エンタメ企業としてのGENDAの成長を独自のデータ戦略によって促進

公開日
2025.12.26
更新日
2025.12.25

「世界中の人々の人生をより楽しく」というAspiration(アスピレーション=大志)を掲げて、アミューズメント施設「GiGO」やカラオケチェーン「カラオケBanBan」をはじめとする多種多様な事業を展開している株式会社GENDA。積極的なM&A戦略を特徴とするエンターテイメント企業です。

松村 聡士氏は、技術力によって事業成長の加速をめざすGENDAのIT戦略部で、データエンジニア兼任マネージャーとして活動するデータ活用のエキスパートです。松村氏が取り組んでいるデータ戦略や技術戦略について、株式会社ブレインパッドの竹野 雄尋がお話を伺いました。

 


本記事は、データ横丁主催イベント「エンタメ業界のデータエンジニアリング最前線」を起点に、DOORSメディアが企画する連載「エンタメ業界のデータ活用最前線」の一編です。
技術の先にある、データ活用を通じて何を実現したいのかという視点から、エンタメ業界の取り組みを紹介します。

本記事の登場人物
  • 松村 聡士
    Satoshi Matsumura
    会社
    株式会社GENDA
    所属
    IT戦略部
    役職
    マネージャー
    約15年フリーランスとして幅広い開発に従事後、企業でERP導入支援や人材派遣Webサービス開発を経験。 Supership株式会社ではデータエンジニア兼マネージャーとして基盤構築と活用を推進。 現在は株式会社GENDAでデータチームのマネージャーとして全社データ基盤の設計・運用と育成に注力。
  • コンサルタント
    竹野 雄尋
    Takeno Yujin
    会社
    株式会社ブレインパッド
    所属
    アナリティクスコンサルティングユニット
    役職
    ディレクター
    外資系コンサルティング企業、AIベンチャー企業にてデータ活用による新規事業開発に従事後、2021年にブレインパッドに参画。現在は、消費者データを軸にした支援を中心にコンシューマーインダストリー領域のリードを務める。

3つのGENDAバリューを指針としたデータ戦略を実践

株式会社ブレインパッド 竹野 雄尋(以下、竹野) GENDAさんがGENDA Valueとして掲げている行動指針、そのValueに即したデータ戦略について説明していただけますか。

株式会社GENDA 松村 聡士氏(以下、松村氏) 当社では「Speed is King」「GRIT and GRIT」「Enjoy our Journey」の3つのValueを行動指針にしています。「Speed is King」はスピードを最優先にする姿勢、「GRIT and GRIT」は、「やり抜く力」を示しています。もうひとつの「Enjoy our Journey」はエンタメ企業らしいValueなのですが、みんなで楽しんで仕事をしながら世界一のエンタメ企業への道のりを歩もうという思いが込められたものです。

例えば「Speed is King」に関しては、M&Aで新しくグループに加わった会社のデータを短期間で基盤に統合して、全社的に活用できる状況を迅速に整備することを戦略として重視しています。

基盤統合の作業は、新たにグループに加わっていただいた企業にどのようなデータ組織があるかわからない状態から始まります。レガシーな会社ではExcelでデータを管理しているような部分もあり、効率的なデータ統合が重要なミッションのひとつです。

基盤統合後、そのデータを使ってどうやって事業にインパクトを与えていくのかといった部分も考える必要があります。Excelでは指標として見えていない点があれば、指標を確認しやすいダッシュボード作りの提案なども行います。

株式会社GENDA 松村 聡士氏

竹野 基盤統合だけを見ても幅広い業務ですし、それをスピード重視で進めるとなるとかなりハードになりそうですね。

松村氏 もちろんハードではあるのですが、当社にはエンタメが好きな人間が多いので、好きでやっている部分もあると思います。

私自身、IPコンテンツと呼ばれるアニメのキャラクターやVTuberなどのグッズの売上データなどを見ていると興味が湧くし、面白いと思いますね。

クレーンゲームの景品(プライズ)の経費に関するモデルをデータチームで作って、どれくらい購入すればいいのかを予測するのですが、そういった業務も非常に面白いです。


要件定義から運用・保守までを一気通貫で担う

竹野 データの統合や可視化、予測モデル作りを実施できるようになった現状に至る前の段階を振り返っていただき、GENDAに入社した時期のデータ基盤構築の具体的な取り組みを聞かせていただけますか?

