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市場調査における10の手法

※ブレインパッドはBrandwatchの国内正規パートナーであり、本記事はBrandwatch(イギリス)の許可を得て翻訳転載しています。翻訳元

 

自社を取り巻く世界を理解するに、市場調査は不可欠なステップです。
本記事では、ご活用頂きたい市場調査の10手法をご紹介しています。

今や「情報の洪水」に流されそうな時代になりました。
多くのノイズにフィルターを掛け、オーディエンスに関する最も関連性の高いインサイトを引き出すのは簡単ではありません。

そこで活躍するのが、ブランドやリサーチ担当者がターゲットとする市場やオーディエンスから情報を収集する市場調査です。

かつてはフォーカスグループやアンケートといった手法に依存していた市場調査ですが、昨今のツールは、ソーシャルメディアのデータも活用するなど、さまざまな手法を幅広く組み合わせてインサイトが引き出せるようになっています。

ここでは、市場調査とは何か、どのような手法があるのかを説明しますので、自身にとってもっとも効果的な手法を選んでください。

 

一次的 vs 二次的市場調査

市場調査は、一次的と二次的という2つに分類することができます。
前者は現場(フィールド)、後者は机上(デスク)と呼ばれることもありますが、一次市場調査でも机上で実施することができるものは少なからずあるため、このような呼び方は陳腐化しているとも言えます。

一次的(フィールド)調査

一次的フィールドキ(フィールド)市場調査とは、フォーカスグループやアンケート調査など自身で実施する調査のことです。

二次的(机上)調査

二次的市場調査とは、委託した第三者によって実施される調査を指します。
例えば、研究者によって行われた調査や企業が公開した財務データ等がこれに該当します。

 

市場調査方法

以下、一次的、二次的両方の手法をまとめました。
どちらを使うかは目的によって異なりまが、まずは一通り目を通し、どれが自分に適用できるかを確認してみましょう。

 

①フォーカスグループ

参加者を一堂に集め、記録を取りながら質問する方法です。
シンプルなコンセプトでありながら実施するのはなかなか困難です。

新製品に関するアイデアを尋ねたり、立候補している政治家に対する見解を聞くなどの例が考えられます。

 主催者は、そのディスカッションから何らかのインサイトを引き出したり、世の中の多数意見を判断するためにこの手法を実施します。
一般的に参加者は、デモグラフィクス・興味関心・職業など、特定の判断基準に基づいて選定されます。

参加者同士の自然な会話や議論がフォーカスグループの利点です(正しく実施されればの話ですが)。

質問項目や質問文の文言が決まっている質問票やアンケートと異なり、フォーカスグループは主催者が想定していなかった方向に進むことも多々あります。
想定していなかった話題が出た場合でも対応できるという利点がありますが、調査の目的が特定の質問に対する回答を得ることだった場合、この利点が裏目に出ることもあります。

 調査結果に偏りを含ませる可能性もあるため、ディスカッションには注意が必要です。
フォーカスグループは、グループ内の他の人や研究者の存在に影響を受ける可能性があります。これは、構造化されていない1対1の対面式面接でも同様です。 

 

 

アンケート

アンケート調査では、質問が回答者に提供されます(対面式もしくは電話や電子メール、オンライン書式で)。
質問にはクローズ型とオープン型があり、特に前者には様々な種類があります。

 

  •   二択(例「はい」or「いいえ」)
  •   複数選択
  •   チェックボックス(該当項目に印をつける)
  •   点数(レート付)
  •   リッカート尺度(例:「強く合意」から「全く合意できない」までを5段階に分けた尺度)
  •   マトリクス(選択肢が格子で提示される)
  •   デモグラフィック(性別、年齢、職業などの情報を問う)

アンケート調査は、質問の形式の幅が広く多様性に富んでいるので、どのように組み合わせれば求める情報が得られるか、よく考える必要があります。


質問の仕方も重要で、質問が適切であれば分析品質も上がります。
単純明快な回答を誘導しない質問文であれば、回答者の正直な答えを得ることができます。

アンケート調査には、最初から自身で作成するケースや、「Brandwatch Qriously」のようなツールを使って自身の負担を減らす方法まで、様々なものがあります。

 

ソーシャルメディアリスニング

 ソーシャルメディアは我々の生活にかなり浸透してきています。
そして人々はソーシャルメディア上に自身の意見や考えを自由に表現しているので、ある意味、「デジタル上での分身」になっているとも言えます。


ソーシャルメディア上で非常に多くのコンテンツがリアルタイムに共有されていることは、市場調査にとって宝の山です。
そこには採掘し、加工すべきデータがたくさんあるのです。

 

「Beandwatch Consumer Research」のようなソーシャルリスニングツールを使うことで、リサーチ担当者は関心のある話題を見つけ、関連する投稿を分析できます。
例えば、ブランド名がつぶやかれた場合、そのブランド製品について消費者が何と言っているのかを追跡するといったものです。
ソーシャルメディアリスニングによって誰でもインサイトを得ることができるようになりました。
フィルターのかかっていない情報が潤沢に存在しているという意味で、ソーシャルリスニングは市場調査にとっては特に有効です。
誰かに誘導された投稿ではないため、ソーシャルで共有されている投稿はその人が本当に関心を持っていることや正直な意見を正確に表現していると考えられます。

 

④面接

 面接では、面接者が回答者に直接話しかけます。このタイプの市場調査方法はより個人同士でのコミュニケーションが進むため、開放型の質問項目に向いています。また表面的な回答をさらに深く掘り下げて調査することも可能です。

