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DOORSカンファレンス2023総括を実施。視聴者に聞いた、DXの成果有無、課題感とは?

公開日
2023.07.28
更新日
2024.03.15

ブレインパッドは2023年6月5日(月)から16日(金)にかけて、大型DXカンフレンス(以下、DOORSカンファレンス)をオンライン開催しました。

視聴した方々には、各セッションの感想をお聞きするのに加えて、(ご自身の会社、所属部署の)DXの取組有無や成果有無、DXを進めるにあたっての課題といったアンケートを実施。結果合計「560件」の回答がありました。

一般的なDX調査レポートと比較するとサンプル数はやや小さくなりますが、日ごろから業務でDXに対して向き合っている企業の回答者が多く、さまざまな示唆を得られる貴重な情報になりました。

本記事では、その中から興味深かったインサイトを中心にお届けします。

読者の皆様の、DX推進の参考になれば幸いです。

※アンケート実施概要

  • 調査対象:DOORSカンファレンス視聴ユーザー
  • 対象条件:個人情報管理に対する同意者
  • 回収期間:2023年6月5日 (月)~23日  (金)
  • 調査期間:2023年6月26日(月)~7月7日(金)
  • 告知・配布回収方法:メール
  • 調査方法:Googleフォーム
  • 設問数:16問(必須:15問、任意:1問)

1.DXに関する調査

1.業務やミッション、課題感

アンケートに回答した方々の業務やミッションは、以下の通りでした。

※複数回答を含みます。

「DX推進」を中心に、「データ」、「マーケティング」が続き、これら(薄いオレンジ色で囲った部分)で、全体の74.95%を占めています。

また、ミッション実現に向けた、業務上の課題は何かについてもお聞きしました。

※複数回答を含みます。

パートナー選定への課題意識は低いものの、「組織・人材・教育」カテゴリが609件(31.38%)を占めています。

こうした課題カテゴリに、役職機能有無を組み合わせてみました。

※複数回答を含みます。

役職機能有無によって、課題内容に明白な差分は見受けられず、各々「組織・人材・教育」が30%を占めています。

また課題カテゴリに、業界・産業情報を組み合わせたところ、業界・産業に関わらず「組織・人材・教育」への課題感の強さがうかがえました。

2.各社のDX取り組み状況

DXの取り組みにおいて、「すでに成果を感じている」企業は、全体の11.55%。対策や改善に対する取り組みの必要性や情報収集をしている企業(薄いオレンジ色で囲った部分)が67.25%を占めています。

※複数回答を含みます。

では、具体的にどんな取り組みの成果有無があるのかを、DXピラミッド(※)で定義している領域に沿って質問しました。

(※)DXピラミッドとは、ブレインパッドが提唱するDX整理・分類のフレームワーク。
【関連記事】DXピラミッド 一般から最先端、そして未来まで。わかりにくいDXを、3分で理解する。

要点は、以下になります。

  • 最も成果を感じているのは、「④サービス/製品のデジタル化」で14.5%。
  • 最も課題対策が必要と感じているのは、「①デジタル人材|組織への投資」で70.2%。
  • ピラミッドの①が最も簡単で、⑤が最も難しいというわけではなくそれぞれの領域で、難しさがあることがわかる。
  • 「社内業務」においては、ピラミッドの上に位置するにつれ、課題対策が必要と感じる割合が2.7pt高くなっている。

以上、業務やミッション、課題感と各社のDX取り組み状況をふまえて浮かび上がったのは、「組織・人材・教育」が課題であるということでした。


2.DOORSカンファレンスのコンテンツ評価

1.カンファレンスに興味を持った理由

カンファレンスに興味を持った理由について、講演内容が36.72%、カンファレンスのテーマ・コンセプトが33.09%と上位でした。

※複数回答を含みます。

今回は、「ビジネス価値創造につながる鍵はどこにある?経営と現場をつなぐ「データ活用の自走化」への挑戦」をコンセプトに掲げていました。

先述したように、アンケート結果からも「組織・人材・教育」に課題を持つ方にとっては特に、本コンセプトに興味を示していただいたのではないでしょうか。

2.視聴が多かったセッション

  1. 「未来の需給」をつくる、キリンビール「SCM(サプライチェーンマネジメント)」の挑戦
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_kirin/
  2. データサイエンティスト協会に聞く、「データサイエンスの社会実装」のこれまでとこれから
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_ds/
  3. 社会インフラ課題をデータ活用で解決する、ソフトバンクの新サービス・「Routify」開発秘話
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_softbank/

3.視聴満足度が高かったセッション

  1. JR東日本のデータマーケティング戦略を支える人材育成と「パートナリング」の在り方
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_jre/
  2. ヤフーが「Yahoo! Data Xross」でもたらすマーケティングDXの新時代
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_yahoo/
  3. データサイエンティスト協会に聞く、「データサイエンスの社会実装」のこれまでとこれから
    ※本セッションの採録記事:https://www.brainpad.co.jp/doors/feature/02_conference23_ds/

合計14セッションの平均評価度数は91%という結果でした。特に満足評価が多かったセッションは、いずれも「マーケティングDX」をテーマにしたものでした。

4.評価理由

評価のポイントは「セッション内容が分かりやすかった」が最も多く28.03%。「参考にならなかった」割合は4.49%でした。96%は、セッション内容自体と期待値のギャップが許容範囲内であったことがうかがえます。