松村氏 元々はマネージャーが1人いらっしゃって、その方だけで主にGiGOのデータ基盤を作っていました。その後、事業の急激な拡大にともなってデータチームを増員する必要が生じ、私を含めた3人がほぼ同じタイミングでチームに参加しました。

入社後、まず私が取り組んだのが、Terraformを導入してインフラの構築・管理をコードで自動化する、いわゆるIaC化です。当時のパイプラインはジョブではなく、Lambdaのイベントで切った後にDWHのジョブスケジューラーで時間を決めてパイプラインにするというものでした。そこからジョブを基本的に一元管理することをめざし、何とかデータ基盤作りを進めました。

M&Aによって「カラオケBanBan」を運営する株式会社シン・コーポレーションが加わり、徐々にデータ基盤を全部のグループ企業に入れることとなり、アカウントの管理方法や各社のデータの分離などを検討し始めたのが、私が入社してから約半年後のことです。

竹野 データに関わるセキュリティ対策も松村さんのチームで担当されているのですか?

松村氏 そうですね。基本的にガバナンスやセキュリティも、うちのチームの担当だと認識しています。

データ周りは要件定義からパイプライン作り、運用・保守まで、全てうちのチームの担当です。カタログの整備といったユーザーの方々が使いやすい環境作りなども、できる限りうちでやろうと考えています。当社のテクノロジートップのCTOはジャッジが早く、どの部署も仕事が早いのですが、複数の部署で業務を分担するとやはりスピードが遅くなってしまいます。

竹野 それほど広範な業務を迅速に行っているのは、すごいことですね。スピード感を示す具体的な事例を何か紹介していただけますか?

松村氏 スピード感という点で言うと、「カラオケBanBan」ですね。シン・コーポレーションがGENDAに参画したのが2024年2月で、すぐに先方のデータを取得し、パイプラインの構築を開始しました。同年6月の時点でパイプライン管理に必要な環境を整備し、ダッシュボードを出しています。

サイエンスチームはもっとすごくて、よくメディアにも取り上げられていますが、AIエージェントでの景品配分の自動化(プロジェクトPAO)を約半年で完了させています。景品配分というのは、仕入れた景品をどこの店舗にどれだけ配るかということですが、そのパラメーター調整は現場の方々がアナログで行っていました。景品の仕入れ量が多いし相当なマンパワーがかかるという課題は、GiGOの現場から出されていたのですが、その作業を半年で自動化したのです。

店舗内のマシンのサイズは決まっていて、景品のサイズは大小さまざまです。このサイズのマシンに入れる景品の数は基本的に定量化できるので、場所ごとのユーザーの嗜好なども加味して配分を自動化しました。

竹野 そのお話を伺うと、一気通貫という点が重要なのかなと感じます。サイエンティストだけではできない部分もある気がします。各アミューズメント施設で何が好まれるのかというデータが必要ですし、このクレーンゲームだったらこの景品が何個入るのかをどこまでデータで管理しているのでしょうか?

株式会社ブレインパッド 竹野 雄尋

松村氏 景品のサイズはバラバラですが、基準サイズがマスタになっています。マスタ管理はGiGOの時代からあるのですが、Excelで管理していたのです。Excelのデータソースをパイプラインを通して管理しているのがうちのチームで、徐々にkintoneで管理する方向にシフトしています。

竹野 インプットがしっかりと整理されているわけですね。インプットのための適切なガイドが行われているのだろうという印象を受けます。

松村氏 元のデータが発生するのはアミューズメント施設なので、私たちはかなり現場に足を運びました。GiGOのオペレーションを確認してデータが取得できない理由を探り、データを取得できるオペレーションについて検討していきました。

