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至弱をもって至強にあたる縲恆n業来の人材観について

「至弱をもって至強にあたる」
これは、三国志の中で、官渡の戦いにおいて圧倒的な戦力差を持った敵(袁紹軍)を前にして気後れした曹操に対して軍師が進言した言葉であり、2004年3月の創業当初来、常に僕の胸にある言葉です。

当社の創業は、営業職2名と、分析経験が数回のデータ分析官2名での門出であり、なけなしの創業資金では、高価な分析ソフト(一千万円前後)を購入する踏ん切りがつかず、さりとて信用も資本金も十分にない状態ではリースも組むことも難しく、結果として、データマイニングの会社にも関わらずそのためのツールすら持っていませんでした。

こんなデータマイニングに必要な最低限の資金も経験もない会社が、日本にデータマイニングを普及させようなんて本気で考えて創業していたのですから、まさに、「至弱をもって至強にあたる 」という言葉がふさわしいシチュエーションでしょう。

当時、周りを見渡せば、既に経験豊富な分析官を抱えた会社が数社存在し、そのどこと比べても弊社の当時の「実力」は大きく見劣りをする上、それら先行する企業ですら順風満帆という経営状況には見受けられませんでした。また、まわりに意見を聞けば「データマイニング専業で儲かるわけがないよ」という言葉が返ってきていました。つまり、データマイニングの利用用途は、一部の業界の一部の業務に限定され、一般的なニーズというものは顕在化していませんでした。

ただ、そういう中でも、「データマイニングによる合理的/科学的意思決定は、今後の日本のビジネスに不可欠」であり、「日本のホワイトカラーの生産性を改善し、減少する人口を補うために必要なイノベーションを起こす基本技術になるはずだ」という思いは変わりませんでした。そして、そんな高い問題意識で、データマイニングの活用や普及に取り組もうとしている会社が他にない以上、「自分たちが社会から必要とされる時が必ずくる」という思いだけを強く持ち、その自負心を私たちがビジネスを続ける根拠としていました。

ようやく、少しずつではありますが、当社やそのサービスが認知され、「市場なんてないんじゃないか」というような不安はなくなりつつあります。時々、「どうやって、この(ニーズが顕在化していない)ビジネスをここまで持ってこれたのですか」と聞かれるのですが、いつもうまく応えることができません(「運がよかったとしかいいようがありません」と答えています)。ただ、会社のビジョンを共に信じ、苦労を厭わず支え合ってくれる仲間がいてくれなければ、実現しなかったことだけは確かです。

創業来、この長く果てのない夢を実現していく上では、『経験だけの思いを共有できないメンバー』よりも、『経験がなくとも志を同じくできるメンバー』が一丸となって、頭脳と体力を駆使して、その時その時の自分たちの出来ることで、お客様の期待に応えて信用を積み上げていく事こそが重要なのであり、メンバー集めはあせらずに、一人ずつでいいから、心から信頼できる仲間を確実に増やしていこうと誓い、実践をしてきました。そんな時は、決起以来、少しずつ優秀な人材を集め大きな渦を作っていった曹操のことをイメージしていたものです。

正直、即戦力の経験豊富なメンバーが入れば、どんなに楽なことかを思うことは何度もありましたし、そのようなメンバーがいないことで受注できなかった仕事もたくさんありました。そんな折に、外部からの資金をたくさん入れて、一気に人を増やしてビジネスを大きくしようという誘惑に駆られなかったことがなかったといえば、嘘になります。
ただ、やはり、強い組織を作るには、強い土台を作る必要があり、それには少しずつ思いを共有して、カルチャーや価値観を醸成していく必要があり、「Easy come, easy go(簡単に手に入れたものは、簡単に失われてしまう)」だからと自分にいい聞かせ、私自身が1次面接から参加して、ゆっくりゆっくりとメンバーを集めてきました。

まもなく創業5年となりますが、そうやって集めた社員の数がようやく40人を数えるまでになり、創業期を抜けて次のステージに入りつつある感覚を持っています。組織の規模は、創業時から比べれば10倍という大きさにはなっていますが、挑む夢や課題に比して、まだまだ「至弱」です。もっと一人ひとりが研鑽を積むとともに、これまでどおり、ゆっくりと仲間をお迎えてしていきたいと思っています。

私たちが新しい仲間に期待することは、経験やスキルよりも何より、創業来変わらない以下のことです。

  • まだ見えないものを、(信念と創造力で)見ることができ、その実現に努力を惜しまないこと
  • 変化を楽しみ、常に学び、自らを向上させ続けることができる好奇心や探究心をもっていること
  • 問題を(他人のものや責任とせず)自分のこととして引き受け、行動できること
  • 人を信頼し、また、人から信頼を集められること

簡単なようで、続けていくことは難しいことばかりです。これらは、私自身の課題でもあり、楽ではありませんが、追求し維持していく価値のある行為(身に着けるべき資質)であると思っています。

当社を職場として検討いただく際には、是非、上記の行為を長年続けた先に、ご自身がどんな成長した姿になっているかをイメージいただければと思います。もし、一回りも二回りも大きくなって、仕事を楽しんでいる姿をイメージできる方であれば、きっとブレインパッドでの仕事を楽しんでいただけるのではないかと思います。

最後に、私たちは、(数を頼まず)出来るだけ精鋭を集めた小さな組織で、高く大きなビジョンを実行したいと取り組んでいるベンチャーです。当然、仕事が楽ということはないですが、メンバーが課題の解決を高い意欲とともに取り組んでいるとは言い切れます。また、私の中に、一生涯働ける職場を作りたいという思いはありますが、この変化の激しい時代、無責任な保証はできません。ただ、当社で働いて得た経験は、どんな職場にいってでも活用いただける普遍的で価値の高いものとなることはお約束できます。

私たちと一緒に、至弱の組織で巨大な志に挑んで見たいと思われる、熱く強い心を持った方をお待ちしております。

2009年1月
株式会社ブレインパッド
代表取締役 草野隆史

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