AIエージェント活用事例12選!業務効率化・コスト削減の活用方法まとめ

公開日
2026.06.26
更新日
2026.06.26

AIエージェントとは、目的達成のためにAIが自律的に判断・実行を行う仕組みです。生成AIを導入したものの、「回答にとどまり、業務効率化につながらない」と感じる企業も多いのではないでしょうか。

AIエージェントは、情報収集、データ分析、問い合わせ対応、レポート作成などを、設定された目的に沿って手順を組み立てながら実行することができます。一方で、成果を出すには、向いている業務や注意点の理解が欠かせません。

当記事では、AIエージェントの活用事例12選を紹介し、業務効率化やコスト削減につなげる方法、導入時のポイントを解説します。

目次

AIエージェントとは?

AIエージェントとは、目的達成のためにAIが自律的に判断・実行を行う仕組みです。従来のチャットAIのように質問へ回答するだけでなく、情報収集・データ分析・外部ツールの操作まで一連の流れを自ら進められる点が大きな特徴です。

例えば、「競合調査をしてレポートを作成する」と指示すると、必要な情報を集め、整理し、成果物までまとめる動きができます。業務の一部を支援する存在ではなく、業務プロセスそのものを動かす実務支援に近い役割を担います。

このような優れた特性から、AIエージェントは業務効率化やコスト削減を目的に、企業での活用が広がりつつあります。

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AIエージェントとは何か?

「生成AI」や「従来のRPA」との決定的な違い

AIエージェントは、生成AIやRPAと似ているようで役割が異なります。最大の違いは、AI自身が状況に応じて判断し、実行まで進められる点です。

違いを整理すると、以下の通りです。

項目生成AIRPAAIエージェント
主な役割回答生成定型作業判断+実行
自律性低いなし高い
柔軟性低い高い
データ対応文章中心定型データ中心テキスト・画像データに対応

生成AIは「答える」、RPAは「決められた作業をこなす」、AIエージェントは「考えて動く」仕組みです。情報収集から判断、実行まで一連で進められるため、より複雑な業務の自動化に活用できます。

【関連記事】
生成AIとは?AIとの違いから仕組みや種類・活用事例まで幅広く解説

【部門別】AIエージェント活用領域マップ

AIエージェントは、特定の部門だけでなく、さまざまな業務で活用が進んでいます。共通するのは、情報収集・判断・実行をまとめて効率化できる点です。

代表的な活用領域を整理すると、以下の通りです。

部門主な活用例導入効果
カスタマーサポート問い合わせ対応・手続き処理対応負荷の削減
営業・マーケティング顧客調査・提案支援商談機会の拡大
経理・バックオフィス請求書確認・不正検知ミスや工数の削減
人事・採用面接調整・社内FAQ対応ノンコア業務の削減
製造・調達需要予測・設備保全停止リスクや在庫の抑制

導入効果は業務内容によって異なりますが、定型業務から判断を伴う業務まで幅広く活用できる点がAIエージェントの強みです。次の章からは、実際の企業事例をもとに具体的な活用方法を紹介します。


AIエージェント活用事例12選

AIエージェントは、カスタマーサポート・営業・マーケティング・経理・開発など、さまざまな部門で業務効率化や対応品質の向上に活用されています。特に、情報収集・分析・判断・実行をまたぐ業務では、人手による作業時間の削減や属人化の解消につながりやすいとされています。

ここでは、実際の企業事例をもとに、AIエージェントがどのような業務で活用され、どのような成果につながっているのかを紹介します。

1. 分析部門|リードタイム60%短縮

東京電力エナジーパートナーでは、AIエージェントの活用により、分析案件全体のリードタイムを約60%短縮しました。従来は、データ加工・可視化・分析コードの作成といった複数工程を専門人材が手作業で進めていました。

AIエージェント導入後は、自然な文章で指示するだけで必要なデータの抽出・整理・グラフ作成までを自動で進行できます。作業時間の短縮により、担当者は集計作業ではなく、分析結果をもとにした意思決定や施策立案へ時間を使えるようになりました。

【関連記事】
AIエージェントが分析組織を拡張する!東京電力エナジーパートナーの先進事例|DOORS DX Media

2. 運営企画部門|景品配分を半年で自動化

GENDA GiGO Entertainmentでは、店舗ごとの景品配分業務をAIエージェントで自動化し、半年で実運用へ移行しました。従来は、担当者の経験や複数の表計算ファイルをもとに判断していたため、属人化と工数増加が課題でした。

AIエージェント導入後は、店舗ごとの需要や在庫状況をもとに最適な配分を自動で判断できます。人気景品の欠品や過剰在庫を抑えながら、運営負荷も軽減しました。既存業務へ段階的に組み込める点も導入しやすさにつながっています。