データを取得するための現場での入力を促すには、何らかのプラスアルファを提供する必要があります。現場で使っているアプリにこういう機能を追加できないかといった提言も行っています。ビジネス側も現場に行くことが多いですね。CPOもカラオケBanBanがグループ会社の事業になった際に店舗に一日立ったそうです。


グループ全体のデータを可視化して活用するために

竹野 どこも苦戦しているところにダイレクトにアプローチされていると思います。データのインプットに関して興味深いお話を聞かせていただきましたが、データ処理の部分についても伺います。グループ会社が増えてもデータの可視化をスムーズにするために、おそらく何かしらの標準化や連携方針の統一化、パイプラインの工夫などをされているのだろうと感じたのですが?

松村氏 最も重要となるのは、データを取得するプラットフォームやクラウド型データベースなどの間口をできるだけ多く用意しておくことですね。SnowflakeやDatabricks、BigQueryなど全てと契約して、いつでも使える状態にしています。どのプラットフォームを使っている会社がグループに入っても、即座にデータリンクのデータを入手することが可能です。企業ごとに異なる多種多様なデータ環境にふれる作業は、非常に興味深く面白いものです。

うちでは元々Snowflakeを使っていて、今も相変わらず多いのですが、Databricksがメインになりつつあります。その理由は、エンジニアではない人が使いやすい環境を提供できると思っているからです。DatabricksはどちらかというとSparkの傾向もあって、エンジニアリングが必要ですが、いろいろと細かいことができます。あまりガチガチにSnowflakeの機能を使ってしまうと、今後そこから抜け出しにくくなるという懸念もあります。

当社のCTOはエンジニアのしたいことを止めないというスタンスなので、新しい技術を使いたいとメンバーが言えば、私も止めることはないです。ドキュメント化して、全員が使える環境にしてくれるなら使っていいよという感じですね。

また、パイプラインに関してはミドルウェアを入れたことで、似たようなものはそのままオペレーターを使うことができます。最近のSaaSの進化は注目すべきものではあるのですが、基本的にはCSVを処理するならば、これで大丈夫だと考えています。

竹野 カタログの整理も進めていらっしゃると思うのですが、カタログに関する取り組みについてはいかがでしょう?

松村氏 カタログを整理しつつあるのですが、どうしてもデータを作る側との協力体制が必要になります。そこへの浸透は正直まだ不十分で、啓蒙しきれてないという現状です。型を準備しており、自由に使えるしデータ入れることも可能で、チャットボット的な機能も備えています。ですが、カタログもいろいろなものが出てきているので、私たちもどこに合わせればいいのかを決めきれていない状況ですね。

竹野 どの企業でも中央集権的に取り組むことと、各部署で進めることがあるかと思いますが、企業として何かしらの転換期を迎えると、各部署からデータ活用やデータ戦略に関する提案や要望が出やすくなるものなのでしょうか?

松村氏 急速な事業拡大にともなって、社内の各部署やグループ企業からデータ活用についての新たなニーズや要望が生じやすい状況にはなっていると思います。ただしデータ基盤に関しては、当社の場合しばらくは中央集権的に管理することになります。M&Aでグループに加わる会社の技術レベルが事前にわからないので、最初から基盤を分けることは不可能なのです。

自社でデータ活用ができる企業向けに、統合したデータの管理を分離するようなケースは、今後生じるだろうと考えています。そうしたケースに対応できる基盤作りを検討することも必要です。

AIを利用した試み、データカタログの整備にも挑戦中

竹野 グループ内の各社へのサポート、基盤統合などの支援内容は、相手先の企業の技術レベルやシステムなどで大きく変わってくるわけですね。

松村氏 その通りです。それこそダッシュボードの使い方を教える会社さんもあります。そこから徐々に、その会社さんに任せていきたいというのが私たちの基本思想です。そのために、ベースとなるものは自分で作ることのできる段階まで支援していきます。

竹野 そういったグループ会社に対する支援の中で、AI活用に関連するような事例はありますか?

