関心が増えたことが伺えます。これは前回の第24回参議院選の改選議席が121、今回の第25回参議院選の改選議席数が125とさほど変わらないことを考えると、大きな増加です。

SNSでの発言がより身近になっているとも考えられ、また、今回の選挙の注目度が上がっているとも考えられます。

以下のグラフを見ると、公示日に投稿が最も盛り上がっています。

第25回に関する投稿内容を分析すると、以下の結果とになりました。

全体的に、「年金」「消費税」「外交」に対して関心が高いことが見受けられます。また、各政党によって、注目トピックが違うこともわかりました。

自民党はトランプ大統領などとの「会談」、国民民主党と立憲民主党の「民主党」でのつながり、候補者の71.4%を女性で占める社会民主党は「女性」や支持基盤である「連合」ともワードが近そうです。

※公示日から10日間を分析対象としています。

第24回参議院選挙:2016年6月22日 – 2016年7月1日

第25回参議院選挙:2019年7月4日 – 2019年7月13日

【SNSと政治の関係】政党別の全体像

では、全国における政党別の投稿数を見てみましょう。

今回は、7政党にフォーカスして分析しました(自由民主党、公明党 、立憲民主党 、 国民民主党、日本共産党、 日本維新の会、社会民主党)。

各政党を見ると自由民主党という文字を含む投稿が全体投稿の44.1%を占めており、次いで、日本共産党と公明党となっています。

【SNSと政治の関係】東京選挙区における立候補者全体像

今回の激戦が予想される東京選挙区では、定員6名に対して20名立候補しています。候補者の中でその名前が含まれる投稿数が多いのは、丸川氏(自由民主党)、塩村氏(立憲民主党)、山口氏(公明党)となっています。党の規模との関係性も見えそうです。

SNS投稿から見る各政党の印象は?

それでは、各政党に対する印象はどのようなものがあるでしょうか。主要な争点に注目してみます。

自由民主党は、【消費税】【憲法】【外交】

公明党 は、【年金】【消費税】【憲法】

立憲民主党は、【消費税】【外交(韓国)】【原発】

国民民主党は、【消費税】【年金】

日本共産党は、【消費税】【憲法】【年金】

日本維新の会は、【消費税】【憲法】【教育】

社会民主党は、【消費税】【年金】【原発】

各政党の頻出単語を確認すると、全体的に【消費税】【年金】【憲法】が多いことが伺えます。その他は、【原発】【外交】【教育】等も政党によっては注目されているようです。

参院選で最も話題となっているワードは?

今回の争点となっている、ワードについて調べてみました。【消費税】についての投稿数が一位となっています。どのワードも、Negativeと判定された投稿が半数以上をしめていることからも、国民の不安を伺うことが分かります。

【年金】89,445 投稿数(positive 0%, Neutral 43% negative 57%)
【憲法】38,709 投稿数(positive 2% Neutral 44% negative 54%)
【消費税】94,739投稿数(positive 1% Neutral 30% negative 69%)

18歳選挙権から3年、若者の政治に対する気持ちは?

3年前の第24回参議院選挙では、18歳選挙権が国政選挙で初めて導入されました。当時は注目を集めましたが、今回の投票率については懸念もされています。

Crimson HexagonのAudience Listを活用して、若者世代(ミレニアル世代とZ世代)の参議院選挙に対する意見を可視化しました。

●Audience List : Twitterの自己紹介部分に特定のワードが含まれているアカウントのみを抽出することで新たなグループを作成し、そのグループを対象とした分析ができます。(BIO機能を利用)

●ミレニアル世代:1981年から1996年の間に生まれた人々

●Z世代:1997年から2010年の間に生まれた人々

ミレニアル世代

ミレニアル世代の方は、年金や消費税増税などの特定項目に対して意見を述べていたり、投票に行くなど具体的な投稿内容が多いことがわかります。さらに「希望」というワードも出てきています。これはこの世代が比較的楽観的ではあるが未来に明るい展望を持てない世代と言われているものの、政治に対する希望を持っているということなのかもしれません。

Z世代

対して、Z世代は選挙に対して考えてはいるものの、具体的な意見や行動などは見当たりませんでした。ミレニアル世代より政治に対しての固有の意見が確立されていないのかもしれません。

しかし、このどちらの世代でもRT数が多かったのは、以下投稿です。

 


 そしてその友人の投稿は、@jiyutosongenさんがツイートした投稿です。

 

この投稿がRTされていることからも、若者たちは決して政治に無関心ではないことがわかります。

このように、Crimson Hexagonでは多くの若者の意見や行動についても可視化することができます。

まとめ:今後SNSと政治はさらに密接な関係になっていく

さて、いかがでしたでしょうか?このような分析結果から、今の日本においては消費税増税などに興味が集まっており、先行きに対して不安をいだいている方が多いように思われました。

日本のおかれている状況は、高齢化の進展や少子化対策のための財源確保だけではなく、複雑なアジア情勢、大国同士の貿易摩擦、オリンピック開催など変動が激しく、先が読みにくい時代です。

SNSの分析を通じて、過去と比較した傾向値の可視化や、将来の参考・指針になるような意見分析をすることが、今後の企業経営においても必要になっていくと考えられます。
 
 
 

 

 

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