データサイエンティスト育成講座 株式会社ブレインパッド

イベント通信

開催レポート|11月22日開催の無料サービス説明会セミナー


2018年12月20日


みなさん、こんにちは!

ブレインパッドの土屋です。

 

12月に入り、2018年もあと1ヵ月を切りましたね。

12月といえばクリスマスですね!

みなさんはもう、クリスマスの計画を立てましたでしょうか?

私はなかなか集まれない友達や、大切な家族とのお食事会やプレゼントなど、

計画を立てて予約や購入など、具体的に進めていますよ!

 

さて、先日の11月22日(木)に当サービスをご紹介させていただく無料セミナーを開催しました。

なんと、エイベックス様にもゲスト講演していただきました!!

 

セミナー講演資料の配布はしておりませんので、この場では詳細をお伝えすることはできませんが、

開催レポートとして、ご登壇内容のエッセンスをご詳細させていただきます。

 

それでは、セミナーのコンセプトのご説明から、3つの講演内容まで、

盛りだくさんのレポートをお届けします!

 

セミナーの開催日程に都合が合わなかったものの、ご興味いただいていた方に是非お伝えしたい内容です。

 

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 開催レポートの目次:

 

セミナーコンセプト

 

本セミナーは、企業内でデータ活用を推進している事業マネージャーおよび担当者、
または自社の人材育成を担う担当者向けの内容として開催しました。

 

企業がビジネスにデータを活用するまでには、数多くのステップを踏む必要があります。

その最初の一歩は、「データ活用によって何ができるのか」を知ることです。

つまり、ビジネスを動かす人材の意識改革からはじまります。

貴社の”データをビジネスに活用する”準備はどの程度整っていますでしょうか。

確実なステップを踏むためには、現状を把握し、ゴールの方向性を確立させ、次の一歩を踏み出しましょう。

ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスは、クライアント企業様のデータ活用を人材育成面から実現するご支援をいたします。

 

なかなか進まないデータ活用推進の突破口は、企業風土の醸成、組織・役割の定義、人材のスキルセットなど企業の状況により様々です。

弊社がご支援させていただいている、エイベックス株式会社様のデータ活用事例やビジネスビジョンを実例としてご紹介しました。

データ活用組織の立ち上げ、データ活用人材育成に課題を感じている担当者様向けに、
累計2,000名・40社以上をご支援してきた実績も含めてお伝えしました。

 

 

第一部:講演「データサイエンス力を武器にするためのデータ活用人材の考え方」株式会社ブレインパッド

 

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ブレインパッドのデータ活用人材育成サービスの事業責任者を務めます、弊社の奥園が講演しました。

20分間という大変短い講演枠ではありましたが、以下のトピックスをご説明しました。

データ活用人材の市場動向

企業が求めるデータ活用人材像とその役割

人材を揃えただけでは成功しません!データ分析・活用における、よく陥りがちなポイント

企業におけるデータ活用を実現するために、今最も注目されているスキル

サービス概要|年5回開催のオープンコースである『公開講座』

サービス概要|企業様の顧客対応にお応えする『企業研修』

・サービス概要|各種事例のご紹介

 

サービスサイトでも一部ご紹介しておりますので、是非ご確認ください!

 

 

第二部:ゲスト講演「データドリブンマーケティング推進の道のり ~エイベックスでの分析組織立ち上げと直面した課題、その対策や人材育成まで~」
エイベックス株式会社

 

ゲスト講演いただいたのは、エイベックス株式会社 CEO直轄本部 デジタルクリエイティヴグループ ゼネラルマネージャーの山田 真一様です。

 

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エイベックス様は、2017年4月に横断的なデータ分析、マーケティングの専門チームを立ち上げました。

その立上げ当初から、組織を作り上げられてきた山田氏による、
直面した課題とその打ち手、苦悩と成功秘話などをたっぷりとお話いただきました。

 

今回は、個々のトピックスを深掘りさせるのではなく、
組織立ち上げ当初から直面された課題を広くご紹介いただける、という貴重な講演となりました。

 