松村氏 まさにうちのチームがデータを基盤に入れただけで、グループ企業側で活用してくれたのが、外貨両替機の「SMART EXCHANGE」の事例です。両替機にお金を補充する作業があるのですが、そのルートを最適化させるデータのエンジニアリングをデータチームのインターンのスタッフが担当しました。両替機ごとに最適なルートが設定されています。

竹野 使う側をイメージして、データのエンジニアリングや整備、加工を行っているわけですね。

松村氏 SMART EXCHANGEの場合ですと、使い方や使いたいデータ、必要なデータの単位などを明確に提示していただいたので、モデリングをうちのエンジニアが行っています。逆に不明確な部分はこちらが考えて、ダッシュボードに必要な機能などを決めることになります。

外貨両替機に関するドメインの知識については、使う側の方々がプロですから全部ヒアリングで教えてもらいます。いろいろな知識欲が満たされる、楽しい仕事ですね。新しいM&Aが決まると毎回ワクワクします。

竹野 AIエージェント関連の今後の取り組み、カタログもその取り組みの一環かなと思っているのですが、今後どのような方向で進めていきたいとお考えでしょうか?

松村氏 まずカタログの取り組みについては、かなり課題が明確になっています。データを作る側の方々にデータを入れていただくようにすることが目標です。今は私たちが聞いて、カタログに入れるケースが多いのですが、なるべくその障壁を下げたいと考えています。使いやすいカタログを用意するのだから、ユーザーの方々にデータをきれいにしていただけるような環境の整備がカタログ側のゴールです。カタログの整備が進めば、AI側の取り組みはそれほど難しくないと思っています。

誰もが簡単にデータを活用できる環境作りをめざす

竹野 プロジェクトごとのチーム編成は、どのような決め方をしているのでしょうか?

松村氏 今うちのデータエンジニアは4人なので、基本的には各プロダクトの要件定義などを私やシニアスタッフがざっくりまとめて得意そうなメンバーに引き継いだり、難易度の高いものは担当できるエンジニアに任せたりといった対応をしています。

1人のメンバーが何個かの案件を掛け持ちすることもあり、運用までをフルに行うと長期間取り組むことになるので、まだまだ人手は足りないです。

私はマネージャー兼エンジニアとして業務に携わっており、もちろん忙しさは感じています。ただ、マネージャーが技術を知らないというのは、私自身が嫌なんですよ。自分がエンジニアの立場ならば、扱っている技術の知見を持たない上司から評価されたくないと考えるでしょう。時間的にあまり余裕がなくても、少しでもエンジニアとして手を動かし続けたいと思っています。

竹野 今後、取り組むべき課題としてはどのようなものが挙げられますか?

松村氏 誰でも簡単にデータを扱うことのできる環境が、最終的な理想だと思っています。そこで重要になるのが「Speed is King」を指針とするスピードと信頼性です。

どれだけデータを活用してくれと言っても、そのデータが間違っているようなことがあればユーザーは信頼できない、使えないと思ってしまいます。活用してもらうための信頼性の向上は、非常に重要な課題です。

スピードと信頼性はまさにトレードオフなので、データの重要度を意識して判断することが大切になります。

重要度を考慮すると、正直ずれてしまってもビジネスへの影響はそこまでないデータ、1週間に1回しか使わないようなデータもあるわけです。そういったものは多少プライオリティを下げるケースもあります。逆にデータにズレが生じるとビジネスインパクトがあるものや、経営陣が高頻度でチェックするようなデータといった信頼性を損ねてはいけないデータもあります。そうしたデータに関してはDDP(欠陥検出率)のテストをし、なるべくデータの欠損がないようにする、何かあったらすぐに対応することが必要です。

株式会社GENDA 松村 聡士氏

あとは、ユーザー体験の部分も重要になります。使う人たちにとって、あまり頑張らなくてもやりたいことができる環境作りが、うちのチームの目標です。自然言語で分析でき、ほしいデータをチャットボットに聞いたらすぐに答えてくれるレベルになるのが、理想的なのだろうと思っています。

現場からデータを収集するためのさまざまな試み

竹野 オフラインのデータは基本的に取得しづらいものだと思いますが、アミューズメント施設から取得することのできるデータは意外に多そうなイメージがあります。実際にはどんな感触を持っていますか?

