DOORS DX

ベストなDXへの入り口が
見つかるメディア

DXの担い手「CDO」とは?DX成功のカギは、デジタル化を推進する専門組織にあり

公開日
2021.02.03
更新日
2024.02.17

デジタルテクノロジーの発達が、業界や業種を問わずに影響を及ぼすようになっています。そのような中で、デジタル化ないしDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進することで、業務プロセスの効率化やビジネスモデルの改革などに乗り出す日本企業も増えているとされています。

そのために必要なのは、推進者となるリーダーの存在です。この記事では、DXの旗振り役として注目されつつあるCDO(Chief Digital Officer:最高デジタル責任者あるいは最高データ責任者※本稿では主に前者を指して説明)の役割と位置づけについて、企業の調査レポートを参考に解説していきます。

(DXの定義や意味をより深く知りたい方はこちらもご覧下さい)
【関連】「DX=IT活用」ではない!正しく理解したいDXとは?意義と推進のポイント

CDOの位置づけとDX推進における役割

まずは、CDOの概要について説明します。経営戦略と密接に関わったデジタル戦略の立案と実施のために、その存在感は今後増していくと考えられます。

CDOはデジタル化に必要な組織改革を進めるリーダー

CDOおよびCDOを目指す人々のためのコミュニティとして、CDO Club(およびその日本版のCDO Club Japan)が存在します。CDO Club Japanでは、CDOについて以下のように説明しています。

CDOとは、AI、ロボティックス、IoT、デジタルマーケティング、ドローン、ビッグデータ等を有用に活用し、日々変化し続けるテクノロジーと消費者の行動に迅速に対応し、 幅広いデジタル戦略を統括、組織を横断して改革を推進する統括責任者の総称です。

このように、CDOは最新のテクノロジーを熟知することはもちろん、経営戦略と不可分なデジタル戦略の責任者として、組織改革を進めるリーダーであることが期待されています。自社の企業戦略にデジタル戦略を組み込み、ビジネスモデルを刷新すること、すなわちDXが企業に求められている中で、CDOの果たす役割は極めて重要です。

CDOとCIOの違い

CDOと似た役割として、CIO(Chief Information Officer:最高情報責任者、あるいはChief Innovation OfficerやChief Intelligence Officerとも)が挙げられます。内閣官房に設置された情報通信技術(IT)総合戦略室によると、CIOは「これまでの情報システムの最適化の役割に加えて、組織や部門を越えて企業グループ全体を俯瞰した、経営の変革を推進する主導的役割が求められる」とされ、CDOとも類似した役割を担います。

実際のところ、両者の違いはあまりないとも考えられます。総務省の情報白書でも、CIOのようなミッションをCDOが担っている事例が多いことを指摘しています。また別の調査会社のアンケートでも、DXの担い手としてCDOおよびCIOの両者に期待する企業が多くなっています。

DX推進の旗振り役としてリーダーシップを発揮するCDO

CIOとCDOの役割が類似しているとは言え、特にデータの名を冠するCDOにはデータやテクノロジー活用を主軸としたDX推進が期待されるケースが多いと考えられます。既にCIOを設置していた企業が、DX推進へ力を入れることを発信する目的で新たにCDOを設置することもあります。

いずれにしろ、CDOにはDX推進を実現するリーダーとして、プロジェクトを引っ張っていくことが求められます。

【関連】DX推進ガイドラインとは?経営戦略とITシステムの再構築で実現するビジネスモデル変革
【関連】DXを推進するためのアクションプランは?経産省「DX推進指標」を参考に


日本と海外におけるCDOの設置状況

DXが叫ばれるようになった近年においても、日本企業におけるCDO設置率はそれほど高くありません。調査結果から、CDOの設置状況および海外比較について見ていきましょう。

日本のCDO設置率は10%以下

PwC傘下のコンサルティングチームStrategy&では、CDOと日本企業のデジタル化について調査を行っています。2020年7月の調査によると、CDOという名の役職を設置した企業は回答全体の13%でした。前回2018年6月は10%、2016年11月段階では8%であったため微増ではありますが、まだまだ少ない状況にとどまっています。ただし、CDOとは異なるもののデジタル化の推進を担う専門部署を設置しているのは47%と半数近くに達しており、DXの重要性に対する認識自体は高いと言えます。