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まず、簡単に山田氏のご経歴をご紹介します。

1999年にエイベックス入社。アーティストサイト等のデザイナー、DVDのオーサリングや映像制作、
プログラマー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーなど多くの職種・部門を経験し、製品やサービスの立ち上げをご担当。

2017年4月よりグループ戦略室に配属、全社横断でのデータ分析や分析基盤の構築、
イスラエルやシリコンバレーなどの先端技術リサーチ等をご担当。

2018年4月より現職。

全社横断でのマーケティング分析、および所属アーティストサイト、アプリやポータルサイトのクリエイティヴチームをご統括。

セミナー第三部のトークセッションで話題となりますが、山田様のエイベックス社内での複数職種・ポジション経験がデータ活用専門組織のリーダーとしての手腕を形成されています。

 

続きまして、エイベックス株式会社の事業紹介です。

音楽事業をみなさんイメージされると思いますが、実に幅広い事業展開をされていらっしゃいます。

音楽レーベルのみならず、「音楽」に関わる360度のビジネスを自社内で持たれていることが強みです。

デジタル事業では、株式会社NTTドコモ様や株式会社サイバーエージェント様との協業による事業やエイベックス社単体での事業の展開があります。

その他にアーティスト育成のスクール事業、ベンチャーキャピタル、もちろん海外事業や昨今定番イベントとして定着してきたフェスの運営、そして、なんと飲食事業まで展開されています。

企業内横断のデータ分析組織という立場から見ても、その事業展開の幅広さには目を見張るものがあります。

 

このように様々な事業を展開されているエイベックス社ですが、「事業データ」という観点で個々の事業がサイロ化されており、連携がなされておらず、最大限の相乗効果が発揮できていないことが課題の一つとされていました。

このような課題を解決するために新設されたのが、山田氏率いる新組織です。

新組織のミッションは、企業内データを統合して蓄積するためのデータ基盤の整備に始まり、社内にデータ活用を推進・啓蒙すること、事業横断のデータ分析・活用をすることにより、データドリブンマーケティングを実現して会社のビジネス成長に貢献されることです。

 

それでは、山田氏と新組織はどのような課題に直面されたのでしょうか。

本講演では3つの課題と解決策、そして最後に組織責任者としての所感をご紹介いただきました。

 

  • 課題1.組織メンバーのデータ分析・活用におけるスキル・ノウハウの不足

 

新組織に集まったメンバーは山田氏含めて6名でした。

マーケター3名とエンジニア3名という構成です。

そして、全員がデータ分析の専門家ではありませんでした。

当然ながら、スキルセットも違えば、キャリアも異なるメンバーです。

 

組織立ち上げ当初における、メンバーのデータ分析スキル育成のテーマは、
「メンバーにデータ分析・活用の共通認識を持たせること」でした。

当初は、現場の実務を行う上で常に課題に直面されていたそうです。

その直面する課題をタイムリーに解決できることを基準に、受講する研修を選ばれていました。

「日々新たな課題に直面し、その課題に対して確実にスキルアップすること」を意識してメンバーは実務を進められていました。

一方、会社としての理解を得ることも重要です。

つまり、分析によって何を導出するかについて関係者間で合意して、「いきなり高度な分析をする必要がない」ことを理解してもらい、組織として身の丈にあった分析から着手し、着実にスキルとノウハウを成長させていきました。

 

  • 課題2.データ分析・活用に対する社内の理解

 

新組織で従来まで社内に存在しなかった役割・機能を担った組織です。

そのため、具体的には以下のような課題がありました。

・他部署にとってどう使えば良い組織なのか

・分析の対象となるデータの所在がどこなのか?

・分析観点で、データ各種の品質や整合性は?

・事業間のデータを連携させると何が起きるのか?

