1. はじめに
2025年7月3日に公示された第27回参議院選挙。私たちは、Brandwatch Consumer Researchを用いて、公示直後から2025年07月14日までのSNS投稿(主にX/旧Twitter)を分析しました。
なお、本記事は、特定の政党や候補者を支持するものではなく、あくまでもツールを使用したソーシャルメディア分析の結果や傾向をまとめたものとなります。
あらかじめご承知おきください。
※Brandwatch Consumer Researchの詳細を知りたい方は、こちらよりご確認ください
2. 2025年参院選におけるSNS投稿概要
分析期間は2025年7月2日〜7月14日。この短期間でSNS上には約2,360万件もの参院選関連投稿が確認されました。第26回参院選の投稿数では、2022年6月22日から2022年7月5日(14日間)まで548万件。第27回参院選の投稿数では、2025年7月2日から2025年7月14日(13日間)で2360万件。1日あたりの投稿数は約364%増(約4.64倍)、SNS上の投稿量は爆発的に増加していると言えます。
2022年第26回参院選
2025年第27回参院選 総メンション数
3. 投稿タイプの内訳
メンションタイプの割合はリポスト89%、オリジナル投稿4%、リプライ8%とリポストが高いです。
※投稿のポジティブ/ネガティブはBrandwatch Consumer Researchの自動判別機能によるものです。
4. 【2025年参院選】公約別の投稿数
公約別の投稿数を確認しました。
外交・安保:約109万件
経済財政:約107万件
消費税:約64万件
子育て・教育:約54万件
の順で投稿量がありました。2022年の第26回参院選に比べて、外交・安保、子育て・教育の話題がとても多くなりました。
5. 【2025年参院選】公約別の投稿内容
投稿量が多い、上位4つの公約を確認していきます。
外交・安保:「スパイ防止法」「安全保障」「移民政策」「中国」「外国人」
特に、スパイ防止法に関する投稿が多い結果となりました。「スパイ防止法で日本の文化を守りたい」と主張する意見や、「スパイ防止法が本当に必要なのか」と疑問に思う意見などが見られます。また、一部の外国人に対する不満を背景としてか、移民政策に関する投稿も増加しています。「移民政策が、誠実に生活している移民の方を守ることにもつながる」という意見もありました。投票する政党を決める項目に、移民政策が含まれるようになったのが今回の参院選の特徴と言えそうです。
投稿量が多い単語・フレーズ・ハッシュタグほど、文字が大きく表示されます
経済関連(経済・財政 と 消費税):「消費税廃止」「現金給付」「大企業・富裕層」
消費税に関わる投稿が多く、消費税廃止を望む声、なぜ駄目なのか? の疑問が投稿されており、関係する現金給付についても多くの投稿が見受けられました。また、物価が高いことを懸念する意見もあり、物価の高騰と給与の増加が比例していないこと、物価高対策についての投稿は、「外交・安保」の次に多くの意見を集めていました。物価・減税・家計負担への関心が顕著でした。
大企業や富裕層に対しての負担も話題に上がっていました。
教育・子育て:「子育て支援」「10万円給付」「子育て世代」「外国」
「子育て世帯や若者が子育てに不安を抱えている方は再度公約を見てほしい、投票に行ってほしい」という呼びかけがあり、この投稿に反応されたアクションが多くありました。10万円給付については、ばらまき対策を懸念する声もありました。
他のカテゴリーでも外国人の移民問題が重要視された影響から、その子供や家族に対しての話題も多く上がっています。また、「外国人労働者の受け入れで賃金上昇が抑制される懸念があり、子供の将来に対して不安」などの意見もあります。
6. 2025年参院選でつぶやかれた言葉の多いランキング
「外国人」「消費」「日本人ファースト」など公約に関連する言葉も上位にあがっていました。
7. 【2025年参院選】政党別に注目を集めた公約
政党によって、投稿量の多い公約に違いがあるかを比較しました。各党、以下のような特徴的な動きをしていました。
- 自民党: 外交・安保
- 日本改革党:子育て・教育
- 公明党: 外交・安保
- 再生の道:経済・財政
- チームみらい:子育て・教育
- 日本誠真:外交・安保
- 社会民主:外交・安保
- れいわ新選組: 消費税
- 日本保守:外交・安保
- 立憲民主:外交・安保
- 参政党: 外交・安保
- 国民民主:経済・財政
- 日本共産党:外交・安保
- 日本維新:社会保障・年金
- 無所属:経済・財政
- NHK党:外交・安保
8. まとめ:SNSは社会の流れを映す鏡
選挙においてSNSが果たす役割は年々拡大しています。
特に今回の参院選では、「消費」「子育て」「スパイ防止法」「外国人・移民」など日常に直結するテーマが注目されました。
SNSはあくまで一部の声であり、偏りも存在しますが、それでもなおリアルタイムな世論の変化を捉える指標として非常に有効です。
本分析に使用したツール
Brandwatch Consumer Research
世界中のソーシャルメディア投稿をリアルタイムで収集・分析し、生活者の声を可視化するソーシャルリスニングツールです。
ブレインパッドでは、X(旧Twitter)やTikTokなど国内外問わず、業界最大級のオンラインメディアの1.7兆件以上のデータにアクセスできるBrandwatch Consumer Researchを活用した支援も行っております。SNSやトレンドを自社用に活用したい、具体的に相談したいというご要望があれば、お気軽にご相談ください。
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