※複数回答を含みます。

また、低評価の理由もお聞きしました。

「参考にならなかったセッションはなかった」が最も多く35.86%だったものの、「最後まで視聴できなかった」が26.03%となり、視聴時間・視聴本数などへの課題が挙げられました。

※複数回答を含みます。

※いただいたフリーコメント(一部抜粋)

  • この度は、このような素敵なカンファレンスに参加させていただき、ありがとうございます。当方、個人的にデータサイエンティストを志すエンジニアでして、予想以上に参考になるお話を伺えて、大変満足です。(広告・情報通信サービス>システム開発 主任)
  • 見逃し配信などのサービス提供期間を延長して頂きたい。 今後、人材不足が想定されるため、デジタル化は必須と感じております。 過疎化の進む地域社会での実験的運用なども視野にあると嬉しいです。(中間流通>素材専門卸 一般社員)
  • 内容のみならず、視聴できる環境や開催中の様々な参加者へのアプローチ含め、無料で視聴できるイベントやセミナーの類の中では大変秀逸なものだと心から思いました。御社のクレデンシャル紹介というよりはDX周りの社会課題解決への貢献のご姿勢を感じたからだと思います。(広告・情報通信サービス>放送・出版 General Manager)
  • 具体性があり共感できる内容で、今携わっている業務の参考になりました!ただ、実施されていた週が繁忙期と重なってしまったため、1企業様分しか見ることができず非常に残念でした。他にもたくさん見たい企業様があったので速報レポートを楽しみにしております!(法人サービス>業務支援サービス 一般社員)
  • DOORS2023ではデータ活用が社会に浸透していることを把握しました。ありがとうございました。一方で他企業の取り組みと私の所属する箇所の温度感や部下の仕事の進め方、考え方に照らし合わせると焦りを感じています。ただ、当社にデータマーケティングに熱い思いがある社員が存在することや具体的な取り組みを知ることができ勇気が持てました。御社等に相談するだけでなく、社内のデータ活用に強い部門との意見交換を実施するなど進めていきたいと思います。次回のDOORSも期待しています。(運輸サービス>陸上輸送 科長)

こうしたご意見、フィードバックをふまえて、弊社が発信する各種コンテンツの改善に役立てていきたいと思います。


3.その他考察

DOORSカンファレンスの第一回開催時も、「DXピラミッド」に即して調査を実施しました。

【参考記事】ブレインパッド、DXアンケート調査の結果を発表。DXを成功に導くカギとは?

当時とは回答数、設問も違うため一概には比較できないですが、当時も「人材不足」が浮き彫りになっていました。

ここ数年、DXという言葉が定着し、DXに取り組む企業が増えたものの、依然として最大の課題は「人材」であり、さらに「組織」全体にまで及ぶなど、課題感は大きくなる一方です。

これらの課題背景には、データ分析の高度化に伴うスキルの向上、データ分析から得たインサイトや施策のアイデア出し、ビジネス部門との連携、企業文化への浸透、経営や現場との足並みを揃えるための人材、組織の存在がより重要になっていることがうかがえます。

ただし、「人材・組織」の課題は一朝一夕で解決できるものではありません。

優秀なDXプロジェクトマネージャー、データサイエンティストを外部から確保することは至難の業であり、かといって社内でこうした人材を「すぐに」育成することも同様に困難です。

データドリブン経営を目指したデータの収集・分析は、外部パートナーとの知見が必要であり、社内外でDXプロジェクトチームを組成。ただし、外部パートナーに頼ることなく、ゆくゆくは「内製化」を果たすことを視野に入れているDX先進企業が増えています。

ここでいう内製化とは、企業が自社リソース/資産(人材/ファシリティ)を活用して、外部委託することなく事業含めた各種取り組みを自走できる状態をさします。

内製化を視野に入れないと、事業会社はいわゆる「ベンダーロックイン」状態に陥ります。専門家に頼るべき先端技術を使うといった特別な理由などとは関係なく、ただシステムを使う、データを見るということでさえも特定のベンダーにがっちりと握られている状態こそが、まさにベンダーに「ロックイン」されていると言えます。

そうなると、ビジネスのスピード感が求められる時代に、些細な変更でもいちいち見積もりを取ってテストまでやってもらうとなると、かなり大きなタイムラグが発生し、意思決定に大変な時間がかかってしまいます。

こうした弊害をいち早くリスクヘッジするために、DX先進企業は「外部パートナーとの共創」と「内製化」を同時に進めているのではないでしょうか。

「DX 内製化」に関する主な記事はこちら


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株式会社ブレインパッドについて

2004年の創業以来、「データ活用の促進を通じて持続可能な未来をつくる」をミッションに掲げ、データの可能性をまっすぐに信じてきたブレインパッドは、データ活用を核としたDX実践経験により、あらゆる社会課題や業界、企業の課題解決に貢献してきました。 そのため、「DXの核心はデータ活用」にあり、日々蓄積されるデータをうまく活用し、データドリブン経営に舵を切ることであると私達は考えています。

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