【参考】
エンタメ企業としてのGENDAの成長を独自のデータ戦略によって促進|DOORS DX Media

3. カスタマーサポート部門|解決時間82%短縮

Klarnaでは、AIエージェントの導入により、問い合わせ解決時間を82%短縮しました。単なるチャット回答ではなく、本人確認や返金処理などの実務まで自動で対応できる点が大きな違いです。

問い合わせ内容をAIが理解し、必要なシステムと連携しながら処理を進めるため、24時間体制で迅速な対応が可能になりました。人による対応が必要な複雑な案件のみを振り分けることで、サポート品質を維持しながら人的コストの最適化にもつながっています。

【参考】
Klarna AI assistant handles two-thirds of customer service chats in its first month|Klarna

4. サポートデスク部門|応対時間71.5%短縮

富士通では、社内問い合わせ対応にAIエージェントを導入し、応対時間を71.5%短縮しました。社内問い合わせでは、担当者が規程やマニュアルを探して回答する時間が大きな負担になりがちです。

AIエージェントは、問い合わせ内容を理解し、関連情報を即座に検索して回答を提示します。従業員の待ち時間が減るだけでなく、サポート担当者の負荷も軽減されます。繰り返し発生する問い合わせ対応を効率化し、より高度な支援業務へ時間を振り向けられる点が大きなメリットです。

【参考】
Agentforce国内最速稼働!実運用から見えた現在地と未来|FUJITSU

5. 業務改善部門|生成AIで44.8万時間の業務削減しAIエージェントへシフト

パナソニック コネクトでは、生成AIの全社活用により、年間44.8万時間の業務時間削減を実現しました。従来のAI活用は「質問して答えを得る」使い方が中心でしたが、近年は実務の一部を支援する活用へと広がっています。

文書要約やコード生成、情報整理などを自律的に進めることで、社員の作業負担を大幅に軽減しました。削減できた時間を顧客対応や新規企画へ振り向けられるため、単なる効率化にとどまらず、企業全体の生産性向上にもつながっています。

【参考】
パナソニックコネクト、「聞く」から「頼む」へシフトしたAI活用で年間44.8万時間の削減を達成|Panasonic Group

6. マーケティング部門|有望リードの選別を40%高速化

Salesforceでは、AIエージェントを活用し、有望な見込み顧客の選別を40%高速化しました。従来のチャットボットは決められた応答が中心でしたが、AIエージェントは来訪者との会話内容から関心や課題を読み取り、購買意欲を判断できます。

さらに、顧客管理システムと連携して情報を自動整理し、優先度の高い見込み客を営業担当へ引き渡すことが可能です。営業時間外の問い合わせにも対応できるため、商談機会の取りこぼし防止にも効果を発揮しています。

【参考】
クリックを顧客に変えるAIエージェント:SalesforceのAgentforceが注力リードの特定を40%加速|Salesforce Home JP

7. 営業部門|営業業務を5万時間以上削減

Salesforceでは、AIエージェント「Agentforce」の活用によって、営業業務の作業時間を5万時間以上削減しました。営業現場では、顧客情報の入力や活動記録の更新、フォローアップメールの作成など、事務作業に多くの時間がかかります。

Agentforceは、通話内容の要約や営業活動の自動記録、パーソナライズされたメール作成などを支援し、業務効率化を実現しています。営業担当者が事務作業の負担を減らし、顧客対応や商談など本来注力すべき業務に集中できる点が大きなメリットです。

【参考】
リード獲得からコーチングまで Salesforceが実証するAgentforceによる営業改革|Salesforce

8. 採用部門|採用工程28%高速化

Adecco Groupでは、AIエージェントの導入により採用工程を28%高速化しました。採用業務では、応募者情報の確認や初期対応、日程調整に多くの時間がかかります。

AIエージェントは応募者と対話しながら条件を確認し、スキルや希望に合った求人を提案できます。面接日程の調整まで自動で進められるため、採用担当者の事務負担を大きく削減することが可能です。

担当者が候補者との面談や見極めに集中できる環境を整えられる点が、最大の導入効果といえます。

【参考】
The Adecco Group accelerates recruitment worldwide as an Agentic Enterprise|Salesforce Home

9. 法務部門|若手法務の成長速度を約3倍に向上

竹中工務店では、法務AI「LegalOn」の活用によって、若手法務人材の成長速度が従来の約3倍に向上しました。法務部門では、契約審査や法的リサーチなど専門性の高い業務が多く、担当者の経験に依存しやすい課題があります。