 

ここで強調されていたのが、ビジネスにおけるデータ分析・活用はデータ分析者側だけで動かすものではなく、事業側の協力が不可欠であるということです。

そのため、山田氏はデータ分析・活用の社内啓蒙を非常に重要視されてきました。

日々のコミュニケーションや連携が大事である、そして立ち上げ2年目を迎えている今現在でもその活動・姿勢を続けられています。

そんな山田氏は、「社内啓蒙に特効薬はない」とおっしゃいます。

社内啓蒙はトップダウンで浸透するものではない、と断言もされます。

データ分析・データ活用により何が出来るのかを社内に情報発信し、「自分たちもデータ活用によりビジネスをドライブさせたい!」と共感してもらえる仲間(理解者)をつくることを意識されて取り組まれています。

 

では、どのようにして各事業にデータ分析・活用を組み入れてこられたのでしょうか。

3つ目の課題は事業の現場との関係構築における課題について、ご紹介いただきました。

 

  • 課題3.組織間の壁

 

結論からご紹介すると、組織間の壁は「想像以上に大きかった」とのことです。

データ分析結果の活用価値を伝えることは非常に難しく、時間がかかりました。

組織間の壁を打破するには、「事業の現場との信頼関係構築」が不可欠であると山田氏は主張されます。

 

信頼関係構築にあたり、組織的な連携をチーミングの側面から整備したり、より高い成果が期待できる事業部との関係性を強化されたり、ひとつひとつの壁を丁寧に対処されました。

加速度的に壁を打破できた有効手段は、「明確な成果を示す」ことでした。

つまり、成功事例をつくることです。

ある連携によるデータ分析・活用の副産物としてのアウトプット資料が、資源発生的に社内で横展開されたと山田氏は振り返ります。

この「一人歩きした」資料は、様々な組織に対する説得材料となり、結果として、同時多発的に多種多彩な依頼を受けるようになりました。

驚いたことに、その依頼の中には、組織立ち上げ時に各組織にヒアリングを実施された時には出てこなかったような依頼内容でありました。

つまり、成功事例をつくり提示したことによって、ヒアリングしても出てこない情報が、他組織から自発的に課題としてあがってくるような関係を構築することにつながりました。

 

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第三部:トークセッション「データ活用組織立ち上げとビジネスドライブを実現した人材育成手法」エイベックス株式会社×株式会社ブレインパッド

 

 

それでは、最後にトークセッションのレポートをお届けします!

ゲストはエイベックス株式会社の山田氏、モデレータは弊社奥園です。

弊社は2017年4月ころからエイベックス様とお付き合いをさせていただいております。

特に、奥園は2017年10月から「分析組織立ち上げ支援」のエイベックス様担当として、
山田氏とお付き合いさせていただいております。

そんな奥園が、山田氏の「苦労話」を引き出しました!

ここでは、一部ご紹介いたします。

 

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2017年7月に受講された弊社の「SQLによる集計・分析」はまさに失敗事例!何故ですか??

チームの半分を占めるエンジニアはすでにSQLを扱える状態でした。

分析特有のSQLの書き方は新しく学べましたが、それ以外は新しく得るものはありませんでした。

チームの残り半分はマーケターです。彼らにとってはSQLは新しい知識であり研修の最後にはSQLを扱ってデータ分析・活用できるレベルまでスキルアップしていました。

しかし、会社に戻ればエンジニアがいるため、せっかく習得したSQLのスキルを発揮するシーンがありませんでした。

せっかくの研修でしたが、空振りという結果になってしまいました。

 

ーーーこのタイミングでは、ハードスキルよりも、ソフトスキルを学ぶべきでした。

 

未経験者がスキルを習得したいというケースにはマッチしますが、「今すぐ欲しいスキル」が明確である場合には少しカバー範囲が広すぎる研修であったと思います。

 

ーーー自身のフェーズに合わせて研修を選択していくことが大切ですね。

 

2017年7月の受講は失敗しましたは、実は同じ研修を新しく部署にジョインしたメンバーで2018年9月にも受講しています。

そのきっかけですが、部内のメンバーから具体的に実務としてSQLを使えるようになりたい!という現場からの意見が出たからです。

エンジニア任せではなく、自分でやりたい、と。

そういう要望があっての受講でしたので、研修後もすぐに習得したスキルを活用することができています。

ーーー必要なスキルを適切なタイミングで研修してスキルアップすること、そういう感覚を持つことが人材育成の成功の鍵かもしれませんね。

 

 

 

2017年10月から「分析組織立ち上げ支援」をご利用いただいた経緯は?

