Rtoasterは、2006年にレコメンデーションエンジンとして誕生し、近年ではレコメンデーション機能つきプライベートDMPに成長し、そしてinsight+のリリースによって、アクション実行機能つきCDP=データビジネス・プラットフォームに進化してきました。
そのため、Rtoasterのほとんどのお客様は、そのルーツであるレコメンデーション機能をご利用いただいております。
目次
1. 「AIくさくない」レコメンドとは?
Rtoasterをご利用いただいているお客様から、
「Rtoasterで設定・チューニングしたレコメンドは『AIくさくない』んです。
という言葉をいただいたことがあります。
表現が違っていても、同様のコメントをいただくことがあります。
これは具体的にどのようなことなのでしょうか?
結論を先に述べますと、お客様のRtoasterの使い方から察するに、AI/MLによるレコメンド結果に対して、マーケターが様々な「チューニング」を施すことによって、レコメンドがよりユーザーに寄り添ったものになるからだと理解しています。
もう少し詳しく解説しましょう。
2. レコメンデーションのしくみ
まず、レコメンドの仕組みについて簡単におさらいをさせていただきます。
レコメンドの機能を動作させる為には、3つの要素が必要となります。(細かくは5つになりますが、今回は3つに絞って説明します)
1.データの取得
まず、レコメンドを動作させるためには、ユーザーの行動やユーザーの属性等のデータが必要となります。
2.レコメンドロジック
代表的な自動レコメンドロジックである「協調フィルタリング」を利用するには、ユーザーの行動情報が学習のために必要となります。
例えば、ユーザー軸のレコメンドを表示するためには、対象ユーザと行動=閲覧している商品の傾向が似ている人が見ているものをレコメンドリストとして出力します。
アイテム軸であれば、あるアイテム(商品や記事)を見ている人、買っている人が見ている他のアイテムをレコメンドリストとして出力します。
3.表示制御
レコメンドロジックから出力されたレコメンドリストを利用して実際にWebサイトやアプリに商品や記事を表示します。
しかし、このまま表示してもうまくいかない場合があります。
例えば、下記のようなケースが考えられます。
- ユーザーが初回訪問のため、そのユーザーの行動ログが十分に取得できておらず、ユーザー軸のレコメンドが表示できない。
- レコメンドされたものだけを閲覧していくと、同じブランドの洋服ばかり表示されるなど、偏った傾向の商品・コンテンツしか表示されなくなってしまう。
- レコメンドとして表示したくないコンテンツがある。例えば、動画のサブスクサービス等において、家族でその画面を見ることが想定される場合に、アダルト系のコンテンツやホラー系のコンテンツを基本的にはレコメンドすべきではない、というケースが考えられます。
これらを解決するのが表示制御の部分です。
Aのケースでは、例えば「初回訪問のユーザー」に対しては、ユーザー軸レコメンドではなく、トップページでは「ランキング」を表示し、商品の詳細を見ている時にはアイテム軸レコメンドを表示する、といった解決策が考えられます。
Bのケースでは、レコメンドリストに対して「同じブランドのものを複数表示しない」といった制御を加えることで、ユーザーが「自分に合っているかもしれない他のブランド」を知るきっかけを提供することが可能になります。
Cのケースでは、家族が見るような場面では、ホラーやアダルトコンテンツを表示しない、というフィルタをかけることによってこれを防ぐことができます。
この表示制御の設定が「チューニング」の代表的な実施例となります。
表示制御以外では、ニュース記事のような「賞味期限が短い」アイテムについては学習期間を短くすることによって、古い記事をレコメンドに出ないようにしたりするなど様々なチューニングを行います。
3. 枠から人へ
ここまで紹介した「チューニング」は、レコメンドの表示枠に対して、どのようなチューニングを行うか、というお話しでした。
このチューニングを進めていくと、マーケターはユーザー毎にレコメンドをチューニングしたいと考えるようになります。
たとえば下記のような課題があります。
課題:宿を紹介するサイトにおいて、ユーザー軸またはアイテム軸のレコメンドを表示しているが、たまたま見てしまった宿やプランを学習してしまい、実際に「予約したい宿・プラン」が表示されづらくなってしまう。

この図の様に、旅行や宿はある程度「価格帯」「こだわり条件」をユーザーが前提としていることが想定されます。
従って、ユーザー属性として「前回予約した宿・プランの金額帯」や、ポップアップで「こだわり条件」を聞いてその結果を利用してレコメンド結果の表示を制御することができれば、より個々のユーザーの期待に応じたレコメンド結果を表示することができるようになります。

これは「人」単位でレコメンドの表示制御をするという考え方で、前章で述べた「枠」のチューニングよりも、より個客によりそったレコメンドと言えるでしょう。
4. レコメンドにマーケターの意志をこめて
レコメンド=AI/MLまかせ、というイメージが強いかもしれませんが、Rtoasterのお客様はこのようなマーケターとしての意志を込めたチューニングを通じて効果を改善しているケースが少なくありません。
「自社ブランドの接客方針に基づいた自動接客」「店舗のスペシャリストと同じレベルの自動接客」を目指すことによって、成果にもつながっています。
このように「AIくさくないレコメンド」による成果UPにあなたもチャレンジしてみませんか?
このように「AIくさくないレコメンド」で成果を上げたい方、自動接客の導入に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
業種別の様々な事例をご紹介させていただきます。
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