松村氏 現在、GiGOには、GiGO NAVIという従業員用のアプリがあります。このGiGO NAVIの元になっているのは、私が入社したときにいらしたマネージャーの発案したものです。

データがほしいからバックエンドで働く方々を巻き込んで、データを入力することで従業員の方々にメリットを提供するものを作ったわけです。それが拡大を遂げてGiGO NAVIになり、全店舗が使うようになって、機能も大幅に拡張されました。GiGO NAVIから入ってくるデータは今、さまざまな目的で活用されています。あのマネージャーは、当時からほしいデータを自分でどうにか集めようとしたすごい人なのだと改めて感じています。

竹野 それが優位性になっているし、他社が今から真似しようとしてもできないことでしょうね。

松村氏 アミューズメント施設からデータを取得するノウハウはある程度、蓄積されていると思っています。今後の大きな課題は、リアルタイムのデータを取ることです。

お客さまがワンプレイに費やす時間は30秒程度で、長時間プレイしていると、店のスタッフが声掛けすることもあります。お客さまの行動に関するデータをリアルタイムで取れれば、顧客満足度の向上に役立つ施策を立案できます。現在、リアルタイムデータ基盤作りを進めているところです。

ハードウェアの問題もあるので難しい課題ではあるのですが、いろいろな角度からアプローチを試みています。例えば店舗内の動線分析なども今まさに進めており、注力店舗を設けて、そこで数々の実験的な試みを実施しています。

エンタメ業界共通の課題は分散しがちなデータの統合

竹野 エンジニアの職場としてのGENDAさんの特徴はどのような部分にあると感じていらっしゃいますか?

松村氏 いちばんは裁量の大きさですね。やりたいと言えば本当に何でもできる環境なのです。

いろいろなことをやりたいという声がデータチーム内で出されますし、他のメンバーがやりたいことにも全力で協力します。それが、会社の成長にも繋がっているのだと考えています。

竹野 松村さん自身がこれからやりたいこと、挑戦したいことを教えていただけますか?

松村氏 データ基盤という観点だと、まだまだ改善すべきことが多いと思っています。基盤構築に利用する技術の統一化を進める必要がありますし、グループ会社が急激に増えてきたことによって、ガバナンスと権限に関する課題も重要度が高まってきています。

特にうちはM&Aでいろいろな企業がグループ内で活動しているので、基本的に他社のデータを見ることができる状態にしてはいけません。ですが、横串で見たいという要望もあります。どこまで見せるかといった点については、うまくDWHの機能を使って解決すべきだと考えています。権限の付け外しを含めた権限管理のガバナンスは、課題として取り組むべき重要なテーマです。

竹野 最後に、これからのエンターテイメント業界全体でのデータ活用やデータの整備についてですが、松村さんはどのようなビジョンをお持ちになっていますか?

松村氏 エンターテイメントは非常に幅広い領域ですよね。実店舗もあるしECもあって、イベントもあるので、どうしてもデータが分散してしまいがちです。うちも苦戦している部分なのですが、そうしたデータをどのようにして統合して市場予測などに活用していけるかという点が、最も難しいところかなと思っています。

竹野 提供形態が多種多様なだけではなく、データの形態もプレイログからアンケートまでさまざまですから、データの統合は非常に難しい課題だと思います。さらに、自社データとサードパーティデータをどのように比較するかといった課題も出てきますね。

松村氏 例えばIPのくくりも、同じエンタメ業界でも企業ごとに違います。IPのカテゴリーを作品で取っているのか、個々のキャラクターで取っているのかといった部分ですね。細分化したらきりがないのですが、同じキャラクターでも映画かTVアニメかによって実際に景品の売上が変わることもあるので、たいへん難しい点だと思っています。

データに関する基準作りや統一化などは、エンタメ業界全体で取り組むべき課題だと考えています。

竹野 様々な取り組みが「スピードと信頼性」という軸で一貫している点に、GENDAさんの強さと未来への伸びしろを強く感じました。本日は興味深いお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


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株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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