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本日もSnowflake Summit Day1の様子を現地からレポートしていきたいと思います。
本日は午後からだったので、宿泊先にて3人で早めの昼食を食べてから向かいました。会場近くにはSnowflakeの広告やポスターで溢れており、イベントが始まる雰囲気を感じさせます。
会場に到着後、まず受付でチェックインを済ませます。参加バッジを受け取り、Swagとしてパーカーとウォーターボトルも支給されました。いずれもSnowflakeのロゴがあしらわれたデザインで、記念にも実用にも嬉しいアイテムです。
ほかにも会場内では、資格合格者のノベルティやイベントでの景品がもらえるなど、カンファレンスならではの参加者を楽しませる工夫が随所に見られました。
Day1の目玉はCEO Sridhar Ramaswamy氏によるOpening Keynoteです。OpenAIの創設者兼CEOであるSam Altman氏との対談もあるとのことで、我々も注目していました。
入った瞬間、会場の熱気を感じ、視覚的にもこれから楽しいことが起こると確信できるような雰囲気となっていました。Keynote開始時には生演奏での音楽が流れ、参加者の期待感を一層高める演出となっていました。
「Simplicity」がキーメッセージだったと思います。
Snowflakeはデータと AI の可能性をエンタープライズが実現することをミッションとしており、Snowflake のプラットフォームにより、摩擦の排除・サイロの打破・複雑なものを簡単にしていく。これにより、以前は想像もできなかったデータの成果を引き出すことができるという、「Simplicity」への想いが強く伝わるメッセージでした。
Caterpillar、AstraZenecaのほか、複数企業の顧客事例の紹介がありました。
また、企業での活用において、「AIデータクラウドとしての信頼性」と「データライフサイクル」が強調されていました。
Snowflake は、オープンソースのPostgresテクノロジーのリーディングプロバイダーであるCrunchy Dataを買収することで合意したと発表がありました。
この発表の瞬間、会場の一部からは大きな歓声が上がり(CEOのSridhar Ramaswamy氏も「Postgres is truly amazing」と表現)、その分野における期待の高さが伺えました。正直なところ、その瞬間は我々は「ポカン」としてしまい、この分野における調査や理解もまだまだ必要だと改めて認識したところです。
【参考】
Snowflakeによるcrunchy data買収のリリース
https://www.snowflake.com/en/blog/snowflake-postgres-enterprise-ai-database/
NYSEは、データ量が爆発的に増加する中で、「市場の健全性(透明性)」と「効率的なリスク管理」というふたつの重要な使命を果たすために、Snowflakeの技術が不可欠であることを強調していました。
特に、データ量の爆発的な増加は、ピーク時で3500億件/日から1.2 兆件/日の注文メッセージとなるようで、我々も驚きました。
NYSEは、Snowflakeのデータストレージ、データ共有、および最近のCortex ML、Search、LLMなどの AI ツールを活用して、膨大なデータセットを解析し、プライバシーを保護しているようです。
証券取引所というミッションクリティカルな環境でもSnowflakeを高度に活用できる事例のひとつとして取り上げられ、なにより、NYSE社長とSnowflakeのCEOの会話からも、顧客だけでなくパートナーとして信頼し合っている様が伺え、終始笑顔で対談されているのが印象的でした。
OpenAIの創設者兼CEOであるサム・アルトマン氏が登壇し、企業がAIをどのように活用すべきかについて語りました。
AI活用を推進する担当者へのアドバイスとして、アルトマン氏は「とにかくやるべき(just do it)」と述べ、昨今のような変化が速い時期には、最も速い反復速度を持ち、間違いを犯すコストを最も低くし、学習ループを最も高くする企業が勝つと強調しました。早くから試行錯誤し迅速に行動している企業が、様子を見ている企業よりもはるかに良い結果を出しているとのことです。
昨年であれば「実験はできるが、まだ本番での使用には完全に準備できていないかもしれない」と助言していたのに対し、この1年でモデルの信頼性が大幅に向上し実用性が大きく転換したため、 来年にはAIシステムが「非常に重要なビジネス上の問題に大量の計算能力を投入すれば解決できる」段階に到達するとアルトマン氏は予測しています。