しかしながら、面接形式は時間とコストがかかるという欠点があります。
この方法を選んだ場合にはリソースの効果的な配分が必要となります。

また質問の仕方にも注意が必要です。質問の仕方が悪いと意味のない結果しか得られないことになります。

 

 

⑤実験、実地検証

市場での実験は参加者自身の環境のもと、実施されます。
そこでは「独立変数」と「従属変数」が使われます。
リサーチ担当者は独立変数を制御することで、それが従属変数にどう影響するかを試験するのです。ここで重要なのは各変数の因果関係の有無を見極めることです。

例えば、病院で実施された従順性を試験する「ホフリングの実験」を考えてみましょう。

権威者(医師)の指示が基準に適合しない場合、看護師が権威者に従うか否かがこの実験のポイントです(ここでは従属変数が看護師で、看護師に治療を行うよう指示した偽医師が独立変数です)。

 Simply Psychologyによるとこの手法には一長一短あり、評価は下記のようにまとめられていました。

  •       長所:野外実験での行動は、その自然な環境、つまり実験室での実験よりも生態学的妥当性が高いため、実際の生活を反映する可能性が高くなります。  
  •       長所:参加者は自身が実験に参加していることを知らない可能性もあり、結果に影響するような強い要素が少ないと考えられます。  
  •       制約:結果にバイアスをかける可能性のある無関係な変数に対する制御が少なくなります。これにより、別の研究者がまったく同じ方法で研究を再現することが困難になります。


このタイプの実験(特に、参加者が実験に参加していることを知らない場合)には、倫理的な影響もあります。これは軽視せず、調査を実施する国や地域に適用されるガイドラインを全て熟読し、配慮しなければなりません。

 

⑥観察

観察による市場調査は定性的な手法で、リサーチ担当者が被検者を自然、もしくは制御された環境の中で観察します。
観察による市場調査では、被検者の挙動は自然で、真の自身を表現していると考えられます。しかも被験者にプレッシャーがかかっているわけでもありません。
しかし、もし被験者が観察されていることを知っていれば、その挙動は異なるものになるかも知れませんので注意が必要です。

この種の調査は、小売業に向いています。被験者が何を購入しているか曜日ごと、訪問ごと、割引の有無などを観察対象とするのです。

ただし、観察による調査は時間がかかるだけでなく、リサーチ担当者は調査環境を制御することができません。

 

⑦競合分析

競合分析は、競合他社を分析するという非常に戦略的かつ目的特化型の市場調査方法です。
自社ブランドが競合に対して目立っているかを知るためには特に重要です。
競合分析は、製品、サービス、ブランド、市場セグメントを定義するところから始まります。競合と何を比較したいのかによってこれらの項目は変わってきます。
マーケティングの観点からは、制作されたコンテンツ、SEO構造、広告カバー率、ソーシャルメディアにおけるプレゼンス(露出)やエンゲージ(反応)と言った項目が考えられます。
製品の観点からであれば、商品の種類、価格構造などがその項目となるでしょう。競合分析には強み(Strength)、弱点(Weakness)、商機(Opportunity)、脅威(Threat)を評価する「SWOT分析」が重要です。

 

 

⑧パブリックドメインデータ

インターネットは素晴らしい場所です。
リソースが限られている場合やデータを少し追加したいような場合、インターネットに公開されている(パブリック)データを活用することができるからです。
インターネット上のデータ量は年々増加する一方ですが、データへのアクセスやそのキュレーション(収集整理)が課題になってきています。
政府のデータベース、投票データ、ピューリサーチセンター(Pew Research Center)のような「ファクトタンク」など、市場調査に有効なオープンデータは多種多様あります。またアプリケーション開発者にはAPI連携によるプログラマティックなアクセスも提供されています。無償で使えるデータも少なくないのが、特に便利です。

 

⑨リサーチの購入

お金で何でも変えるというわけではありませんが、リサーチ結果は購入することができます。
業界の調査報告を購入するためのサブスクリプションも存在しています。ユーロモニタ(Euromonitor)、ミンテル(Mintel)、BBCリサーチ(BBC Research)のようなサイトではうんざりするほどたくさんのレポートが販売されています。
またシングルユーザライセンスやサブスクリプションがオプションとして提供されている場合も良くあります。

市販されている報告書を購入すれば、おおいに時間が節約でき、調査の結果どのようなデータが得られるのかも明白です。
また、自身が求めるフォーマットでデータを得ることができるため、データの品質管理や整理の手間も省けます。

 

⑩売上データの分析

売上データは、市場インサイトの全体像の把握に役立つパズルのピースのような役割を果たします。一言で言えば、結果を示唆するというわけです。
他の市場調査結果と組み合わせることで、施策とその結果の関係がより明確に見えてくるようになります。また顧客やその購買習慣、それらの経年変化を理解するにも重要です。

もちろん、売上データは既存顧客に限定されることを理解しておく必要がありますが、いずれにしても売上データの価値は侮れません。
まだ顧客データを追跡調査していないのであれば、今すぐにでも始めるべきでしょう。

 

市場調査方法の選択

全ての手法が自身の事業や状況に適しているわけではありません。これら10の手法をみて、興味を持った手法があれば、時間をかけて一つ一つ精査していきましょう。

調査の目的やゴール、必要なデータ、各手法の長所短所、実施コスト、調査結果の分析コストなどを考慮すると良いでしょう。

選択にかける手間を惜しまなければ、その努力は必ず報われます。

 

 

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