LegalOnでは、AIエージェントによる契約レビュー支援や要約、リサーチ支援などを活用し、業務の標準化とノウハウ共有を実現しています。属人化しやすい法務業務を効率化し、担当者がより高度な判断や契約交渉に集中できる点がメリットです。

【参考】
ノウハウ継承と属人化の解消へ AIエージェントと歩む建設法務の新しいカタチ|LegalOn

10. 調達部門|AIオーダー開発により発注時間50%削減

イオンリテールでは、独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」を導入し、発注時間を平均50%削減しました。店舗の発注業務では、曜日や価格、気温、販促施策など複数の要因を踏まえて販売数を予測する必要があり、担当者の負担が大きくなりやすい業務です。

AIオーダーは、客数予測や過去の販売実績をもとに適切な発注数を自動で提示し、判断業務を効率化しました。突発的な品切れや過剰発注の防止にもつながっており、実証実験では対象商品の平均在庫金額を約3割削減しています。

【参考】
イオンリテール/「AIオーダー」開発、全380店に導入・発注時間5割削減|流通ニュース

11. 経理部門|規制報告430時間/年削減

Games Globalの経理部門では、AIエージェントによって規制対応業務の効率化を進めています。そのうち、規制報告業務では年間430時間の削減につながっています。

各国の規制変更や税制改正に関する通知を確認し、必要な報告書を作成する作業は負担が大きくなりがちです。AIエージェントは関連情報を監視し、重要な内容を抽出した上で必要なレポート作成を支援します。繁忙期の負荷軽減だけでなく、報告漏れによるリスク低減にも役立つ活用例です。

【参考】
Games Global saves over 22,000 hours per year with Microsoft Power Platform and Copilot Studio|Microsoft Customer Stories

12. 開発部門|技術的負債対応を月1万時間以上削減

Rampでは、AIソフトウェアエンジニア「Devin」の活用によって、技術的負債への対応で月1万時間以上の工数削減を実現しました。開発部門では、バグ対応やテスト修正などの定型作業が積み重なり、開発者の負担になりやすい課題があります。

Devinは、コード修正やテスト実行、プルリクエスト作成まで自律的に対応し、技術的負債の解消を支援します。開発者が単純作業に時間を取られにくくなり、新機能開発や品質改善など、より付加価値の高い業務に集中できる点がメリットです。

【参考】
https://devin.ai/customers/ramp


AIエージェントの主な3つの種類

AIエージェントには、自律性の度合いや人間の関与範囲によって複数の種類があります。すべての業務をAIに任せるのではなく、対象業務のリスクや複雑さに応じて、適切なタイプを選ぶことが大切です。

ここでは、企業での活用を想定し、代表的な3つのタイプを解説します。

指示応答型エージェント

指示応答型エージェントは、明確な指示に対して実務を実行する、導入しやすいタイプです。通常のチャットAIは質問に回答して終わるケースが中心ですが、指示応答型エージェントは回答だけでなく実行まで担います。

例えば、請求書作成の指示に対して、データの読み取り・金額計算・書類作成・メール下書きまで処理できます。判断範囲が限定されるため、リスクを抑えて導入しやすい点も特徴です。

まずは一部業務をAIに任せたい企業に向いています。ただし、複数工程を自ら組み立てて進める用途には不向きです。

半自律型エージェント

半自律型エージェントは、AIの効率性と人間の管理を両立しやすいタイプです。AIが情報収集や分析、下書き作成までを自律的に進め、人間が重要な場面で確認する形で運用します。

例えば、営業メールの作成まではAIが担当し、送信前に担当者が内容を確認するといった流れです。経費承認や顧客対応のように、ミスの影響が大きい業務でも導入しやすくなります。

自動運転で運転支援を使いながら最終判断は運転者が行うイメージに近く、業務効率化と安全性のバランスを取りやすい方式です。

自律実行型エージェント

自律実行型エージェントは、目標達成までAIが自ら考えて行動する高度なタイプです。人間が細かな手順を指示しなくても、AIがタスクを分解し、実行結果を見ながら計画を調整します。

近年は、調査担当、分析担当、文章作成担当のように複数のAIが役割分担するマルチエージェント型も広がっています。大きな業務変革が期待できる一方で、権限管理や暴走防止の設計は不可欠です。

継続的な業務処理を実現できる可能性がありますが、導入には慎重なガバナンス設計が求められます。

【関連記事】
自律型AIエージェントの仕組みや業界別活用事例から生成AIとの違いまでを解説

AIエージェント導入のポイントと注意点

AIエージェントは、導入するだけで自動的に成果が出るものではありません。業務プロセスの整理、参照データの整備、権限管理、人間による承認フローなどを適切に設計してはじめて、安定した業務効率化につながります。

