変化の時代、データが巡る経営を。 ~BrainPad DX Conference 2022~オープニング

[執筆者]
DOORS編集部

3月23日に開催した「DOORS-BrainPad DX Conference2022」。
3000人を超える視聴申し込みをいただいた本イベントの内容をお届けいたします。

2020年から今回で3回目を迎える本イベント。多数のDXプロジェクトを推進する中で「変化の時代、データが巡る経営の在り方」をコンセプトに掲げました。2022年度開催に込めた想い、5つのテーマの重要性、セッションの見どころなど、弊社代表の草野が解説します。

「変化の時代、データが巡る経営を」を選んだ理由とは

ブレインパッド・関口 朋宏(以下、関口) 今年の「変化の時代、データが巡る経営を」というコンセプトを選択した意図について教えていただいてもよろしいでしょうか。

ブレインパッド・草野 隆史(以下、草野) 2021年の「経営者の隣にデータサイエンスを」というテーマと言葉の意味は大きく変えないことを意識しています。ただし、本質はそこまで大きく変化しなかったとしても、進化していることからコンセプトは「変化の時代、データが巡る経営を。」としました。

企業のIT化を運動神経・感覚神経に分けて例えるとIT化は感覚神経に該当します。しかし、感覚神経に基づいて脳が判断し、身体の情報収集を行えても、運動神経とつながっていなければ行動はできません。しかし、DXを行う場合、「企業内の情報収集」と「その後のアクションにつながるビジネスのIT化」は両立してレベルを上げていく必要があります。そうでなければ、低い方にどうしても制約を受けることになってしまうためです。

ここで、問題・課題とされるのは「脳」の部分です。経営が意思決定をするということを「脳」と例えていますが、実際は脳だけがハードルになるものではないと思っています。取るべきデータは、レイヤーや意思決定のレベル感によって、メッシュの細かさも頻度も変わってくるため、現場と経営が使用するデータは種類が違うといえます。

そして、現場にもデータが巡り、必要なデータを活用して意思決定ができれば、さまざまな変化を素早く捉え、行動することが可能です。人体でいえば、データは「血液」であり、「データが全身を巡る経営」を実現していかなければ、変化する時代に対応するのは難しいという問題意識を投げかけています。

企業経営と密接に結びつくようになったESG

関口 ここからは、イベントの構成についてお話をしたいなと思っています。最初の特別ゲスト対談は「ESG」がテーマとなっていますよね。DXカンファレンスからスタートして、データ活用を推進するブレインパッドが「ESG」をテーマにした意図・狙いを教えていただけますか。

草野 ブレインパッドのミッションは「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」というもので、18年前の創業以来掲げています。そのため、データサイエンスの目的を「環境配慮」や「持続可能な未来の追求のために使う」というのは悲願でもありました。

私としては、「ようやくこういうテーマで皆さんの前で話せるというタイミングが来た」と感慨深く思います。以前であれば、データ活用は収益性の最大化やビジネスのインパクトを目的にどのようにチューニングしていくかといった流れで利用されていました。

しかし、環境配慮を怠ってはならないという厳しい目線も寄せられている状況です。そのため、環境やESGに配慮しながら、ビジネスも伸ばしていくといったデータ活用が新しいトレンドになると感じています。ESGは、「仕方なく取り組まなければならないもの」と受け止められがちです。しかし、今攻めのESGを活用すると、「環境に配慮しながら、収益・ビジネスを伸ばす」ことが可能です。

今回は、ESG投資、経営のオピニオンリーダーである株式会社ニューラルの夫馬賢治さんと、実際にESG投資を実践されているインクルージョン・ジャパン株式会社の吉沢康弘さんをお迎えして、伊藤忠商事株式会社の関川潔さんと私が2人に「どんなアプローチでESGを実現しようとしているのか」をお聞きしたいと思っています。

関口 ブレインパッドはミッションとして「持続可能な未来」という言葉を掲げていますが、「それはどういうこと?」と聞かれることもあると思います。やっとそれに対して、真正面から向き合える話題やトレンドが出てきているなと私も感じています。そして、DXやデータ活用がESGとどういう関係性があるのかという点に悩んだり、考えたりする方も多いと想定されるため、そういった部分を解消していけたらと、私も楽しみにしている状況です。

5つのテーマの設定理由

関口 特別ゲスト対談が終わった後は、5つのテーマを設定し、それぞれの企業のリーダーの方をお呼びして対談するセッションで構成されています。

では、この5つのテーマをどのように設定したのかという点をお話いただければと思います。

草野 DXにおいてさまざまな考え方があることを、カンファレンスではお話してきました。本質は、ビジネスモデルのトランスフォームだと思っています。ブレインパッドが支援しているプロジェクトという切り口であれば、いくつもパターンがみえてくると考えました。そして、典型的なパターンを5つ定め、クライアントさんをお呼びして経緯や苦労、手ごたえをお聞きし、「これからスタートする企業がどのドア(DOOR)からDXに入ればいいのか」といった切り口から今回のテーマを定めました。