日々分析していく中で、「向かうべき分析の方向性」や「こういう場面ではこういう分析手法を使うべき」というジャッジすることに不安を覚えたからです。
私はこの分野のスペシャリストではありませんし、いつも適切な判断を下せるとは限らないからです。

ネット検索で分析手法や分析結果のあり方を学ぶことはできます。

ただ、現実問題、「実務に対して何ができるのか?」の答えを持ち合わせていませんでした。

どのような選択肢があるのかもわからず、結果的に分析ノウハウが溜まっていかず、高度化することができませんでした。

ーーー失敗に終わった研修のタイミング(2017年7月)ではまだ組織の方向性に悩みがあったが、このタイミング(2017年10月)では、悩みが具体的になってきていました。

 

 

 

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組織のマネージャーとしてメンバーのスキル構成やバランスについての考えを教えてください

エンジニアにはビジネス的理解が、マーケターにはデータ分析におけるデータ整備が欠けていました。

それぞれが、それぞれのスキルを補完できると組織として強くなると思います。

最少人数で進めていることもあり、メンバーの人材を「ビジネス」「エンジニア」「データサイエンス」に分けると、私の中では現状だと「データサイエンス」を使いこなせる人材は 優先順位が一番低いと考えています。

なぜならば、結局ビジネス課題を見極められなければならないからです。

「データサイエンス」は必要があれば外部から補完することもできます。

つまり、我々に求められているのは自社のビジネスに寄り添って、よりよい方向性を導出することなのです。

 

ーーー最小メンバーで組むのであれば、「マーケター」と「エンジニア」の2役でスモールスタートできますね。

 

 

 

社内啓蒙において、データ分析を定着させるために一番大切なことは何だとお考えになりますか?

分析そのもは「魔法の杖」ではないことへの理解でしょうか。

ここを正しく理解してもらった上で協力関係を築けないと、データ活用は成功できないと思います。

 

ーーーデータ活用を社内で実現していくためには、ある程度の社内力学も必要ですよね。

山田さんはそのスキルをどうやって身に付けたのでしょうか?

 

私は色々な種類のキャリア経験が生きていると思っています。

ビジネス経験の豊富さがリーダーに求められていると思います。

身に付け方ですが、これは定量的に学べるものではないですし、近道もないと考えます。

 

また、会社として「失敗をできる環境をつくる」こともノウハウを身に付けるために必要不可欠であると考えます。

茨の道になりますが、経験値は確実に溜まりますね。(笑)

 

ーーー社内から高度な分析手法を用いることを求められたりしませんか?

 

そうですね。

極論をいうと、エクセルで出来ることはエクセルで十分と考えています。

どのような手法を使うかよりも、結果としてアウトプットを出すことが大事ですよね。

その結果により、どれほど有益な価値を見出すかが、どう出すかよりも重要です。

また、こういうことへの認識合わせも、地道なコミュニケーションから始まります。

 

 

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【おまけ情報:質疑応答】

Q.「分析組織立ち上げ支援」の成功事例を教えてください。

A.当初は他組織から依頼を受けると、すぐ分析に着手していました。

しかし、ブレインパッドさんに「その分析をすることによってどんな付加価値を出せるのですか?」「その分析は会社のKGIのどの部分に貢献できるのですか?」など、分析着手にあたり明確にすべきポイントがあることをアドバイスされました。

それによって、依頼に対する姿勢が変わりました。

ビジネスへの貢献具合を明確にするためのコミュニケーションをとるように変わり、組織間におけるコミュニケーションの質が良質なものになりました。

 

 

 

セミナーの開催レポートは以上となります。

いかがでしたか?

 

ご不明点やより詳細を!という方は、以下までお気軽にご連絡ください。

edu_event@brainpad.co.jp

 

では、また!