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2026年9月10日〜11日にわたりグランドプリンスホテル新高輪にて開催された、AIデータクラウドの国内最大イベント「Snowflake World Tour Tokyo 2026」。ブレインパッドは上位スポンサーである「Black Diamond」として協賛し、ブレイクアウトセッションへの登壇およびブース出展にてSnowflakeで実現するBrainpadのデータ活用民主化支援をお伝えしました。
本記事では、株式会社日本政策投資銀行(以下、DBJ)様と共同で登壇したブレイクアウトセッションの模様を中心に、当日のイベントレポートをお届けします。

本セッションでは、DBJ様と一緒に取り組んでいる「銀行のコア業務である与信審査における暗黙知(コンテキスト)の抽出・継承」をテーマに、現場でのリアルなAI活用の現在地について講演とディスカッションが行われました。

セッションの冒頭、DBJの小笠原氏より、同行におけるAI活用のコンセプトが語られました。
一般的にAI活用は業務の効率化(時間の創出)に目が向けられがちですが、DBJ様は「AIに任せることで、人が判断する機会や考える力が失われてしまうのではないか」という強い問題意識を持っていました。
そこで着目したのが、AIによる生産性向上(自動化・高度化)と、職員の活躍・成長を両立させることです。教育の世界で知られるブルームの「2σ問題(1対1の個別指導を受けた生徒は、一斉授業の生徒より平均で2標準偏差高い成果を示す)」を引き合いに、「すべての職員が必要なときに優秀な上司や先輩と壁打ちできる、AIチューター環境を作れないか」という発想に至ったと語られました。
企業のコア業務である与信審査(融資判断)において、ベテランのノウハウをAIに移植しようとしたDBJ様。当初、デジタル戦略室長の小笠原氏は「過去の稟議書や審査資料を大量にAIに読み込ませれば、判断の仕方が見えてくるのではないか」と仮説を立てました。
しかし、ここに大きな罠がありました。資料に残っているのは「現状・結果」と「最終的な結論」が中心であり、「なぜその数字に着目したのか」「どの段階で違和感を持って別ルートを探りに行ったのか」といった、結論に至る”リアルな思考プロセス”までは蓄積されていなかったのです。
次にベテラン職員への直接ヒアリングを試みるも、当人にとってはあまりに自然な思考であるため、出てくるのは審査要領などの一般的なチェックポイント(形式知)が大半を占めてしまい、「暗黙知(コンテキスト)は、やみくもに聞いても出てこない」という壁に直面しました。
この壁を突破するために導入されたのが、ブレインパッドのコンサルティングによる「暗黙知(コンテキスト)の構造化アプローチ」です。漠然としたノウハウを以下の3層に分解し、それぞれに適した抽出方法を定義しました。
DBJ様が最も重視し、次世代へ継承すべきテーマとして設定したのが、この「How(思考プロセス)」でした。組織にとって重要な「How」を抽出するため、 資料ではなく「具体的な案件を題材にした会話」に着目、上司と部下が打ち合わせをする中で自然に出る「なぜそう言えるのか?」「この数字だけで大丈夫か?」という生きた問答から、着眼点や問いの立て方を抽出していきました。
セッションでは、実際のディスカッション音声からどのように暗黙知(コンテキスト)が抽出されたか、その生の事例も公開しました。上司と部下の自然な議論から着眼点や問いの立て方を抽出し、それを「SENP-AI(Senior Experience Navigates Path – AI)」という上司の暗黙知(コンテキスト)を搭載したAIチューターとして実装しています。
抽出した暗黙知(コンテキスト)は、一度構築して終わりではありません。ビジネス環境の変化とともに陳腐化するため、常に更新し続ける仕組みが必要です。ブレインパッドの木村は、Snowflakeを単なるデータ基盤ではなく「暗黙知(コンテキスト)を育てていく基盤」として位置づけ、以下の2つの工夫を実装していると解説しました。

最後に、どこまでをAIに代替させるかという役割分担について議論が交わされました。今後のAIの発展も考慮すると、企業情報の収集から融資稟議書の自動生成までをAIに行わせることも可能かもしれません。しかし、小笠原氏は「企業や業界を解釈・評価し、与信判断までのストーリーを組み立てる力こそが、DBJの価値提供を支えるコアコンピタンスである」と強調しました。
「AIに何ができるか」ではなく、「組織として何を人に残し、何を鍛え続けるか」を起点に設計し、AIを単なる作業代行ツールではなく、人が考えた仮説に対する「論点提示・壁打ち相手」として育てていくという力強いメッセージでセッションは締めくくられました。
本記事でご紹介したDBJ様との合同セッションの 講演スライド資料・配信動画 は、以下の特設ページよりお申し込み後にダウンロード・ご視聴いただけます。
暗黙知(コンテキスト)の抽出・活用に、ぜひお役立てください。


ブレインパッドの展示ブースにも、連日多くのお客様にお立ち寄りいただきました。ブースでは、具体的な事例を交えSnowflakeで実現するBrainpadのデータ活用民主化支援をご紹介。本セッションでご紹介した「暗黙知(コンテキスト)の抽出と育成基盤としてのSnowflake活用」についても、より技術的な詳細や、自社への適用について熱心に質問される方の姿が多く見られ、現場主導の生成AI活用に対する関心の高さが伺えました。
ブレインパッドは国内でも有数のSnowflake AIデータクラウドサービスパートナー「Premier」認定を保有し、15社を超えるお客様のSnowflake導入・活用を支援しております。日本初の対象業界を問わない総合データ分析サービス企業として、金融・製造・鉄道・不動産など幅広い業界での支援実績を基に、お客様のデータ活用を一貫してご支援いたします。
上記のようなデータ活用のあらゆるフェーズにおけるお悩みも、専門家チームがアナリティクスとエンジニアリングを駆使して現場に即したデータ活用を実装します。
今後も、Snowflakeをはじめとする最新のテクノロジーを活用し、お客様のデータ活用とAIによる価値創造を支援してまいります。セッション内容の詳細や、Snowflakeの導入・活用についてのご相談、事例に関するご質問がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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