彼の言葉は、AIが「様子見」の段階ではなく、企業が積極的に実験・実装すべき時期に来ていることを示唆しており、私たちもお客様とともに「とにかくやるべき(just do it)」の精神で、AIとデータの可能性を実験・実装していくべきだと改めて感じました。
SnowflakeがLA28オリンピック・パラリンピック、また大会におけるTeam USAのOfficial Data Collaboration Providerとなり、データ共有とコラボレーションを支援することが発表されました。
U.S. Olympic and Paralympic PropertiesのCEOであるジョン・スラッシャー氏は、LA28において17日間の開催期間中に1200万枚ものチケットを販売する計画であり、オリンピック・パラリンピックを「世界史上最も、複雑なスポーツイベント」と表現。そのような大規模で複雑なイベントだからこそ、データコラボレーションの重要性を強調しSnowflakeとパートナーシップを結ぶ意義を語りました。
パートナーシップ締結の印にSnowflakeからはカスタムスノーボードを、オリンピックのチームUSAからはSnowflakeをモチーフとしたNIKEのシューズを贈呈。会場は拍手に包まれました。
【参考】
SnowflakeによるLA28とパートナーシップ締結のリリース
https://www.snowflake.com/en/blog/blog-la28-games-team-usa-partnership/
メンバーのうちひとりは、Snowflake Cortex AIを活用したハンズオンに参加しました。
ハンズオンとは参加者がSnowflakeの最新機能や連携ソリューションを実際に操作・体験できる実践型のセッションになります。本日参加したのは画像やPDFなどの非構造化データ、テーブルなどの構造化データを横断的に扱いながら、自律的に情報を取得・応答できるチャット形式のAIエージェントの構築までを実装するものでした。
扱われた技術としては以下になります。
Cortex AIの機能だけで、気軽にAIアプリケーションを構築できることは、キーノートでも強調されていた複雑な操作をシンプルにする「Simplicity」というSnowflakeの理念が端的に表れていると感じました。
実装に利用したコードはこちらのgithubに公開されているので、気になる方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。
Breakout SessionやThather Session、夕方のAPJ Welcome Receptionにも参加しました。
今年は日本から約350名の参加とのことで、昨年よりも多くなっており、日本市場での熱量も感じることができました。
参加したSessionでは、データ活用だけでなく、エージェント活用やデータチームのやるべき価値などかなり進んだ内容で、ブレインパッドにとっても刺激を受けるユースケースがありました。
電話応対において、会話スピード・声・内容も自然で、問い合わせ内容に対して知識ベースを瞬時に参照し、回答していました。
「英語のネイティブスピーカーではないから、スペイン語に変えてほしい」というリクエストにも、即時に多言語対応しており、聴講者一同も反応していました。
パスワードリセットのような特定のタスクもAIエージェントがワークフローを通じて実行できており、自身の範囲を超えていると判断すると、自動的に人間へエスカレーションしていました。
コカ・コーラ社では、データチームがOTIF(On-Time In-Full)の考え方を刷新し、DOTIF(Data On-Time In-Full)を実現しました。
その結果、ビジネス部門のユーザーは、必要な情報に簡単かつ迅速にアクセスできるようになり、その価値を高く評価しています。これにより業務サイクルが加速し、企業全体の好循環を生み出しているとのことです。
これはブレインパッドも目指している、理想的な成功事例だと感じました。
ブレインパッドの参加者がバスケ好きということもあり、拝聴しました。
ブレインパッドがクライアントをご支援する中で、ROI(投資収益率)やビジネスインパクトについてよくご質問をいただきます。
しかしこのセッションでは、単にROIだけを追求するのではなく、NPS(顧客推奨度)を重視すべきだと示唆されました。
その中で、NBAのデータチームの事例が紹介されました。
NBAは全世界に10億人以上のファンを持ち、多様なチャネルでコンテンツを提供しています。彼らのデータチームは、広大なビジョンを持ちながら、以下の例のようにステークホルダーの高い満足度を得て業務を遂行しているとのことでした。
明日は朝からPlatform Keynoteがあるとのことです。
新サービスの発表などを楽しみにしています!
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