調査結果によると、デジタル責任者の役職が上がるほど、現場におけるデジタル化推進に対する理解度が高くなる傾向も認められています。部門長レベルではなく、CDOのような経営層がプロジェクトを主導することが重要と言えるでしょう。

ヨーロッパでは4割近くの企業がCDOを設置

総務省の情報通信白書では、諸外国のCDO設置率も見ることができます。この調査では、日本企業のCDO設置率は5.0%とより低く出ているのに対し、アメリカでは16.8%、イギリスでは27.4%、ドイツでは16.4%の企業がCDOを設置済みと回答しています。

一方、Strategy&のグローバル調査では、地域別のCDO設置率が掲載されています。2018年段階でアジア・太平洋地域のCDO設置率は日本とほぼ同じ10%にとどまるのに対し、ヨーロッパでは38%と4割近くの企業がCDOを設置しているという結果となっています。

以上のように、欧米と比較すると日本のCDO設置率は低くなっています。

今後さらに諸外国との差が拡大する可能性も

CDO設置率について、今後さらに差が拡大する可能性も指摘されています。情報通信白書によると、CDOの設置を「検討中」と回答しているのが日本企業の8.4%にすぎないのに対し、日本の次に設置率が低かったドイツでは26.4%となっています。


DX推進に向けた組織改革とCDOの必要性

企業調査を見ると、DX推進のために組織改革が必要不可欠であるとの認識が広まっています。DX推進に向けて、単にデジタル部署を設置するにとどまらず、組織横断でプロジェクトを主導できるリーダーシップが強く求められます。

DX推進の途中で必ず「組織の壁」が課題に

情報通信白書では、企業のICT活用における課題を2点指摘しています。

1.業務の一部へICTを導入することに対する現場部門の反発

影響を受ける社員からは、業務プロセスが変わることへの不安、失業への危機感に起因する会社への不信感や反発などがある。

2.現場部門と情報システム部門の調整・役割分担

既存業務プロセスの確認・整理は現場部門が担当するのに対し、ソリューション選定や社内環境に合わせたチューニングはシステム部門が担当することになるため、両部門の役割分担・調整が欠かせない。

この2つの課題をクリアするために、経営層が全社的なDX戦略を策定して目標を明確化するとともに、役割分担のあり方について適切なメッセージを発信することが必要となります。

DX推進企業で共有されつつあるリーダーシップの必要性

上記のような課題は、DX推進で成果をあげている企業ほど認識されていると考えられます。別の調査によると、成果創出企業の68%がDXを推進する組織と専任の役職者を設置しています。また経営トップがコミットして直轄で推進しているか、CDOやCIOのような役職者に権限委譲してDXを推進しています。

DXにリーダーシップが必要であるという認識は、このように日本企業でも広まりつつあります。CDOないし類似の役職を設けて、DX専任で進めない限り全社的な変革は難しいでしょう。

まとめ

CDOは、DX推進のリーダーとして欧米を中心に設置されるようになってきました。日本の設置率はまだ10%程度と多くはありませんが、DX推進に積極的な企業ほどDX推進を専任で担う経営層レベルの役職として設置する傾向にあります。

DXは組織横断で進めることが望ましく、事業部門やシステム部門レベルで成し遂げることは難しいと考えられます。経営層がリーダーシップを示し、内外に明確なメッセージを発信して全社的な組織およびビジネスモデルの変革を成し遂げるという覚悟を持って進める必要でしょう。

関連:【前編】DXの成果は「課題の自分ゴト化」と「トップのコミット」で決まる~全社一丸となって取り組む合意形成・協力体制の作り方~

(参考)
・Strategy&「2020年CDO調査」
・Strategy&「Chief Digital Officer Study」
・電通デジタル「「70%が着手」と本格化進む日本企業のDX成果創出のカギは経営トップのコミットメント」
・総務省「平成30年版情報通信白書:第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長 第3章 ICTによる生産性向上と組織改革 第4節 ICTのポテンシャルを引き出す組織改革」
・総務省「平成30年版情報通信白書:第1部 特集 人口減少時代のICTによる持続的成長 第3章 ICTによる生産性向上と組織改革 第4節 ICTのポテンシャルを引き出す組織改革」
CDO Club Japan「CDOとは何か?」
CDO Club Japan「CDO Clubについて」


このページをシェアする

あなたにおすすめの記事

Recommended Articles

株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

メールマガジン

Mail Magazine