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ブレインパッド、巨大地震発生時の災害医療シミュレーションを日本医科大学と実施

ブレインパッド、巨大地震発生時の災害医療シミュレーションを日本医科大学と実施
「医療崩壊」「未治療死」発生の可能性を試算、NHKスペシャルでも放映

 株式会社ブレインパッドは、日本国内にて首都直下地震や南海トラフ地震などの巨大地震が発生した際に、医師や病床などの医療資源の不足により発生する「未治療死者数(*1)」をシミュレーションする取り組みについて発表いたします。

 本取り組みは、災害医療を専門分野とする学校法人日本医科大学(以下、日本医科大学) 布施 明 教授の研究グループとともに実施しているものです。今回のシミュレーションの結果、主に以下の点が明らかになってきました。

 ・首都直下地震や南海トラフ地震が発生した場合の「未治療死者数」
 ・都道府県や医療圏ごとの被害の大きさに対する医療資源の不足度合いが、「未治療死者数」に大きく影響すること
 ・死者数を減らすために有効と思われる施策 など

 また、今回の取り組みについては、2021年1月17日(日)に放送された「NHKスペシャル」(*2)でも取り上げられた他、布施教授による論文投稿(*3)、学会での口頭発表(*4)がなされております。

■首都直下地震や南海トラフ地震の発生に備え、「未治療死者数」を試算
 巨大地震などの災害発生時に、本来なら助かるはずの命が医療資源の不足により失われることは「未治療死」と呼ばれています。この「未治療死」は、1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災においても実際に発生したと言われています。
 遠くない未来に首都直下地震や南海トラフ地震が発生するかもしれないと言われている中、被災した大量の患者が病院に殺到し、医師や病床などの医療資源が不足する「医療崩壊」が発生した場合、病院まで辿り着いても必要な医療処置がなされずに亡くなってしまう患者が大量発生することが懸念されています。
 このような医療体制の課題に対し、前もって未治療死の発生数を試算して発災に備える研究が、布施教授の研究グループのもとで進められています。

■災害医療ロードマップに沿い、未治療死発生のシミュレーターを開発
 今回のシミュレーションにおいて、ブレインパッドは、首都直下地震や南海トラフ地震の発生時に、現状の医療資源でどれくらいの未治療死が発生するのかを試算するシミュレーターの開発や、未治療死の発生数を減らすために有効な対策の検討を、データサイエンスの側面から支援いたしました。
 開発したシミュレーターには、工場の生産ライン設計や生産スケジューリングで使用されることの多い「離散事象シミュレーション」という技術を使用しました。
 シミュレーションでは、時々刻々と来院する患者に対し、定められた災害医療ロードマップに沿って、数が限られている医療従事者が、同じく数が限られている救急車・病床を使用して、救急処置・搬送・入院を行う状況をシミュレーションしました。そして、医療処置がなされないまま一定時間が経過すると患者が死亡するものと想定し、この経緯で亡くなった方を「未治療死者数」として算出しました。

■学校法人日本医科大学 教授 布施 明様のコメント
 このたびのブレインパッドの協力により、首都直下地震や南海トラフ地震の発生時における災害医療の研究が大きく進んだと実感しています。災害大国日本において、大規模災害発生時の被害を最小限に留めることは非常に重要なことであり、その対策を練るための材料となるシミュレーションが具体的に進んだというのは、とても大きな価値があることだと捉えています。
 昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大もあり、限られた医療資源をどのように有効活用すべきかについては、これまで以上に重大な課題となっています。そしてこのような状況下であるからこそ、災害時の状況をシミュレーションし事前に想定しておくことの重要性も、より一層高まっています。
 今後もブレインパッドの優れたデータサイエンスの力を借りて、日本の医療体制に貢献できる研究を進めていきたいと考えています。


(*1)「未治療死」とは、災害発生後に医療従事者や病床等の医療資源の不足により、治療が満足に行われないまま死亡に至ることを指す言葉として使われている。
(*2)2021年1月17日、NHK総合テレビにて放映、NHKスペシャル「巨大地震と“未治療死”~阪神・淡路から26年 災害医療はいま」
(*3)発表日時点において、論文「災害医療シミュレーション・システムを用いた首都直下地震の発災後死亡を効果的に減少させるために必要な施策の検討(仮)」を投稿中。
(*4)2020年11月18日、第48回日本救急医学会総会・学術集会(O5-1)、布施 明 他、「シミュレーションを用いた首都直下地震における災害医療対応の検討」

■ご参考情報
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 「ビッグデータ」「IoT(Internet of Things)」「AI(人工知能)」「機械学習(マシンラーニング)」「深層学習(ディープラーニング)」「データサイエンティスト」「データ分析・データ活用」「予測・最適化」など、さまざまなキーワードの根底にある、“データを価値に変えて企業活動に変化と改善をもたらすこと”をブレインパッドが支援します。データ活用領域のリーディングカンパニーとして、アナリティクスとエンジニアリングを駆使し、データを価値に変えることで、企業のビジネス創造と経営改善をお手伝いします。

株式会社ブレインパッドについて 
(東京証券取引所 市場第一部:証券コード 3655)
本社所在地:東京都港区白金台3-2-10 白金台ビル
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 草野 隆史
資本金:597百万円(2020年9月30日現在)
従業員数:383名(連結、2020年9月30日現在)
事業内容:企業の経営改善を支援するビッグデータ活用サービス、デジタルマーケティングサービス


*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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