1つ目は「未来の探索」で、伊藤忠商事さんのと流通DXを伺おうと思っています。元々、同社は取り組みとして「流通領域の効率化・収益化」を行っていますが、それを他のビジネスに生かしていこうというトレンドになりつつある状況です。このお話では、「DXの先を進めることで、ビジネスの先が見えてくる」というDXの在り方・ステージを皆さんに感じていただきたいという意図があります。

関口 DXはどうしても業務効率化や現状をよくするといったことが優先されがちですが、もう先を見据えているということですね。楽しみにしております。

草野 2つ目の「進化する意思決定」というテーマでは、トヨタ自動車様の「マテリアルズ・インフォマティクス」の事例を取り上げます。大きく変化している自動車業界において、素材開発の中でデータサイエンスを活かす「マテリアルズ・インフォマティクス」という技術体系を自社だけでなく、外販まで利用可能としています。非常にアグレッシブな取り組みです。

材料開発の意思決定の進化形式として、自社から外部に出ていくという展開の部分を見て、参考にしていただきたいと感じます。自社の強みをそのままビジネスに展開しようとしている点、同社が取り組んでいるという点は見所があるのではないでしょうか。

関口 効率化を先に考えるのではなく、「最初からビジネスにしていく」という視点から取り組んだ事例として私も非常に楽しみにしています。

草野 3つ目の「変革の礎づくり」では、ニッセンホールディングス様のデータ基盤のリニューアルプロジェクトに関してお話いただきます。DXを進めていくうえで、データ環境の整備は欠かせないものだといえます。基礎がしっかりしていなければ、その後の伸びしろが少なくなってしまうためです。

「DXを進めていく」「自社の強みを強化する」タイミングで、基盤づくりに立ち返るという基本的な姿勢の重要性がこのセッションで伝えられたら面白いと感じます。

関口 ニッセン様といえば、昔から熱心にデータ分析に取り組まれている企業ですよね。そういった下地のある企業でも、時代の変化に合わせてモダナイズ・新しくしていくというチャレンジが面白いと感じています。

草野 4つ目の「価値の還元」は、ユナイテッドアローズ様のデータ活用の事例をCDO(チーフ・デジタル・オフィサー)の藤原義昭さんにお伺いするというセッションです。データの恩恵をどう顧客に還元していくのか、お話していただく予定です。

関口 藤原さんはマーケティング業界で有名な方で前職ではCMOでしたが、今度はCDOでユナイテッドアローズに入社されたということで、どんなことを考えているのかという点でも楽しみにしています。

草野 5つ目の「組織への浸透」では、“Food as a Service”を掲げるアサヒグループジャパン様の新しい取り組みについてフォーカスしていきます。組織へのデータサイエンスの浸透という面で、非常に大規模な組織開発・人材教育を実施しており、そのプロジェクトの背景をお聞きします。

データサイエンスを推し進めていこうとしたときに、人体でいえば、血(データ)が巡った先にしっかりと吸収できる人間がいるかというテーマです。大企業であるほど、この問題に直面しやすいと思っています。そこで、他の企業よりもいち早くどのような取り組みを行っているのかをお伝えしていきます。

関口 本当に最近はブレインパッドに「データ活用人材育成」のご相談が増えたと感じている状況です。また、デジタルの話をしていると、人の話になるのは面白いですよね。結局、使うのは人で、育成は企業のカルチャーやニッセンのような基盤・インフラの整備も整えていかなければなりません。

そういった点からも、どのようにしてデータに強い企業に変えていくのか、というお話を聞ければと思っています。

DX、データサイエンスのこれから

草野 この1、2年で日本においてもESGを意識したアクションや問い合わせが増えているように感じませんか?

関口 本当に増えていますね。2、3年前にはこの波は来るだろうという予測はしていましたが、あっという間に来たという印象です。脱炭素の問題として、最近では「Scope3」までは情報開示しなければならないため、義務のような感覚になることもあります。しかし、義務という面だけでなく、製造業の多さからすると脱炭素の問題は正しく理解・実施していかないと世界から遅れるという危機感はありますよね。

草野 私もESGのためにもデータ基盤を整えなければならないという動きがもっと加速するとみています。今、様々な企業がその壁にぶつかり始めている状況で、これまでの「収益最大化」の流れから、データ活用の新しいトレンドとして「環境配慮」が現れています。

関口 個人的には、まさに昨年のDOORSカンファレンスで「DX・デジタル活用は手段であって目的としてはならない」というテーマもセッションの中でありました。そのうえで、現在のESG重視の流れはよかったのではないかと思っています。

どうしても今まではデジタルを活用することを重視しがちでした。しかし、ESG経営を行っていくという課題設定がされたことで、「DXはあくまで手段でその先のWhyを考える必要がある」という認識を持てたと思っています。
そのあたりも含めて皆さんと一緒に勉強していきたいと感じますね。

WRITER執筆者プロフィール

株式会社ブレインパッド

DOORS編集部

ブレインパッドのマーケティング本部が中心となり、主にDXにまつわるティップス記事を執筆。また、ビジネス総合誌で実績十分のライター、AI、ディープラーニングへの知見が深いライターなど、外部クリエイターの協力も得て、様々な記事を制作中。

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