ここでは、AIエージェント導入時に押さえておきたいポイントと注意点を解説します。

向いている業務とPoCの進め方

AIエージェントは、判断ルールが明確で、処理件数が多い業務から始めるのが効果的です。AIエージェントは万能ではなく、例外対応が多い業務や高度な判断を求められる業務では、期待した成果につながりにくい場合があります。

向いている業務向いていない業務
経費精算チェック高度な経営判断
一次問い合わせ対応例外処理が多い業務
FAQ対応手順が属人化した業務
データ整理・要約創造性中心の企画業務

導入時は、PoC(概念実証)として小規模な検証から始める方法が適しています。まずは1部署・1業務に絞り、1〜3か月ほど効果を検証しながら、本格導入の判断を進めると失敗リスクを抑えやすくなります。

権限管理と人の承認フロー

AIエージェントには必要以上の権限を与えず、人間の承認フローを組み込むことが大切です。AIエージェントは、自律的に判断してシステムを操作できるため、設定を誤ると想定外のメール送信やデータ更新につながる可能性があります。

安全に活用するには、情報収集や下書き作成はAIに任せ、顧客対応や決済など重要な実行は人間が確認する運用が有効です。アクセス権限も必要最小限に絞るべきです。

車の自動運転でも最終的に運転者が周囲を確認するように、AIエージェントでも人間の監督が欠かせません。

データ品質と効果測定の設計

AIエージェントの成果を高めるには、参照データの整備と効果測定の設計が欠かせません。古いマニュアルや表記ゆれのあるデータを参照すると、AIエージェントは誤った判断をしやすくなります。

導入前に社内データを整理し、最新情報へ更新しておきましょう。また、成果を正しく判断するため、導入前の作業時間やミス発生率を記録しておく必要があります。

導入後は、作業時間の削減率、修正率、利用状況などを継続的に確認し、改善を重ねる運用が重要です。

AIエージェントを活用する上でよくある質問(FAQ)

AIエージェントの導入を検討する際は、できることだけでなく、リスクや向いている業務を正しく理解しておくことが大切です。特に法人利用では、情報漏えい対策や人間の承認フロー、業務選定の考え方が導入成否を左右します。

ここでは、AIエージェント活用時によくある質問に回答します。

Q1. AIエージェント導入時のリスクは?

A. 主なリスクとしては、情報漏えいや誤回答、意図しない自動実行などが挙げられます。

AIエージェントは、社内データや外部システムと連携しながら業務を進めるため、一般的なチャットAIより影響範囲が広くなります。誤った情報をもとにレポートを作成したり、承認なしでメール送信やデータ更新を行ったりする可能性があります。

安全に活用するには、アクセス権限を必要最小限に絞り、重要な操作には人間の確認を挟む運用設計が重要です。

Q2. AIエージェントでできることは?

A. 情報収集や分析、顧客対応の支援など、幅広い業務で活用できます。

AIエージェントは、質問に回答するだけではありません。目的に応じて必要な作業を組み立て、順番に処理できます。例えば、市場調査では情報収集から比較表の作成まで対応でき、問い合わせ対応では顧客情報を参照しながら回答を支援できます。

【関連記事】
Vertical AI(バーティカルAIエージェント)がもたらす可能性と事例から見る導入メリットを解説

営業、経理、人事など、複数の情報を扱う業務で活用しやすいことが特徴としてあげられます。

Q3. AIエージェント導入に向いている業務は?

A. 手順や判断基準が比較的明確で、人が最終確認しやすい業務から始めるのが現実的です。

AIエージェントは、一定のルールに沿って進める業務で力を発揮します。例えば、問い合わせ対応、社内FAQ対応、営業資料の下準備、経費精算チェック、応募者情報の整理などが代表例です。

いきなり複雑な業務を任せるより、AIが下準備を行い、人が最終判断する形で始めると、導入効果を確認しやすくなります。

AIエージェント活用事例のまとめ

AIエージェントは、単なる業務支援ツールではなく、情報収集・分析・判断・実行までを担い、企業の業務変革を後押しする存在です。実際に、営業・経理・採用・開発など幅広い領域で、業務効率化やコスト削減の成果が生まれています。

成果につなげるには、対象業務の選定、社内データの整備、権限管理、人間による承認フローの設計など、自社に合った運用設計が欠かせません。小規模な業務から効果を検証しながら進めることが大切です。

AIエージェントの導入を検討しているものの、「どの業務から始めるべきか分からない」「自社に合った活用方法を知りたい」とお悩みの企業様は、お気軽にブレインパッドへご相談ください。


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